2017年MLBドラフト・有望株ランキング 8~10位

8位:ペイヴィン・スミス  ファースト  ヴァージニア大学

左投左打・188cm・21.6歳

スミスが高い評価を受けている一番の理由は、261打席で9三振+36四球を記録した打撃成績でしょう。成績から分かるようにヒッティング、選球眼の完成度は高く、インサイドアウト・スウィングから広角に打ち分け、バッティングスピードの速さからパワーの高いポテンシャルも評価されています。木製バットでも好成績を残しているため、プロ入り後のリスクも小さいでしょう。
肩の強さは平均レベル以上で大学1年ではレフトでもプレーしたことがありましたが、鈍足のため今では守備位置はファーストに限定されてしまっています。ただファースト守備は平均以上と言われています。
選手のタイプとしてはエリック・ホズマーと比較されており、3割20本を記録する選手になると予想されています。打者としてのリスクは小さくパワーの伸びしろもありますが、守備はファーストに限られおり鈍足も含めれば指名順位が15位以下に落ちてもおかしくはありません。

9位:シェーン・バズ  先発  高校生(テキサス)

右投・191㎝・17.9歳

テキサスといえば昔ではノーラン・ライアン、ロジャー・クレメンス、ケリー・ウッド、最近ではタイラー・コレックやマイケル・コペックなど剛腕が多いイメージがありますが、このバズも最速98マイルの剛速球を武器にするパワーピッチャーです。その速球は、最近はやりのスピンレイトで最高2810RPMを記録しており(トラックマン社が計測したんで真実味はあるかな)、ただ速いだけの速球ではないようです。遅生まれのため18歳になっておらず、さらなる球速上昇も期待できます。
変化球で評価が高いのはカットボールで84~88マイルを計測しています(最近ではカットボールは肘への負担が大きいといわれています)。またカーブもスピンレイトが良く、チェンジアップとともに平均以上のポテンシャルを秘めています。速球の球威のわりに変化球を投げることが多いようで、肘への負担蓄積を不安視するスカウトもいるようです。
多くの剛腕高校生と同じようにコマンドは不安視されており、歴史的にはこのようなタイプの高校右腕はハズレが多いので、高校生の中でもリスクの大きな選手でしょう。またテキサスクリスチャン大学進学の確率が高いようで、指名順位は大きく下がるかもしれません。

10位:ジェレン・ケンドール  センター  ヴァンダービルド大学

右投左打・178㎝・21.4歳

高校時代から高い身体能力を誇る名の知れた選手で、今シーズン開幕前までは全体1位指名最有力でしたが、今シーズンは三振率が25%付近まで悪化し現在のように評価を落としました。
体格のわりにパワーは平均以上のものの、すでに述べたようにバッティングコントロールは悪く、重心が高いため特に低めに対応できないことが多く、プロレベルでは平均以下になるかもしれません。また木製バットでの成績も良くなく{ケープコットリーグ(木製バットを使用するリーグ)での成績}、プロ入り以降はパワーも発揮できない確率もあります。
大きなリスクの残るバッティングとは対照的に、守備・走塁は大学トップクラスの評価を受けており、走塁は80スケールで70~80、俊足をいかしたセンター守備もゴールドグラブ級のポテンシャルを秘めています。
ジャコビー・エルズベリーと比較されており、プロレベルでも守備・走塁では間違いなくトップクラスの選手でしょう。ただ体格も小さく打撃の大きな問題点を考えれば、7位以内で指名されることはないと思います。