2021年MLBドラフト注目選手:その1


2021年度MLBドラフトにて全体20位指名権(1巡目)を持つニューヨーク・ヤンキースはイースタン・イリノイ大学の遊撃手トレイ・スウィーニー(Trey Sweeney)を指名!

マイナーリーグの開幕が5月まで延期された挙句ヤンキースの試合が見る価値無し状態なので、例年よりも早いですが今年のMLBドラフトに切り替えます。

今年のMLBドラフトは全体的に高校生野手が豊作、大学生野手が不作と称されていて、昨年の高校・大学の各リーグの公式戦がほとんど中止になったこともあり、ドラフト上位指名候補たちの評価が目まぐるしく変化している点が特徴的。

正直なところドラフト開催まで3カ月を切った今現在の評価ですら参考になるかどうか?



ジャック・ライター

Jack Leiter
21歳2ヶ月:183㎝・93㎏:RHP:ヴァンダービルド大学
予想指名順位:全体1位~3位

メディア 順位
Baseball America 1位
MLB.com 1位
FanGraphs 1位
The Athletic 1位

昨年からポテンシャルはチームメイトかつライバルのクマール・ロッカー以上と称されるなど伸び代がウリのプロスペクトでしたが、今年2月のNCAA開幕から快投を続け20.2イニング連続無安打や16奪三振ノーヒッターなど大学2年生としては規格外のパフォーマンスを披露。

今ではライバルのロッカーを逆転して2021年ドラフト全体1指名最有力とみなされています。

Register Pitching
Year Age Tm Lg ERA G GS IP H HR BB SO WHIP BB9 SO9 SO/W
2020 20 Vanderbilt SEC 1.72 4 3 15.2 5 0 8 22 0.830 4.6 12.6 2.75
2021 21 Vanderbilt SEC 0.98 9 9 55.1 17 4 22 94 0.705 3.6 15.3 4.27
All All All   1.14 13 12 71.0 22 4 30 116 0.732 3.8 14.7 3.87

昨シーズンは最速96マイル・平均92~93マイル程度だったフォーシームは今シーズンに入って最速99マイル・平均94マイルを計測。高めに投げ込む割合が高いものの鉛直方向の変化が少なく容易にバットの下を通る空振りを奪っています。また、高校時代からフォーシームとツーシームの2種類の速球を投げ分けていますが、今現在はフォーシームが割合のほとんどを占めている印象。

高校時代から最高級と称される70マイル台後半のカーブと平均以上の80マイル台後半のチェンジアップに加え大学1年次に習得した80マイル台前半のスライダーも明らかに向上。現在のMLBは80マイルを超えないような球速に欠けるカーブが年々通用しないようになっているので、今後はスライダーの向上が大きなカギを握るはず。

ただ、ここ2試合はそれまでと比べ球速が下降していて、そのためか投球内容もイマイチでした。

かねてからコマンドが最大の不安要素と目されてきた選手で、年々向上こそしているものの全体1位指名候補としてはまだ物足りないレベル。今シーズンは対戦打者を圧倒しているにもかかわらず制球難により球数がかさみイニングを稼げない場面も多々あり、現状としての完成度は未だにロッカーが上と言わざるを得ません。


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クマール・ロッカー

Kumar Rocker
21歳7ヶ月:196㎝・115㎏:RHP:ヴァンダービルド大学
予想指名順位:全体1位~3位

メディア 順位
Baseball America(大学生) 3位
MLB.com 3位
FanGraphs 2位
The Athletic 3位

1学年下(5か月年下)のジャック・ライターに評価こそ逆転されたものの今シーズンのパフォーマンスは期待以上の内容。

4月上旬に球速の低下に苦しみ8日のジョージア大学戦では6失点を喫するなど一時期に不調に見舞われたものの、下旬に入るとあっさりと復活しライターが苦戦したテネシー大とミシシッピ州立大を圧倒。

2019年シーズンは最後の6月に入ると一気に調子がを上げ今や伝説の19奪三振ノーヒッター(vsデューク大)も達成しただけに、これからドラフトまでの最後の2か月間のパフォーマンスには注目。

