ハリソン・ベイダー:2018年MLB・NL新人王最有力選手

今シーズンのAL新人王レースはグレイバー・トーレス(NYY)がDL復帰後から絶不調、ミゲル・アンドゥハー(NYY)は守備成績がMLBの全内野手でワースト、ジョーイ・ウェンドル(TB)は後半戦好調ですが5月~6月の絶不調が痛い、マイク・スタッシ(HOU)はマキャンと併用のために出場機会が少ない、ルー・トリビーノ(OAK)とブラッド・ケラー(KC)は防御率以外イマイチということで、ほぼ大谷翔平の新人王受賞はほぼ決まり。

これとは反対的に、NLの新人王レースは多くの人がホアン・ソト(WSH)とロナルド・アクーニャ(ATL)の一騎打ち状態だと考えています。(他の候補はジャック・フラハティ(STL)、ブライアン・アンダーソン(MIA)、ウォーカー・ビューラー(LAD)、デレック・ロドリゲス(SF)など)

しかし、これは間違い。現時点で成績だけで判断するとNLの新人王最有力と言えるのはSTLのセンターを守るハリソン・ベイダーです。

今回はこのベイダーの成績考察と他新人王候補との比較を行いたいと思います。


ハリソン・ベイダー

1994年6月3日生(24歳)/183㎝・88㎏/右投右打/ニューヨーク州/2015年ドラフト3巡目(全体100位)/セントルイス・カージナルス所属
MLB.com
Baseball Reference
Fangraphs
Baseball Savant


2018年MLBタイトル予想

当ブログの上の3月の記事でNL新人王大穴候補に挙げた選手。


大学時代、マイナー時代は守備走塁よりは打撃力を評価されておりMLB.comのプロスペクトランキングTop100では(たぶん)最高90位にランクイン。ただ、守備走塁の評価は平均レベルでした。しかし、実際にはマイナー時代の守備成績は一流。

2017年にMLBデビューを果たすと今日までMLBトップクラスの守備力と走塁を披露しています。

2018年全選手DRS
1位:+24:マット・チャップマン(OAK)
2位:+21:ハリソン・ベイダー
3位:+19:ジャコビー・ジョーンズ(DET)
2018年OAA(外野手)
1位:+17:ビリー・ハミルトン(CIN)
2位:+16:ハリソン・ベイダー
3位:+15:エンダー・インシアーテ(ATL)

上のように守備成績ではMLB全体でもトップクラスの数字を残しています。ただ、ここで忘れてはならいないのは出場機会。上のベイダー以外の4人は今シーズン900イニング以上で守備に就いていますが、シーズン途中からレギュラーに定着したベイダーはたった570イニングしか守っていません。もしヘイダーが900イニング以上で守備についていれば単純計算でDRS+30、OAA+25という驚異的な成績を残していたことになります。

単純に外野手と内野手の守備力を比較することはできないですが、外野手の中ではMLB全体で2位の守備力を持っていると言えます。(今季の1イニング当たりの守備成績No.1はMILのキーオン・ブロンクストン)。まあとにかく、ヘイダーがMLBでも超一流の守備力を有していることは間違いないでしょう。

OAAは守備範囲だけを表す指標ですが、肩の強さも優秀で送球は最速98マイルを計測。今シーズンのカージナルス外野手陣の送球球速Top20のうち15はベイダーの記録となっています。(他のカージナルス所属の外野手と言えばマーセル・オスーナ、トミー・ファム(現レイズ)、デクスター・ファウラーなど)


2018年全選手スプリントスピード(フィート/秒){50計測以上}
1位:30.1:ビリー・ハミルトン(CIN)
2位:30.1:トレイ・ターナー(WSH)
3位:30.0:アダム・エンゲル(CWS)
4位:30.0:デライノ・デシールズ(TEX)
5位:30.0:ハリソン・ベイダー

Statcastの計測ではトップクラスのスピードを計測。彼の優れた守備力もこの俊足のおかげでしょう。なぜこれほど速いのにマイナー時代は平均レベルの評価だったのか?

ちなみに、走塁で平均と比べてどれ程得点に寄与したかを表す指標BsRではMLB全体6位の+6.0を記録しています。


試合数 打席 安打 本塁打 打率 出塁率 OPS wOBA wRC+
98 278 71 9 .285 .354 .800 .345 118
平均打球速度 平均角度 打球速度最速 xwOBA
86.9マイル 11.8 113.6マイル .293

マイナー時代に1番評価が高かったはずの打撃はまだまだ。俊足のためにwOBA>xwOBAとなっていますが、それでもwOBA.345は出来過ぎ感が否めません。

ただ、打球速度最速113.6マイルはMLB全体で65位と優秀な数字でハビア・バイエズ(CHC)やクリスチャン・イエリッチ(MIL)とほぼ同じ記録。また、8月に入り好調で15試合でOPS1.051を記録しています。

あとイケメン。


さあ、ここまで長々とベイダーの成績について書いてきましたが、最後にNLの他の新人選手と成績を比較してみましょう。

2018年NL新人rWARトップ5
1位:3.7:ハリソン・ベイダー
2位:2.8:ロナルド・アクーニャ(ATL)
3位:2.7:ブライアン・アンダーソン(MIA)
4位:2.5:デレック・ロドリゲス(SF)
5位:2.2:サラントニー・ドミンゲス(PHI)
2018年NL新人fWARトップ5
1位:2.7:ハリソン・ベイダー
2位:2.6:ホアン・ソト(WSH)
3位:2.3:ロナルド・アクーニャ(ATL)
4位:2.1:ブライアン・アンダーソン(MIA)
5位:1.8:デレック・ロドリゲス(SF)
総合成績を見てみると実際に現時点ではベイダーがNLのNo.1ルーキーであることが分かります。ただ、シーズンはまだ40試合を残していますし対抗のアクーニャは月間MVPを獲りそうなぐらいの好成績で、ソトも8月に入って成績が少し落ちているとはいえOPS.950以上をキープ。ヘイダーが残りシーズン逃げ切れるか注目です。
 


(本音)

ここまヘイダーがNL新人王最有力とか言ってきたけど、そりゃ若干19歳と20歳でこの成績のソトとアクーニャの方が凄いよ。でも、新人王において新人である限りは立場とか年齢とかマイナー時代の評価とか関係なく平等なはずじゃん。

まあ実際の新人王投票では打撃成績やインパクト、年齢、ネームバリューが評価されてアクーニャとソトに票が集まって、どうせヘイダーなんて成績関係なしに新人王なんて獲れないんだろうけどね。