2020年MLBドラフト上位指名候補:大学生野手

10か月後に行われる2020年度MLBドラフトの上位指名候補&注目選手を取り上げていこうかと。

今回はその中でも大学生野手について。

すでに2020年度ドラフトのプロスペクト・ランキングを発表しているベースボールアメリカ(BA)とFangraphsの順位を載せていますが、ベースボールアメリカは大学生と高校生で分けて発表しています。



スペンサー・トーケルソン

Spencer Torkelson
20歳:185㎝・100㎏:右投右打:1B/DH:アリゾナ州立大
予想指名順位:全体1位~3位

各ランキング 順位
BA(大学生) 1
Fangraphs 2

高校生時代からそこそこの評価(全米高校生200位前後)の評価を受けていた選手ですが、強豪アリゾナ州立大に進学すると2018年シーズンではフレッシュマン(新入生)離れした打棒を披露。

シーズン25本塁打はNCAA全体トップの数字であり、NCAAのフレッシュマン記録にあと1本と迫る大記録。NCAAのバットの規格が変更され投高打低化が進んだ2011年以降では間違いなくフレッシュマンNo.1と言える成績で、もちろんほとんどのメディアから満場一致により全米最優秀フレッシュマンに選ばれています。

ただ、今年は今年度のMLBドラフトにおいてジャイアンツから全体10位指名を受けたハンター・ビショップと強力3・4番コンビを組んだものの、2018年からほとんど成績は変わっておらずチョット期待外れのシーズンに。

先月に行われた日米大学野球ではアメリカ代表の4番打者に起用されましたが15打数・3安打・6三振と日本代表相手に対応できず。

185cmとパワーヒッターのわりに高身長ではありあませんが筋骨隆々な体格の持ち主。ノーステップ打法&アッパースイングからクリス・ブライアント(2013年ドラフト全体2位)とも比較されています。

持ち前のパワーに加え完成されたスムーズなスイングと短いバット軌道によりコンタクトとパワーを両立。速球をバレルで捉えるのに長けておりケープコッド・リーグでもトップクラスの好成績を残すなど木製バットへの対応に不安要素は無し。全体的なバッティングの完成度は今年度シーズン時点ですでにアドリー・ラッチマン(全体1位)、アンドリュー・ヴォーン(全体3位)に次ぐレベルだと評されていました。

Register Batting
Year Age Lg Lev G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2018 18 P12 NCAA 55 257 66 25 4 38 44 .320 .440 .743 1.182
2018 18 CCBL Smr 25 108 27 7 2 20 24 .333 .472 .704 1.176
2019 19 P12 NCAA 57 289 85 23 1 41 45 .351 .446 .707 1.153
NCAA NCAA   NCAA 112 546 151 48 5 79 89 .337 .443 .723 1.166
All All     137 654 178 55 7 99 113 .336 .448 .720 1.168

2020年度ドラフトクラス最高の打撃力とは対照的に守備は問題アリ。高校時代はサード、大学進学後はファースト(ケープコッド・リーグではライト)を中心に守っていますが評価は悪く、プロレベルではファーストに専念することになるとの予想。

また、8月生まれと遅生まれであること(アメリカは9月に新学期がスタート)はプラス要素。



オースティン・マーティン

Austin Martin
20歳:183㎝・77㎏:右投右打:SS:ヴァンダービルド大
予想指名順位:全体1位~5位

各ランキング 順位
BA(大学生) 3
Fangraphs 3

高校時代から注目されていた長いトラッキングレコードを持つ選手ですが、1年目から全米トップクラスの強豪校ヴァンダービルド大のレギュラーとして活躍し各メディアのフレッシュマン・オール・アメリカン・チームに選出。

今シーズンに入りリードオフマンとして起用されるとパワー面に大きな成長を見せポストシーズンも含めると58試合で10本塁打を記録。打率4割も達成しており守備型の小兵だと思われていた選手でしたが一気にNCAAトップクラスの強打者へと変貌を遂げました。

多くのドラフト候補生と違って強豪校との対戦でも好成績を残している点も好印象。

構えはホームベース上に覆いかぶさるようなクローズドスタンス。このクローズドスタンスのためか大学通算118試合で23死球を受けています。

捻転差が大きく両腕をコンパクトに畳んだインサイドアウト気味のスイングの持ち主ですが、バット軌道はアッパーでリフトがあり引張方向にパワーを発揮。

上半身が前に突っ込み左わきが開くことの多い点は不安視されていますが、打率4割と四球>三振から分かるようにコンタクト&アプローチは優秀。とりわけ内角球の捌きはバツグンでバッターボックスのホームプレート側のラインぎりぎりに構えています。これも死球が多い理由の1つでしょう。

