ベック・ウェイ:ヤンキース・プロスペクト


 2017から当ブログで書いているヤンキースのプロスペクト紹介・レポートのまとめページになります。名前がその選手の記事へのリンクとなっていま...
2021年シーズン前半戦終了時点におけるニューヨーク・ヤンキースのプロスペクト(有望株)ランキングTOP100を作成

ベック・ウェイ

Beck Way
1999年8月6日/193cm・90㎏/右投先発/A+
2020年ドラフト4巡目(全体129位:契約金60万ドル)

シンカー   : 55/60 (平均95マイル、最速101マイル)
スライダー  : 55/55 (平均82~84マイル)
カッター   : 30/40 (平均86~87マイル)
チェンジアップ: 30/35 (平均87~88マイル)
コマンド   : 30/35
総合     : 30/40


高校時代は、ウェイの祖父が肘の消費を抑えることを目的に野手(ショート)としてのプレーとイニング制限を課したため登板機会が限られただけでなく制球難にも苦しみ低成績に。当然ながらスカウトから評価されることもなく、NCAA2部の弱小無名校ベルモント・アビー大学(ノースカロライナ州)へ進学することになりました。

同大学1年目(2018年)は可もなく不可もない成績を残し、2019年にノースウェスト・フロリダ州立短期大学に転向。夏のケープコッド・リーグで印象的なパフォーマンスを残した後、2020年のシーズン開幕から好投を続け一躍ドラフト上位指名候補へブレイク。

ドラフトでは2~3巡目での指名を予想されていましたが、4巡目・全体129位にてヤンキースが指名。2020-21年度から全米屈指の強豪校ルイジアナ州立大学へ転向することが決まっていたため、ヤンキースはボーナススロット額43万8700を超える60万ドルの契約金を与えています。

Register Pitching
Year Age Lev Aff ERA G GS IP H HR BB SO WHIP BB9 SO9 SO/W
2021 21 A-A+ NYY 3.98 19 18 63.1 41 5 38 83 1.247 5.4 11.8 2.18
2021 21 A+ NYY 7.71 4 4 16.1 18 3 9 29 1.653 5.0 16.0 3.22
2021 21 A NYY 2.68 15 14 47.0 23 2 29 54 1.106 5.6 10.3 1.86

2021年、MiLBデビューを先発投手としてAクラスで迎えると、アマチュア時代と同様に制球難に苦しみながらも好成績を記録。特にシーズンが進むにつれて球速が上昇を続け、球速上昇に呼応するようにパフォーマンスも向上。

シーズン終盤のA+クラス昇格後は壁にぶち当たったものの、90マイル台後半を連発し最速101マイルを計測しています。


シンカー :55/60(平均95マイル、最速101マイル)

2020年に最速97マイル・平均93マイルを計測したシンカー(ツーシーム?)は、2021年に最速101マイル・平均95マイルまで高速化。

ただ、球速と比べ変化は乏しく(平均スピンレイト2150rpm、縦変化20インチ、横変化16インチ)、空振りを奪うなり対戦打者を圧倒するようなピッチになり得ていないのが現状。

勝手な推測ですが、恐らく意図してシンカー系の球を投げているというよりは、フォーシームがナチュラルシンカーになってしまっているのでは?

スライダー  :55/55(平均82~84マイル)
カッター   :30/40(平均86~87マイル)
チェンジアップ:30/35(平均87~88マイル)

投球割合の約半分を占めるほどに多投しているスライダーは平均超の一品で、右打者相手にカウント関係なく投球。シンカーと球速差が大きいためか空振りを誘発する割合は高くはありませんが、芯で捉えられる頻度も非常に少なく、彼の投球スタイルの主軸に。

ドラフト時に一部で評価が高かったチェンジアップは期待外れ。球速こそありますがシンカーとの間にムーブメントの差が小さく左打者にとっては狙い球で、球速を落とし変化量を増やすなど改良を行いシンカーと差別化させるべきでしょう。

2020年に新たにレパートリーに加えた90マイル前後のカットボールは現状としてほとんど投じていませんが、新たに80マイル台中盤のカットボールを習得したようで、左打者の内角へ果敢に投げ込むカウントピッチ。

コマンド  :30/35

コマンドとコントロールはアマチュア時代から変わらず未熟なままで、今後もフリンジレベルから脱却することは無さそう。

2021年シーズンはスライダーを多投することでウィークコンタクトの誘発とストライクカウントの奪取を両立させましたが、MiLB上位クラスで現在の投球術が通用するとは思えません。

総合 :30/40

速球のシュート回転、カッターとチェンジアップの低クオリティを負の要因として左打者を苦にしており、2021年シーズンは右打者相手(156打者、奪三振60、与四球20、被打率.153、被OPS.510)とは対照的に、左打者相手に酷い数字(114打者、奪三振23、与四球18、被打率.226、被OPS.777)を記録。

コマンドやコントロールも踏まえると、先発投手として大成するとは考えられません。

ただ、高速シンカーとスライダーの組み合わせはリリーフ投手として大きな武器になるでしょうし、ドラフト4巡目の中では当りの部類に入るプロスペクトです。


選手ページ

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