2020年MLBドラフト上位指名候補:大学生投手

10か月後に行われる2020年度MLBドラフトの上位指名候補&注目選手を取り上げていこうかと。

今回はその中でも大学生投手について。

すでに2020年度ドラフトのプロスペクト・ランキングを発表しているベースボールアメリカ(BA)とFangraphsの順位を載せていますが、ベースボールアメリカは大学生と高校生で分けて発表しています。

2020年MLBドラフト上位指名候補:大学生野手



エマーソン・ハンコック

Emerson Hancock
20歳:193㎝・97㎏:右投右打:RHP:ジョージア大
予想指名順位:全体1位~3位

各ランキング 順位
BA(大学生) 2
Fangraphs 1

現時点での2020年度MLBドラフト全体1位指名最有力選手。

最速96マイルのフォーシームと平均以上の決め球チェンジアップのコンビネーションを高く評価されジョージア州No.1高校生右腕と目されていたプロスペクト。

地元の強豪ジョージア大に進学すると1年目こそ低成績の終わったものの今シーズンに入り大ブレイク。(将来的なポテンシャルも含めて)大学生No.1投手となりました。

Register Pitching
Year Age Tm Lg ERA G IP BB SO WHIP H9 HR9 BB9 SO9 SO/W
2018 19 Georgia SEC 5.10 15 77.2 34 75 1.339 8.1 0.9 3.9 8.7 2.21
2019 20 Georgia SEC 1.99 14 90.1 18 97 0.841 5.8 0.5 1.8 9.7 5.39
All All All   3.43 29 168.0 52 172 1.071 6.9 0.7 2.8 9.2 3.31

スムーズなスリークォーターから投げ込まれるスピンの効いたフォーシームは最速99マイル、常時95マイル前後を計測。高校時代の最速が96マイルなのでそれから大きく伸びているわけですが、長身瘦躯の体格を考えると更なる身体面の成長による100マイル到達の可能性も。

変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップの3種類と豊富。高校時代はチェンジアップを最も高く評価されていたものの現在の決め球は縦に大きく曲がるスライダー。順調に成長すれば3種の変化球全てが平均以上のクオリティを持つかもしれません。

大学生トップクラスのクオリティとポテンシャルを誇る速球&変化球に加えてコントロールとコマンドも平均以上。今シーズンに入り四球を約半減させていて、とりわけ最後の6登板のうち5登板では強豪大相手に無四球を記録しています。

プロスペクトとしてのマイナスポイントはシーズン後半戦に腕を痛めて約2週間離脱したことぐらいですかね。



コール・ウィルコックス

Cole Wilcox
20歳:196㎝・105㎏:右投右打:RHP:ジョージア大
予想指名順位:全体3位~7位

各ランキング 順位
BA(大学生) 6
Fangraphs 5

2018年MLBドラフトクラスにおいて全米トップクラスの高校生右腕として1巡目中盤クラスの高評価を受けていたトッププロスペクト。2020年度はまだ(4年制大学の)2年生ですが、ドラフトのルール変更(1999年7月25日までに生まれた大学2年生はドラフト対象に。ウィルコックスは1999年7月14日生まれ)によって2020年度のドラフト対象となっています。

今シーズンはフレッシュマン(大学1年生)ということで好成績を残すことはできませんでしたが、上で紹介したチームメイトのハンコックのように2年目での大ブレイクが期待されています。

Reisster Pitching
Year Age AgeDif Tm Lg Lev ERA G GS IP BB SO WHIP H9 HR9 BB9 SO9 SO/W
2019 19 -1.6 Georgia SEC NCAA 4.07 19 6 59.2 38 64 1.408 6.9 0.5 5.7 9.7 1.68

196㎝の高身長にガッシリとした上半身&下半身を持つ剛腕。

高校時代にすでに最速98マイルを計測していたフォーシームは今年100マイルを計測。平均でも90マイル台中盤を計測しており2020年ドラフトクラス最速レベル。恐らく握りはフォーシームなのですがスリークォーターでアームスロットに角度があるため度々ナチュラルなシンクを見せます。

