昨日の1巡目指名に引き続き今日はMLBドラフトの2~5巡目が開催。
その中でゲリット・コール獲得により2巡目&5巡目指名を持たないニューヨーク・ヤンキースは3巡目(全体99位、ヤンキースとしては2度目の指名)において、アリゾナ州立大学に通うの強打の左翼手トレバー・ハウバーを指名しました。
トレバー・ハウバー
Trevor Hauver
21歳7か月:183㎝・92㎏:右投左打:LF
アリゾナ州立大学:3年生
メディア | 順位 |
Baseball America | 201位 |
MLB.com | 130位 |
FanGraphs | 107位 |
カリフォルニアを代表するショーゲームである2016年のエリア・コード・ゲームにおいて開催されたホームラン・ダービーで優勝。所属するペリー高校では2016年(3年生時)に本塁打数(8本塁打)とOPS(1.353)で同校のシーズン記録を更新し、終わってみれば高校3年間(2年生~4年生)で打率、本塁打、四球、打点、二塁打、長打率の同校通算記録を樹立。
2017年のMLBドラフトにおいてはBaseball Americaのプロスペクト・ランキングにて第399位の評価を受け、地元の強豪校アリゾナ州立大学(Pac12カンファレンス所属。1巡目指名のオースティン・ウェルズのアリゾナ大学は同カンファレンス所属であるもののアリゾナ州立大学とは別。)に進学します。
アリゾナ州立大学1年目はパフォーマンスの低迷が続きシーズン途中にレギュラー落ち。夏のケープコッド・リーグでも低成績に終わるなど散々な1年間となりましたが、2年目はスペンサー・トーケルソン(2020年ドラフト全体1位)、ハンター・ビショップ(2019年ドラフト全体10位)、アリカ・ウィリアムズ(2020年ドラフト全体37位)を擁する強力アリゾナ州立大打線の中でリードオフヒッターに抜擢されると、全57試合中54試合で出塁を記録するなど別人のようなパフォーマンスを披露。打撃成績だけならばオースティン・ウェルズを超える数字を残しました。
その後またもやケープコッド・リーグで低迷したものの、今年度シーズンは開幕からスランプに陥ったにもかかわらずシーズン中断直前に固め打ちを見せ、カンファレンス内でスペンサー・トーケルソンに次ぐ打撃成績に。
ちなみに、アリゾナ州出身のくせにレッドソックスファン。
Year | Age | Tm | Lg | G | PA | AB | H | HR | BB | SO | BA | OBP | SLG | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018 | 19 | Arizona State | P12 | 42 | 90 | 75 | 17 | 0 | 12 | 21 | .227 | .344 | .293 | .638 |
2018 | 19 | Hyannis | CCBL | 29 | 86 | 75 | 20 | 1 | 10 | 23 | .267 | .353 | .347 | .700 |
2019 | 20 | Arizona State | P12 | 57 | 289 | 242 | 82 | 13 | 39 | 53 | .339 | .433 | .574 | 1.007 |
2019 | 20 | Hyannis | CCBL | 38 | 152 | 120 | 30 | 3 | 29 | 28 | .250 | .401 | .358 | .760 |
2020 | 21 | Arizona State | P12 | 17 | 83 | 59 | 20 | 5 | 20 | 15 | .339 | .494 | .695 | 1.189 |
大きなレッグキックが特徴的な大振り気味のスイングは柔軟性こそ感じさせないもののアッパースイングのため打球角度が高く、純粋なパワーやスイングスピードではなくそのスイング角により長打を放つタイプとのこと。木製バットで長打を放つことに苦労している点は大きな不安要素ですね。
また、オースティン・ウェルズと同様に三振と四球が多いバッター。低成績に終わった2018年シーズンやケープコッド・リーグでも高い四球率を残していることから、相当なレベルの選球眼を持ち合わせていると考えられますね。
ちなみに、今シーズンは開幕からノーステップ打法に挑戦したものの全く打てなかったため、すぐにハイキック打法に戻しています。
高校時代はショートでプレーしたものの、アリゾナ州立大ではレフトに固定。NCAAにおいて盗塁を成功させたことが1度もないほど走塁は悪く肩の強さも平均未満のため、プロレベルで守ることができるのは外野の中でレフトのみ。ただ、セカンドやサードとしてプレーさせみても面白いとの意見が多いようで、実際に上のように内野守備にも取り組んだよう。
毎年のように独自ドラフトを繰り返して失敗ばかりのヤンキースには珍しく、上位2人の指名がどちらも前評判通りの堅実な指名に。
ヤンキースはグレイバー・トーレスやミゲル・アンドゥハー以降において野手の打撃力育成をロクに行えていませんが、守備の悪い強打の大学生打者を連続して指名することでウィークポイントを抑えたかったのでしょう。