ブレンダン・ベック
Brendan Beck
1998年10月生(25歳2か月):188cm・92㎏:RHP
AA:2021年ドラフト2巡目(全体55位:契約金$1.05M)
選手ページ:MiLB公式・Baseball Reference・FanGraphs
フォーシーム : 35/40(平均90~91マイル、最速96マイル)
スライダー : 50/50(平均83~84マイル)
カーブ : 45/45(平均77~78マイル)
チェンジアップ: 40/45(平均82~83マイル)
コマンド : 55/60
総合 : 35/35
今年MLBデビューを果たした兄トリスタン・ベックに加え、母と姉もスタンフォード卒のエリート一家に生まれ、必然的に本人も同大学へ進学。
1年目(2018年)から3年生の兄、同じく3年生のクリス・ブビック(2018年ドラフト1巡目・全体40位指名)、2年生のエリック・ミラー(2019年ドラフト4巡目指名)らが名を連ねるハイレベルなローテーションの一員に。
その後も着実に数字を伸ばしていったものの、ドラフトイヤーの2020年シーズンが序盤で中止となり、思う存分に力を発揮できないままドラフト指名漏れ。
ただし、ドラフト外入団ではなく進学を選択すると、後輩たち相手に支配的なピッチングを続け、パック12・カンファレンスの最優秀投手賞を受賞。
同然ながらプロスペクトとしての評価も急上昇し、2021年ドラフトでは3巡目クラスの評価を受けていましたが、予想に反しNYYが2巡目指名にてオーバーピック。
これは次の3巡目にてスロットバリュー以上の契約金が必要なブロック・セルヴィッジを指名するための布石であり、実際にベックとはスロットバリューを下回るボーナスにて契約を結んでいます。
Year | Age | Lev | ERA | G | GS | IP | H | HR | BB | SO | WHIP | BB9 | SO9 | SO/W |
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2018 | 19 | NCAA | 2.43 | 17 | 12 | 66.2 | 56 | 6 | 12 | 38 | 1.020 | 1.6 | 5.1 | 3.17 |
2019 | 20 | NCAA | 3.63 | 17 | 16 | 91.2 | 102 | 6 | 25 | 83 | 1.385 | 2.5 | 8.1 | 3.32 |
2020 | 21 | NCAA | 2.82 | 4 | 3 | 22.1 | 18 | 1 | 6 | 25 | 1.075 | 2.4 | 10.1 | 4.17 |
2021 | 22 | NCAA | 3.15 | 17 | 15 | 108.2 | 81 | 11 | 26 | 143 | 0.985 | 2.2 | 11.8 | 5.50 |
2023 | 24 | A+-Rk | 1.59 | 10 | 10 | 34.0 | 24 | 2 | 7 | 40 | 0.912 | 1.9 | 10.6 | 5.71 |
2023 | 24 | Rk | 0.00 | 1 | 1 | 3.0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 0.000 | 0.0 | 15.0 | |
2023 | 24 | A+ | 1.74 | 9 | 9 | 31.0 | 24 | 2 | 7 | 35 | 1.000 | 2.0 | 10.2 | 5.00 |
本来であればハイフロアーな即戦力型としてプロ入り後はスピーディーな昇級が期待されていたはずですが、ドラフト直後にトミー・ジョン手術を受け長期離脱。
その後もリハビリ過程にて幾度となくケガに見舞われ、プロ初登板は今年の6月までズレ込むことに。
実戦復帰後は60球制限を受け、5.0イニングに到達することはありませんでしたが、持ち前の完成度が高いピッチングによってA+の年下プレーヤーを圧倒。(ただし、8月末に再びIL入りを喫し、そのままシーズンエンド。)
来オフにルール5ドラフト対象となりますが、NYYの最近の投手プロスペクトの扱いを考えると、来シーズン開幕から好成績を残したとて、大幅な球威の向上が見られない限り、TDLで整理される可能性が高いのでは?
フォーシーム:35/40(平均90~91マイル、最速96マイル)
ストライドが小さくリピート性が高いオーバースローから投じられるフォーシームは球威とムーブメントに欠け、平均未満の常時90マイル強を計測。
トミー・ジョン手術から2年間も期間が空いたということで、ある程度の球速バンプを期待していたのですが、アマチュア時代から球速は変わらず。
現在は優れたコマンドによりアッパーゾーンにて空振りを奪っていますが、打高環境に身を置けば大学時代の一発病が再発する可能性も。
スライダー :50/50(平均83~84マイル)
カーブ :45/45(平均77~78マイル)
チェンジアップ:40/45(平均82~83マイル)
3種の変化球は何れも先発投手の及第点をクリア。
80マイル台前半の決め球ジャイロスライダーは高いK%の源に。
70マイル台後半のカーブも変化量が大きく、対LHBのアーリーカウントにて多投するカウントピッチ。
チェンジアップは反対に対LHBのレイトカウントにて多投しており、球速はありませんがフェード・ムーブメントによりゴロを誘発しています。
コマンド:55/60
先述したように投球フォームのリピート性が高く、球種を問わずハイレベルなコマンドを披露。
プロ入り後は球数制限によって65球以上を投げたことがありませんが、大学時代の確固たる実績を考えると、リミットを解錠したところでピッチングが崩れるとは思えません。
総合:35/35
実戦復帰を果たし好成績を残したと言え、25歳弱のA+成績を高く評価する気にはなれず。
期待されていた球速バンプが見受けられなかったこともあり、ドリュー・ソープの下位互換といった印象で、現状としてはシーリングが×。
やはり、2巡目・全体55位指名としてはバストの部類に入ると言わざるを得ません。
50パーセンタイルのアウトカムは現阪神ブライアン・ケラーのようなAAA止まりの先発投手かと思いますが、投球フォームに改善の余地を感じるのも事実です。