ヤンキースの2024年MLBドラフト1巡目指名候補:その3

2024年MLBドラフトにおけるヤンキースの上位指名候補について

今回は不作気味の大学生ピッチャーをピックアップ。

各チームがその将来性(期待値)の低さに気付き、ドラフトにおける大学生ピッチャーの評価が下落している現在において、今さらNYYが1巡目指名権(全体26位)を擲つとは思えませんが、その分早いうちに押さえておこうかと。



Brody Brecht

ブロディ・ブレクト:21歳10ヶ月(2002年9月生)
193cm:アイオワ大学:SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 34位 4/24
MLB.com 28位 4/24
Joe Doyle 18位 4/15
ESPN 19位 5/8
The Athletic 16位 4/18
Perfect Game 25位 4/4
Azad Earl 24位 4/29

体格と身体能力を兼ね備える二刀流アスリート(野球とフットボール)として、ピッチャー及びワイルドレシーバーの両方でアイオワ州 All-State First Teamに選出。

本来なら2021年MLBドラフトにて2~3巡目指名を獲得していたでしょうが、地元の強豪アイオワ大学へのコミットが非常に強く、そのまま指名を受けることなく進学。

進学後も野球部とフットボール部の両方に在籍し、2022年シーズンはRP起用を受けると、最速102 mphの剛速球を武器に39.3 K%・22.3 BB%と極端な数字を残し、シーズン終了後に参加したサマーリーグでは20アウト(6.2 IP)のうち19を奪三振で奪いました。

加えて、秋のフットボール・シーズンにおいては控えのWRとしてプレーするも目立った活躍はできず。

Year Age Tm Lg ERA G GS IP H HR BB SO WHIP BB9 SO9 SO/W
2022 19 Iowa BTen 3.18 17 1 22.2 13 0 25 44 1.676 9.9 17.5 1.76
2023 20 Iowa BTen 3.74 17 16 77.0 37 2 61 109 1.273 7.1 12.7 1.79
2024 21 Iowa BTen 3.43 12 12 63.0 39 2 40 108 1.254 5.7 15.4 2.70

2022年シーズンからSPに転向すると、引き続き制球難に苦しみながらもエース級の活躍を披露。さらに、フットボール引退(野球専念)の道を選び、2024年クラス最高のスタッフを持つ素材型として1巡目前半での指名が見込まれつ存在に。

また、(誤計測の可能性が非常に高いものの)104 mphを計測したことでも話題に。

しかし、後からも述べますがメカニクスの改造が失敗に終わり、制球力はある程度向上したものの、肝心のピッチクオリティが劣化。

ドラフト・プロスペクトとしての評価も落ち込み、1巡目指名に対して懐疑的な声も上がりました。

ただ、4月下旬以降の登板では生まれ変わったかのような支配的パフォーマンスを見せており、再びNYYの指名順位(全体26位)では届かない存在となるかもしれません。

そもそも、NYYが上位で剛速球投手を指名した例は高校時代のGerrit Coleが最後ですから、歯牙にも掛けていない可能性が高いでしょうけど。

FB SW CB FS Cmd
70 60 45 35
FB/be FB/vel SW/vel CB/vel FS/vel
102 96 88 89~90

昨年から今年にかけて大幅なフォーム改造を行い、特徴的だったショートアームとやり投げのような前方移動を取りやめ、Justin Verlanderのフォームをエフォートレスにしたようなメカニクスへ変更。

恐らく制球力向上を狙っての改造だったのでしょうが、残念ながらこれが少々の制球力向上では埋め合わせできないようなスタッフの劣化に直結。

2023年シーズンにAvg 97.7 mph・2330 rpmを計測したFFは、2024年シーズンに入るとAvg 95 mph・2150 rpm前後へパワーダウン。

大学最高級と呼ばれたダブルプラス級のSW(SL?)もWhiff%が低下しているようです。(ただ、スピンレイトと変化量が増大しているとの情報も。)

加えて、2023年シーズンにMax 95 mph・Avg 91~93 mphを計測したハイスピン系のCHが90 mph前後のFSへとすり替えられているものの、ムーブメントに乏しく投球頻度も高くありません。

とは言っても、(コマンドは別として)コントロールが向上しているのは確かで、ここ最近のパフォーマンス向上もスタッフの復活というよりはむしろ制球面の安定が大きく寄与しているはず。

(よくよく考えれば、劣化したたままならJustin Langeと大して変わんねぇよな。)


Jonathan Santucci

ジョナサン・サントゥッチ:21歳6ヶ月(2002年12月生)
188cm:デューク大学:SP/LHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 26位 4/24
MLB.com 29位 4/24
Joe Doyle 31位 4/15
ESPN 45位 5/8
The Athletic 39位 4/18
Perfect Game 34位 4/4
Azad Earl 43位 4/29

