チャンス・アダムス:ヤンキースプロスペクト

 
 
 
 
 
チャンス・アダムス
 
 
23歳/185㎝・95㎏/右投先発/AAA
2015年2巡目(全体153位・契約金33万ドル)
BAプロスペクトランキング2017年夏版・56位
MLB.comプロスペクトランキング・52
MLB.comプロスペクトランキングチーム内・2位
 
 
速球      :  60/60 (93~94マイル・最速97~98マイル)
スライダー   :  60/60 (84~85マイル)
カーブ     :  45/45 (79~81マイル)
チェンジアップ :  45/55 (86~88マイル)
コマンド    :  40/45
総合      :  45/55
 

 
 大学時代は1・2年目に無名のヤバパイ大学(2年制のコミュニュティ・カレッジ)でリリーフと先発どちらでもプレー、3年時(2015年)にはテキサスのダラス・バプテスト大学でリリーフとプレー。最速96マイルと平均レベルのスライダーを武器に活躍し、その年のドラフト5巡目でヤンキースと契約に指名されました。
 2015年のプロ入り後、大学時と同様にリリーフで起用されるとすぐに速球が最速98マイルまで上昇し好成績を記録。2016年には先発に転向すると圧倒的な好成績を残し、2017年にはAAAまで昇格するとシーズン途中にはデビューも期待される投球内容で、ジャスタス・シェフィールドと並びヤンキース最高の投手プロスペクトの一人と目されています。
 
 
 
 
 完成された体格&スリークォーターから投げ込まれるプラスピッチの速球は、先発としては最速97マイル・平均92~94マイル、リリーフとしては最速98マイル・平均94~96マイルを計測し、空振りを奪えるだけでなく右打者・左打者関係なく内角に積極的に投げ込み凡打を誘います。
 
 大学時代から決め球のスライダーは切れ味がありプラスピッチ、通常は右打者から容易に空振りを奪いますが、空振りを奪いたいときに思ったほどの変化しない時があるのは不安要素。ただ意図的にカッター気味に投げているときもあります。左打者に投げるチャンジアップはまだ平均レベルではありませんが、球速がありとりわけ横方向に変化を見せまだ伸びそうな雰囲気があり、将来は平均~平均以上になるのではないでしょうか。80マイル前後で平均以下のカーブは早めのカウントで投げ込みストライクを奪うために使うことが多い印象。第2の変化球としてはチェンジアップのほうが良さげです。
 
 

 
 投げる球の質だけでなく、投球フォームはコンパクトで安定感がありショートアーム気味のため体でうまいこと腕の振りを隠すことができることや、テンポが非常に早くどんなカウントでも積極的にストライクゾーンを攻めていく強気のピッチングなども好成績の要因になっています。ただコマンドには欠けており、今年は与四球率が悪化。また先発経験が少ないためスタミナも不安要素で、今シーズンは前半戦と比べ後半戦に切れのないピッチング(とりわけ奪三振率が悪化)が見受けられました。
 
 まだ先発経験が少ないことも考えると、先発投手としての天井はローテーション3番手。今シーズン中のデビューは在りませんでしたが、2018年シーズン中のデビューは間違いないでしょう。ただ今シーズン後半戦のピッチングを見ているとデビッド・フェルプスやアダム・ウォーレン程度で収まってしまうのではないかという不安もよぎりました・・・