11位~20位:MLB史上最高のシーズン成績Top40(MLB.com選出)

31位~40位

21位~30位

参照元(英語)


20位:ロジャー・クレメンス:1986年(24歳)

BOS:先発:rWAR=8.9、fWAR=7.1

MVP、サイヤング賞/リーグ1位:ERA+、FIP、WHIP

投手3冠王に輝きサイヤング賞だけでなくMVPも受賞したシーズン。4月29日にはMLB記録となら1試合20奪三振も達成。運にも恵まれ6月27日の時点で14勝無敗。1968年以来のシーズン30勝も期待されていました。

ただ、このシーズンは彼のキャリアの中で3~5番目の成績であり、キャリアベストシーズンはブルージェイズ時代の1997年です。ただこの時期はすでにドーピングを行っていたといわれているので、非ドーピング時代のベストは1988年です。


19位:ドワイト・グッデン:1985年(20歳)

NYM:先発:rWAR=13.3、fWAR=9.7

サイヤング賞、MVP投票4位/リーグ1位:rWAR、fWAR、ERA+、FIP、奪三振、イニング、完投、完封

19歳で一大センセーションを起こした1984年の翌シーズン。前年よりもさらに成績を向上させ、20歳ながらもrWARは驚異の13.3.この数字以上のrWARを残した選手はMLBの歴史上ベーブ・ルースとウォルター・ジョンソンしかいません。恐らく20歳以下の中では野球史上最高の投手だったでしょう。

さらに詳しく成績を見てみると、18試合で8回以上1失点以下を記録しており、クオリティスタート失敗はたった2回。打撃成績も優秀でOPS.545という高水準の数字を残しています。

しかし、このシーズンからチームメイトとの夜遊びが増え始め飲酒量も増加。シーズンオフにはドラッグにも手を出し、1986年からは一気に成績が下降することになります。


18位:マーク・マグワイア:1998年(34歳)

STL:ファースト:rWAR=7.5、fWAR=8.5

MVP投票2位/リーグ1位:wRC+、本塁打、出塁率、長打率、四球

サミー・ソーサとのホームラン王争いが日本でも話題となった歴史的なシーズン。しかし、ファーストの守備成績は最低クラスだったため、WARはバリー・ボンズよりも下でした。


17位:ロン・ギドリー:1978年(28歳)

NYY:先発:rWAR=9.6、fWAR=9.1

サイヤング賞、MVP投票4位/リーグ1位:rWAR、fWAR、ERA+、FIP、奪三振、完封

ヤンキース史上最高の投手シーズン成績。最速98マイルの速球と球史に残るスライダーを武器に球団記録の1試合18奪三振も記録し、PSでも8回1失点&9回1失点と大活躍を見せました。


16位:スタン・ミュージアル:1948年(27歳)

STL:ライト:rWAR=11.1、fWAR=11.1

MVP/リーグ1位:rWAR、fWAR、wRC+、打率、出塁率、長打率、打点、安打、二塁打、塁打、得点

ホームラン王にはたった1本だけ足りませんでしたが、それ以外のありとあらゆる打撃部門でトップとなり、4月~9月の全月でOPS1.050以上を記録しました。シーズンOPS1.152はリーグの2位ジョニー・マイズ(OPS.959)を2割近くリード。加えて、固め打ちも印象的で1試合5安打を4試合、1試合4安打以上を10試合で記録しています。


15位:フランク・ロビンソン:1966年(31歳)

BAL:ライト:rWAR=7.7、fWAR=8.2

MVP/、リーグ1位:rWAR、fWAR、wRC+本塁打、打点、打率、出塁率、長打率、得点

デビューから10年間プレーしたレッズからオリオールズに移籍した1年目に三冠王を獲得。WSでもMVPを獲得しています。

ちなみに、8月にチームメイトと行ったホームパーティーで泳げないと言っていたにもかかわらずチームメイトに悪戯でプールに落とされ溺れ死にかけました。


14位:グレッグ・マダックス:1995年(29歳)

ATL:先発:rWAR=9.6、fWAR=7.6

サイヤング賞、MVP投票3位/リーグ1位:rWAR、fWAR、ERA+、FIP、WHIP、四球率、K/BB、イニング、完投、/GG賞

4年連続でサイヤング賞を獲得。ERA+261はMLB歴代4位の数字(1位はペドロ・マルティネス、2位はダッチ・レナード、3位は1994年のマダックス)、WHIP0.811もMLB歴代4位の記録です。PSでも5試合に先発しWS優勝に貢献。

シーズンで23四球しか出しておらず、11試合で9イニング投げましたが5試合で100球以下、110球以上投げたのは1試合だけでした。また、100球以下5試合のうち3試合は89球以下。


13位:ミッキー・マントル:1956年(24歳)

NYG:センター:rWAR=11.3、fWAR=11.5

MVP/リーグ1位:rWAR、fWAR、wRC+、打率、長打率、本塁打、打点、得点

37歳のテッド・ウィリアムズを首位打者を獲得し三冠王に輝いたマントルのベストシーズン。wRC+217はスイッチヒッター or センターのMLB記録で歴代10位の数字です。また、fWAR11.5はリーフ2位のハーブ・スコア(6.9)を4.6もリードしているダントツの記録。打撃成績と比べて盗塁数はたった10個と微妙な数字ですが、歴史的な俊足だったマントルなら走ろうと思えば50盗塁もクリアできたのではないでしょうか。

WSでも3本塁打を記録し、ドン・ラーセンの完全試合では守備でラーセンをアシスト(下の動画)。


12位:デニー・マクレイン:1968年(24歳)

DET:先発:rWAR=7.4、fWAR=7.1

MVP,サイヤング賞/リーグ1位:奪三振、完投、完封、イニング

投高打低が大きく進みリーグ平均防御率がたった2.98となったこのシーズン、防御率1.12を記録したボブ・ギブソン(カージナルス)のシーズン成績が有名ですが、ALではこのマクレインがMLB最後のシーズン30勝を記録しました。

ただ30勝とはいってもERA+は154しかなくその他投球内容もこの順位にランクインするほどのものでもなく、どう考えたって過大評価です。


11位:カール・ヤストレムスキー:1967年(28歳)

BOS:レフト:rWAR=12.5、fWAR=11.1

MVP/リーグ1位:rWAR、fWAR、wRC+、打率、出塁率、長打率、本塁打、打点、安打、得点、TZR(外野)/GG賞

三冠王を獲得したことで有名なシーズンですが、歴代最高クラスのレフト守備でdWARも荒稼ぎしシーズンrWAR12.5はMLBの歴代野手で1923年と1921年のベーブ・ルースに次ぐ数字。「その割にOPSはたった1.040?」と思われるかもしれませんが、マクレインの章でも述べたようにこの頃のMLBは非常に投高打低で、実際に1967年シーズンのMLB平均OPSは.664しかありませんでした。

WSでも7試合で10安打、3本塁打、打率.400、OPS1.340と活躍し優勝していればMVPに輝いていたでしょう。

ちなみに、当然シーズンMVPは受賞していますが20人の投票者のうちのバカな1人が大したことない成績の選手に投票したため満票受賞を逃しています。本当にMVP投票ってロクなもんじゃないですね。

↓その1票を獲得したCesar Tovarの1967年シーズン成績