高校時代は強肩強打のOFとして期待され、デューク大1年目には二刀流としてプレー。

ただ、ピッチャーとしては早くから頭角を現したものの、バッティングにおいては全くと言ってもいいほど奮わず、早々にピッチングへ専念する形に。

Year Age Tm Lg ERA G GS IP H HR BB SO WHIP BB9 SO9 SO/W
2022 19 Duke ACC 4.17 20 7 41.0 32 4 20 58 1.268 4.4 12.7 2.90
2023 20 Duke ACC 4.30 7 7 29.1 27 4 16 50 1.466 4.9 15.3 3.13
2024 21 Duke ACC 3.54 12 12 56.0 39 4 34 86 1.304 5.5 13.8 2.53

2年目は開幕からSPローテに定着すると印象的なピッチングを続け、シーズン中盤に左肘骨折の大怪我に見舞われるも、ドラフト1巡目指名候補と評される存在に。

さらに秋季トレーニングで復活を印象付けるパワーピッチングを見せ、その評価はシーズン開幕までに全体10~19位クラスへ上昇したわけですが、制球難によって今シーズンはここまで期待を上回るようなパフォーマンスを発揮できず。

現時点ではNYYの指名順位(全体26位)まで残る可能性十分。

FB SL CB CH Cmd
55 55 55 40
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
98 93 81~82 84~86

James Paxtonを彷彿させるメカニクスはディセプションの欠如を長いエクステンションで補っており、球速とスピンレイト(Avg 93 mph・2150~2200 rpm)が並みの数字にもかかわらず19″ IVBを計測。特にRHBに対し威力を発揮している模様。

ジャイロ気味のSLも球速とスピンレイトこそ大したことないものの、Whiff%は驚異の65%に達しており、Stuff+も意外と優秀な値。

SLほどではないにしても、55 Whiff%を叩き出しているCHも平均超のピッチ。

ただ、今シーズンは僅かながらも全体的に球速上昇を見せていますが、試合後半に入ると球速が低下する傾向にあるとのこと。

成績からも分かるようにコントロールは宜しくありませんが、将来の制球力向上について楽観的な声も強く、大学生LHP不作の今クラスならば…


Luke Holman

ルーク・ホールマン:21歳5ヶ月(2003年1月生)
193cm:ルイジアナ州立大学:SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 31位 4/24
MLB.com 56位 4/24
Joe Doyle 46位 4/15
ESPN 35位 5/8
The Athletic 40位 4/18
Perfect Game 38位 4/4
Azad Earl 46位 4/29

AAAの壁を破れずMLB未経験のまま散った元マイナーリーガーを父に持ち、ペンシルベニア州屈指の高校生RHBとして2021年ドラフトでも1ケタラウンド指名を狙える存在でしたが、父親の故郷アラバマ州の名門アラバマ大学へのコミットが強く、TORの20巡目指名を蹴って進学。

ブルペンで高BABIPに苦しんだフレッシュマンイヤーを経て、2年目はSPローテに入るだけでは飽き足らず、チームのエースとして活躍。

Year Age Tm Lg ERA G GS IP H HR BB SO WHIP BB9 SO9 SO/W
2022 19 Alabama SEC 5.68 15 0 19.0 25 0 8 24 1.737 3.8 11.4 3.00
2023 20 Alabama SEC 3.67 16 15 81.0 54 14 31 87 1.049 3.4 9.7 2.81
2024 21 Louisiana State SEC 2.84 12 12 66.2 41 3 26 98 1.005 3.5 13.2 3.77

さらに、今年度からはアラバマ大と同じSECに属する2023年NCAA王者ルイジアナ州立大学へ転向すると。前年から大きく数字を伸ばし、1巡目指名を期待される存在となりました。

FB SL CB CH Cmd
50 55 45 40 45
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
96 92 82 78
80

ディセプションの優れたオーバースローから投げ込まれるFFは、球速こそ物足りないものの、スピンレイトに長け20” IVBを計測。

縦に落ちる平均超のジャイロSLは50%超のWhiff%を生み出しており、LHB相手にも投球割合は高め。

高校時代決め球だった80 mph弱のハンマーCBは変化量こそ大きいものの、プットアウェイ・ピッチとしてあまり信用していないのかアーリーカウントで用いることが多く、よりピッチクオリティとコマンドが劣るCH(FS?)も信用に足らないピッチ。

GBを打たせられるようなピッチを欠いてるだけでなく、FFをアッパーゾーンに集めるピッチングスタイルのおかげで、2023年シーズンに一発病を発症した既往症アリ。