2021年MLBドラフト注目選手:その2


2021年度MLBドラフトにて全体20位指名権(1巡目)を持つニューヨーク・ヤンキースはイースタン・イリノイ大学の遊撃手トレイ・スウィーニー(Trey Sweeney)を指名!

とうとうマイナーリーグが明日開幕ですが、開幕が遅れたためかMiLB.TVの今年度の年会費は2019年から10ドル値下げして40ドルとのこと。



ヘンリー・デイビス

Henry Davis
21歳9ヶ月:188㎝・95㎏:C:ルイビル大学
予想指名順位:全体3位~10位

メディア 順位
Baseball America 5位
MLB.com 7位
FanGraphs 11位
The Athletic 4位

2020年シーズンにおいてコロナによる中止までに好成績を残し、半年ほど前までは全体30位程度の評価を受けていましたが、NCAAが開幕するとキャッチャーながらも優れたアプローチを披露し評価も急上昇。不作と評される今クラスの大学生野手の中において、今では1・2位を争うトッププロスペクトとみなされています。

高校時代は守備型キャッチャーと目されていた選手ですが、大学進学後にバッティングフォームを現在のクラウチングスタイルに改造すると打撃も急成長。まだシーズン序盤のため対戦相手の質は高いとは言えないものの四球数が三振数にダブルスコアを付けるなどアプローチは大学屈指で、長打数だけでなく打球初速度においても優秀な数字を残すなどパワー面も優秀。

高い出塁能力とパンチ力を兼ね備えたハイシーリングなバッターとしてプロ入り直後からの活躍を期待できるはず。

また、高校時代に二塁送球タイム1.80秒弱、球速86マイルを計測した強肩は今ドラフトクラス最高レベルで、今シーズンはここまで盗塁阻止率52.3%(11/21)を残しています。ブロッキングなど他の捕手スキルも今シーズンに入り明らかな向上を見せているようですが、アスレチックな選手のためプロ入り後は他に強肩を生かせるサードやライトへのコンバートも。

Register Batting
Year Age Tm Lg Lev G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2019 19 Louisville ACC NCAA 45 148 37 3 0 13 18 .280 .345 .386 .731
2019 19 Bourne CCBL Smr 5 19 2 1 0 3 2 .133 .263 .333 .596
2020 20 Louisville ACC NCAA 14 52 16 3 1 8 4 .372 .481 .698 1.178
2021 21 Louisville ACC NCAA 34 160 49 8 10 28 14 .398 .525 .659 1.184
NCAA NCAA NCAA   NCAA 93 360 102 14 11 49 36 .342 .445 .544 .989


サル・フレリック

Sal Frelick
22歳2ヶ月:175㎝・79㎏:CF:ボストン大学
予想指名順位:全体5位~10位

メディア 順位
Baseball America 7位
MLB.com 8位
FanGraphs 12位
The Athletic 5位

高校時代には野球だけでなくアメフト(ポジションはクォーターバック)とホッケーにおいても活躍を見せ、マサチューセッツ州のアメフト最優秀選手に選出。もちろんアメフトでも各大学から多数のオファーを受けたとのことですが、野球の道を選び地元の強豪ボストン大学に進学。

高校最終年度(2017-18年)の終盤に膝を痛め大学進学後も治癒することはなく、2019年5月にはとうとう手術を受けることとなりました。ただ、2019年シーズンは膝の手術までに新人離れした活躍を見せ、4月の最終週までの出場ながらも各媒体のフレッシュマン・アワードを受賞。

そして、開幕からスランプに陥った2020年シーズンを経て今シーズンは2019年と同様のパフォーマンスを披露し評価も上昇。ヘンリー・デイビスと並ぶ大学生最高級の野手プロスペクトとして全体1ケタ順位の指名が予想されています。