Register Batting
Year Age Lg Lev G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2018 19 SEC NCAA 59 273 75 1 22 35 46 .338 .452 .414 .866
2019 20 SEC NCAA 59 296 100 8 18 38 31 .410 .503 .619 1.122
All All     118 569 175 9 40 73 77 .376 .479 .521 1.000

ヴァンダービルド大ではショートとサードを中心にプレーしていいますが外野も守ることが可能。守備範囲は優れているものの腕を怪我していたために送球力の評価が分かれており、将来的にショートに留まれるかセカンドなどにコンバートされることになるかは微妙。



ギャレット・ミッチェル

Garrett Mitchell
20歳:190㎝・92㎏:左投左打:CF:UCLA
予想指名順位:全体10~15位

各ランキング 順位
BA(大学生) 16
Fangraphs 13

高校生時代からドラフト1巡目~2巡目クラスの評価を受けていたトッププロスペクト。2017年ドラフト時はUCLA進学の意思が強く上位で指名されることはありませんでした。(14巡目でアスレチックスが指名し、もちろん契約には至らず。)

UCLAでは1年目こそ低成績に終わったものの今シーズンに大ブレイク。今年度のドラフトでロッキーズから全体23位指名を受けた一塁手のマイク・トーリア(UCLA所属)と同程度の好成績を残しています。

高校生時代に60ヤード走で6.35秒を計測したスピードは20-80スケールで60~70の評価を受けており、バント時の一塁到達タイムは3.6秒前後。その俊足を生かしたセンター守備も高校時代からプラスツールと目されていますが、UCLAではチーム状況からライトを守ることもしばしば。

体格と身体能力に恵まれておりパワーのポテンシャルも兼ねてから評価されているものの未だに実戦で発揮できておらず、現状としては俊足によって二塁打と三塁打を稼ぐ中距離打者。今シーズンは全62試合中56試合で出塁を記録するなどシーズンを通して安定した活躍を見せました。

Register Batting
Year Age Tm Lg Lev G PA H 2B 3B HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2018 19 UCLA P12 NCAA 44 177 44 4 2 0 5 11 40 .280 .337 .331 .668
2018 19 Mankato NWDS Smr 34 146 38 3 0 2 5 20 18 .309 .404 .382 .786
2019 20 UCLA P12 NCAA 62 293 90 14 12 6 18 27 41 .349 .418 .566 .984
NCAA NCAA NCAA   NCAA 106 470 134 18 14 6 23 38 81 .323 .388 .477 .865
All All All     140 616 172 21 14 8 28 58 99 .320 .392 .455 .847

高校3年生の時に1型糖尿病と診断された不運な選手。言い方が悪いのですが1型糖尿病で大成した選手は少ないだけに・・・。



パトリック・ベイリー

Patrick Bailey
20歳:183㎝・79㎏:右投両打:C:ノースカロライナ州立大
予想指名順位:全体20位前後

各ランキング 順位
BA(大学生) 8
Fangraphs 26

高校時代は守備力を高く評価されていたもののバッティングに疑問符が付けられていた選手。

しかし、ノースカロライナ州立大に進学するとその不安視されていた打撃力が開花。1年目から好成績を残しACC(所属カンファレンス)の最優秀フレッシュマンにも選ばれ、もちろん各メディアのフレッシュマン・オール・アメリカン・チームでも捕手として名を連ねています。

ただ、今シーズンは昨年からOPSが1割以上下落するなど少し期待外れの1年に。

今年度の全体1位アドリー・ラッチマンと同じく両打。左打席と比べて右打席でより強打を発揮しており好成績を残していますが、良い意味でも悪い意味でも完成されておりこれ以上のポテンシャルはあまり感じません。

送球も含めてキャッチャー守備は依然として評価が高く、全体的にはハイフロアー・ローシーリングなドラフト候補生ですね。

Register Batting
Year Age Lg Lev G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2018 19 ACC NCAA 54 223 60 13 0 28 32 .321 .419 .604 1.023
2018 19 CCBL Smr 8 20 4 1 0 3 4 .235 .350 .529 .879
2019 20 ACC NCAA 60 282 68 10 1 41 43 .288 .390 .513 .903
NCAA NCAA   NCAA 114 505 128 23 1 69 75 .303 .403 .553 .956
All All     122 525 132 24 1 72 79 .300 .401 .552 .953

2020年度のドラフトクラスでは今年と対照的にキャッチャーが不作なので評価以上の人気を集める可能性も。