ヤンキースがランス・リンを獲得+アダム・ウォーレンを放出

ここ最近、オリオールズとのトレードでザック・ブリットンを、ルージェイズとのトレードでJ.A・ハップを獲得したヤンキースですが、今日はさらにツインズとのトレードで先発右腕のランス・リンを獲得しました。ヤンキースはこの対価としてタイラー・オースティンとルイス・リホを放出しています。


ヤンキース

 ランス・リン

  200万ドル


ツインズ

 タイラー・オースティン (AAA)

 ルイス・リホ (A)


リンもかつてはカージナルスで毎年のように先発2番手クラスの成績を残す好投手でしたが、2016年シーズンをトミージョン手術により全休。2017年シーズンの開幕には間に合いましたがFIP4.82と微妙な成績(防御率は3.43と中々いい数字でしたがこれはBABIPが低かったため)。シーズン後FAになり4年6000万ドル程度の契約を予想されましたが、歴史に残る極寒のFA市場の中で思うような契約を得られず、春季キャンプ中にツインズと1年1200万ドルで契約しています。

今シーズンも全盛期の投球内容とは程遠い内容で、防御率は5.10、FIPは4.73と先発4~5番手クラスの成績。。ただ、この2ヶ月ほどは球速が戻り復調の兆しを見せています。


リンは速球中心の投手であり、速球系の投球割合はバートロ・コロンに次ぐMLB先発2位の数字。ちなみに、3位はリンと同じくヤンキースがトレードで獲得したばかりのJ.A・ハップです。

それとは反対的にヤンキースは変化球重視のチーム。チームの速球系平均球速は全30球団で断トツ1位の94.8マイル(152.6km)にも関わらず(30球団2位はアストロズの93.9マイル(151.1km))、速球系の投球割合が30球団最小の44.8%(次はレイズの48.6%)となっています。

その変化球重視のチーム方針の中で速球割合の高いランス・リン(とJ.A・ハップ)がどのような投球をするか、そして復活できるか注目です。

ただ、ヤンキースにはセベリーノ、サバシア、ハップ、田中、グレイと先発がすでに5人揃っているのでリンはリリーフとして起用される可能性もあります。(リンは1年目にリリーフとしてプレー)


タイラー・オースティンと共に放出されたルイス・リホは今シーズンROK~A+でプレーしていた19歳の先発プロスペクト。90マイル台前半の速球とカーブ、チェンジアップをコマンド良く投げ込むタイプのようですが、登板試合がMiLB.TVで中継されたことがないので実際のところ私はあまり知りません。



さらに今日はリンの獲得と同時にリリーフのアダム・ウォーレンをマリナーズにトレードで放出。対価として国際FAボーナスプール125万ドルを獲得しています。

もちろんこのトレードはリンの枠を空けること、そしてさらなる国際FAのアマチュア選手の獲得を可能にすることが理由ですが、リンの代わりにウォーレンを獲得すれば結局チームは弱体化していますしヤンキースとWCを争っているマリナーズに放出するのはまずいんじゃ・・・?

上のツイートからも分かるようにヤンキースは国際FA市場に非常に力を入れており、MLBと未契約のプロスペクトがまだまだFA市場に残っています。実際に、昨日には16歳の97マイル右腕オシエル・ロドリゲス(キューバ出身)と契約金60万ドルで合意しています。

ヤンキースの新たな契約候補には今年度国際FA市場最速の98マイルを計測している16歳右腕サンディ・ガストンや今年度国際FA市場No.1プロスペクトと言われるビクトル・メサの名前も挙がっており楽しみです。