身長175㎝と非常に小柄ながらも身体能力抜群のオールラウンダーとして走攻守に渡ってハイパフォーマンスを披露。

ブレット・ガードナーを彷彿とさせるスイングは大振り気味なもののバットスピードに長け広角にライナーを連発。課題とされていた長打力においては、今季開幕18試合で5本のホームランを放ちあっさりと自己ベストを更新したことで順調に成長したと評されたものの、その後はホームランが1発も出でおらず、ここまでの打撃成績も2019年の手術前までの数字と大差無し。打撃力のポテンシャルには疑問が残ります。

また、高校時代はセカンドを守っていたものの大学1年目の途中に外野へコンバート。この慣れないはずのポジションでは60ヤード走6.60秒の俊足を活かしハイライト・プレーを連発していて、プロでも平均以上のレベルでセンターを守ることができるはず。

MLBプレーヤーとしての天井はブレット・ガードナーでしょうが、当ブログでは何度も述べているように私は小柄な選手が好みではないので、フレリックについてもあまり興味がありませんね。

Register Batting
Year Tm Lg Lev G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2019 Boston College ACC NCAA 39 180 55 4 18 22 16 .367 .447 .513 .960
2020 Boston College ACC NCAA 15 71 14 2 7 11 6 .241 .380 .414 .794
2021 Boston College ACC NCAA 36 171 52 5 9 20 19 .351 .433 .541 .973
All All     90 422 121 11 34 53 41 .340 .430 .508 .938


ブレイディ・ハウス

Brady House
18歳1ヶ月:191㎝・98㎏:SS:ジョージア州
予想指名順位:全体6位~12位

メディア 順位
Baseball America 6位
MLB.com 5位
FanGraphs 9位
The Athletic 8位

兼ねてから今クラス最高の高校生プロスペクトとして全体1位指名候補に挙げられることもあった選手ですが、昨年の夏のショーケースやイベントで穴を見せ評価は下落。その1で取り上げたジョーダン・ロウラーマーセロ・マイヤーに高校生No.1プレーヤーの座を明け渡したと思われました。

しかしながら、今年度は高レベルな相手に優れたパフォーマンスを披露見せ、評価下落に歯止めをかけた印象。

筋肉質で恵まれた体格を持ちバットスピードや打球初速度、飛距離は高校生屈指のレベル。圧倒的なパワーとは対照的にコンタクトスキルに難があるとの評価もありますが、木製バットでも好成績を残しています。

また、現在はショートを守っていますが守備力の評価は低く、平均以下のスピードと投手として最速97マイルを計測した強肩を考えると、プロレベル入り後にサードへコンバートされることになるのは間違いないでしょう。

ちなみに、先月には2022年クラスの高校生投手の中で頭1つ抜けた存在であるディラン・レスコと偶然にも対戦。全体1ケタ順位指名クラスが普通の公式戦で対戦するのは非常に珍しいことですが、ハウスはレスコ相手に4打数3安打(二塁打2本、シングル1本)を記録するなど圧倒。


カリル・ワトソン

Kahlil Watson
18歳2ヶ月:178㎝・81㎏:SS:ノースカロライナ州
予想指名順位:全体5位~12位

メディア 順位
Baseball America 10位
MLB.com 11位
FanGraphs 4位
The Athletic 10位

昨年の夏から秋かけて大きく評価を上げた高校生ショート。

所属高校リーグの開幕が遅くつい先日から公式戦でのプレーを再開したばかり。元々トラックレコードも少ない選手なだけにここから評価がアップダウンする可能性も十分ですね。

身長178㎝(175㎝との表記もチラホラ)と体格には恵まれなかったものの、大振りなスイングから繰り出されるバットスピードは高校生最高級との評。大振りなだけにバットコントロールに疑問符が付けられていますが、ショーケース等で高レベルな相手に通用したのは確か。

60ヤード走6.6秒前後の俊足と強肩を兼ね備えショート守備の評価も上々。ジョーダン・ロウラーやマーセロ・マイヤーと同様にプロ入り後もショートに留まると目されています。

まあ、サル・フレリックの章でも書いたけど小柄な選手は好きじゃないんだよね。