カイル・カー：ヤンキース・3巡目指名（2023年MLBドラフト）

ジョージ・ロンバード Jr.：ヤンキース・1巡目指名（2023年MLBドラフト）

2023年度MLBドラフトにてニューヨーク・ヤンキースが全体25位（1巡目）で指名した高校生内野手ジョージ・ロンバード Jr.（George Lombard Jr.）について

mlb-info.com

2023-07-10 12:12

本日行われた2023年度MLBドラフト2日目において、3巡目（全体97位指）でヤンキースはカリフォルニア州パロマ―大学の左腕カイル・カー（Kyle Carr）を指名。

過去の3巡目指名選手

野手ならベンチプレーヤー、投手ならブルペンのローレバレッジサイドとしてプラスのWARを残せば成功と呼べる3巡目指名。

ただ、その中でもドラフト下手なヤンキースは近年悪い意味で圧倒的な結果を残しており、2011年以降においてMLBに到達した3巡目指名選手はTrevor Stephan（2017年）ただ1人。

特に2019年のJake Sanfordに至ってはクラブハウス泥棒で蒸発。2018年のRyder Greenも若干22歳でリリースを受ける有様。

だから期待するだけ無駄です。

カイル・カー

Kyle Carr：35 FV
21歳2か月（2002年5月生）：185cm／79kg
右投左打：先発投手：パロマー短期大学（3年生）

高校時代は二刀流としてプレーし、高校最終年度の2019年秋～2020年春に投手として急成長を披露。

ドラフト指名候補（とは言え10巡目以降）として名前が挙がるようになっただけでなく、地元サンディエゴ大学へのコミットも獲得するなど、ある程度順調だったようですが、春のシーズン序盤に肘を痛め、最終的には10月にトミー・ジョン手術。

サンディエゴ大学1年目となる2021年は手術のリハビリのためシーズン全休に終わると、肝心の2022年シーズンも低成績と右手骨折（2月）に苦しみ、パロマー短期大学へ転校という名の島流しに。

低レベルな短期大学リーグでは打って変わって支配的ピッチングを続け、短期大学球界トップクラスのドラフト候補生に。さらに投手だけでなく野手としても好成績を記録。

ただ、今シーズンも3月スイングの際に右肩の関節唇損傷という危なっかしい怪我を負ったようで、そもそも現時点も完全に健康体かは不明。

本ドラフトでプロ入りしなければ、強豪テキサス・クリスチャン大学へ再転校予定。

高校時代に最速97マイルを計測するも、大学進学後にその数字を更新することはできず。

今シーズンは最速97マイル・常時90マイル台前半を計測していますが、登板終盤でもコンスタントに95マイルを叩き出すなどスタミナ面は○。

ただ、投球フォームはストライドが小さく、アームアクションも並みでデセプションに欠けるため、実質的なピッチクオリティは球速未満と言った印象。

高校時代から球速が伸び悩んでいるとは言え、メカニクス改良、ビルドアップ、健康維持など球速バンプの余地となり得るファクターが多く、ちと評価が厄介だなと。

80マイル台前半、2500rpm程度の決め球スライダーはコンスタントにナスティーな変化を見せるものの一貫性に欠け、投球映像を見る限りコマンドに苦労している印象。

チェンジアップは先発投手第2の変化球の及第点に達しておらず。アームスピードが向上しない限り期待薄か。

現時点ではコマンドも先発投手の及第点未満ですが、リピート性が担保されたメカニクスの持ち主なので、フリンジレベルに近い位置までは向上するのではなかろうかと。

（スぺ体質も含め）どっちみち、よっぽどのことがない限りブルペンに落ち着くでしょうね。

雑感

1巡目に指名したジョージ・ロンバード Jr.の契約金を捻出したいのか、カーも含め3巡目以降では契約金を抑えられそうな大学生プレーヤーの指名に尽力。

結果としてアンダーピックの連続となりました。

カーに関しては、ドラフト直前に評価を上げたレイトライザーとは言え、3巡目にピックするような素材だと考えにくく、次のプロスペクトランキング更新時も4巡目指名のRoc Riggioより下、6巡目以降の選手達と同格に扱うことになるかと思います。

映像集