変化球はスライダーとチェンジアップの2種類。ハンコックと同様に高校時代からチェンジアップ(80マイル台中盤~後半)を高く評価されているものの、80マイル台後半の高速スライダーも順調に向上中。

今シーズンは四球過多に苦しんだもののコントロールの将来性は一定の評価を受けており平均以上まで向上するだろうとのこと。ただし、負担の大きな投球フォームからリリーフに落ち着く可能性も。



J.T・ギン

J.T Ginn
20歳:188㎝・87㎏:右投右打:RHP:ミシシッピ州立大
予想指名順位:全体10位前後

各ランキング 順位
BA(大学生) 5
Fangraphs 10

2018年MLBドラフトにおいてドジャースから全体30位で指名を受けるも契約せずに地元の強豪ミシシッピ州立大に進学。

1年目から先発ローテに入るとフレッシュマン離れした大活躍を見せ、カレッジワールドシリーズでも6回無失点の好投。一部メディアからはNCAA全体でのフレッシュマン・オブ・ザ・イヤーに選出されるなど申し分のない1年目に。

上で紹介したウィルコックスと同様に2年生ながらもMLBドラフト対象となります。

Register Pitching
Year Age Tm Lg Lev ERA G GS IP BB SO WHIP H9 HR9 BB9 SO9 SO/W
2019 20 Mississippi State SEC NCAA 3.36 16 16 80.1 18 103 1.083 7.7 0.1 2.0 11.5 5.72

高校時代に最速97~99マイルを計測したツーシームは大学進学後も威力は健在(ただし、大学進学後の最速は96~97マイル、平均でも93マイル前後)。球速&変化ともに平均以上であり今ドラフトクラス上位指名候補最高のツーシームの持ち主かもしれません。今シーズンは80.1イニングでHRを1本しか打たれていませんが、このツーシームの存在が大きかったのでしょうね。

決め球のスライダーはパワーカーブとも評され80マイル台中盤を計測するプラスピッチ。右左打者関係なく空振りを奪えるクオリティを誇り高い奪三振率の源に。ただ、チャンジアップの評価は高校時代から平均レベル程度。

コマンドは平均レベル程度ですが高校時代はリリーフ登板も多くスタミナ面に不安が。先発投手としてSECで大活躍したフレッシュマンには妙な話かもしれませんがリリーフ向きとの声も少なくはありません。



アサ・レイシー

Asa Lacy
20歳:193㎝・97㎏:左投左打:LHP:テキサスA&M大
予想指名順位:全体10位前後

各ランキング 順位
BA(大学生) 7
Fangraphs 30

またもやSEC所属の投手。

2017年にテキサス州の高校で97.1回・防御率0.93・127奪三振を記録すると強豪テキサスA&M大1年目はリリーフとして活躍。シーズン終了後にアラスカ・ベースボール・リーグに参加しリーグのベストプロスペクトに選出。

そして2年目となる今シーズンは防御率2.13、奪三振率13.2(NCAA全体8位)の好成績を残し大学生No.1左腕に。とりわけ15試合の先発登板で4失点以上を喫したのは強豪ヴァンダービルド大戦の1試合だけと圧倒的な安定感を見せました。

Register Pitching
Year Age Tm Lg Lev ERA G GS IP BB SO WHIP H9 HR9 BB9 SO9 SO/W
2018 19 Texas A&M SEC NCAA 2.75 23 2 39.1 17 48 1.144 6.4 0.5 3.9 11.0 2.82
2019 20 Texas A&M SEC NCAA 2.13 15 15 88.2 43 130 1.038 5.0 0.6 4.4 13.2 3.02
All All All     2.32 38 17 128.0 60 178 1.070 5.4 0.6 4.2 12.5 2.97

典型的なオーバースローから投げ込まれるスピンの効いたフォーシームは最速96マイル、常時93~94マイルを計測。打者から見て腕の振りの大部分が体に隠れるため非常にタイミングがとりづらいはず。

変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップの3種類。最も高い評価を受けているのはチェンジアップですが、スライダーとカーブは今年に入って大きな向上を見せています。

高い四球率に加えて今年の5月には審判への抗議により4試合の出場停止を受けるなどマイナスポイントこそあるものの、全体的にはハイフロアーなプロスペクトだと思います。