Register Pitching
Year Age Tm Lg ERA G GS IP H HR BB SO WHIP BB9 SO9 SO/W
2019 19 Vanderbilt SEC 3.25 19 16 99.2 88 2 21 114 1.094 1.9 10.3 5.43
2020 20 Vanderbilt SEC 1.80 3 3 15.0 6 0 8 28 0.933 4.8 16.8 3.50
2021 21 Vanderbilt SEC 1.55 10 10 64.0 32 3 15 89 0.734 2.1 12.5 5.93
All All All   2.52 32 29 178.2 126 5 44 231 0.951 2.2 11.6 5.25

3月に対戦大学の本拠地球場のスピードガンで最速101マイルを計測しましたが、これはスピードガンが緩かったためだと考えられていて、他の試合では最速98マイル・平均95マイルを残しています。

また、大学球界最高クラスのスライダー(80マイル台前半)と投球割合の低い80マイル台中盤のチェンジアップに加え90マイル弱のカットボールもレパートリーに追加。スライダーのコマンドは未だ不安定な場面が見受けられますがフォーシームとチェンジアップは上々。カットボールにおいてもすでに平均以上のコマンドを身に付けているようです。


ジョーダン・ロウラー

Jordan Lawlar
19歳0ヶ月:188cm・84㎏:SS:テキサス州
予想指名順位:全体2~5位

メディア 順位
Baseball America 2位
MLB.com 2位
FanGraphs 5位
The Athletic 2位

今ドラフトクラスは大学生野手が例年と比べ不作であるため高校生野手の躍進が期待されますが、その中でも最も高い評価を受けている選手が昨年から上り調子のジョーダン・ロウラー。同じくテキサス州ダラス出身で2019年ドラフト全体2位指名のボビー・ウィット Jr.と比較される5ツールプレーヤーの大型ショートです。

とは言え、ドラフト全体1位指名権を持つパイレーツは内野手のプロスペクトが充実しているため、ロウラーや次に取り上げるマーセロ・マイヤーを指名する可能性は低いでしょう。

ドラフト前まではバットコントロールに難があると称されていた前述のウィットとは対照的に、パワーこそ欠けるものの完成度の高いスムーズなスイングを持つ高校No.1のピュアヒッターと称賛されていて、サイズと身体能力を考えると将来的にはパワーも大きく向上してもおかしくはありません。

また、上のツイート内動画を見ても分かるように60ヤード走6.45秒を記録した俊足はプラス-プラスツールで、今シーズンはここまで30試合で29盗塁を記録。

さらに、俊足と平均以上の肩を活かしたショート守備の評価も高く、2019年は24試合で13個、2020年は12試合で5個のエラーを喫したにも関わらず今シーズンは30試合でたった3個に抑えているところを見ると相当なスキルアップを成し遂げたようですね。


マルセロ・マイヤー

Marcelo Mayer
18歳7ヶ月:190cm・84㎏:SS:カリフォルニア州
予想指名順位:全体5~10位

メディア 順位
Baseball America 4位
MLB.com 4位
FanGraphs 7位
The Athletic 7位

上記のジョーダン・ロウラーと同様に5ツールプレーヤーとして評価される高校生の大型ショート。

昨年はコロナ禍により大半のショーケースへの参加を見合わせたため未知数な部分も多く評価が割れている印象でしたが、今シーズンは開幕からホームランを連発するなど好調でドラフト全体1ケタ順位での指名を盤石なものにしています。

ロウラーと並ぶ高校生最高のピュアヒッターの1人でパワーのポテンシャルはロウラー以上との評。そのシンプルなスイングに穴は見受けられず、選球眼にも優れアプローチも優秀とのこと。

高い身体能力を持つにもかかわらず60ヤード走が7秒弱と平均レベルのタイムですが、ショート守備の評価は上々。Baseball Americaのスカウト間投票では高校生内野手守備部門で1位に選ばれています。