オズワルド・カブレラ:ヤンキース・プロスペクト


 2017から当ブログで書いているヤンキースのプロスペクト紹介・レポートのまとめページになります。名前がその選手の記事へのリンクとなっていま...
2021年シーズン前半戦終了時点におけるニューヨーク・ヤンキースのプロスペクト(有望株)ランキングTOP100を作成

オズワルド・カブレラ

Oswaldo Cabrera
1999年3月1日/178cm・65㎏/右投両打/ベネズエラ出身
2015年国際FA(契約金10万ドル)

ヒッティング   : 35/35
パワー      : 40/45 
ラン       : 50/50
アーム      : 50/50
フィールディング : 55/60
総合       :   35/40


2014年度インターナショナルFA市場においてヤンキースと25万ドルで契約した兄レオバルド・カブレラに続き、2015年度に契約金10万ドルでヤンキース傘下入り。

契約直後に早速トリッキー・リーグ(インターナショナルFA契約選手のためにドミニカのアカデミーが主催する非公式リーグ)にて好成績を残すと、翌2016年にはプロ1年目&17歳にしてルーキーリーグ最上位のアパラチアン・リーグまで昇格。

さらに、2017年シーズンは若干18歳ながらもAクラスで開幕を迎え同クラスの最年少選手の1人となると、2018年のスランプを乗り越え2019年には20歳でA+クラスに定着。2019~20年のMLB春季キャンプにも参加し、計20試合・23打席で.409/.435/.455の好成績を残しました。

コロナ禍までは年齢以上に完成度の高いバッティングや内野守備を買われ常に自らより年齢層の高いクラスで年上相手にプレーしていたため、バッティングにおいて好成績を残したのは2016年シーズンのみでしたが、2021年シーズンの開幕をAAで迎えると長打力が開花。

所属するAAノースイースト・リーグにて最多安打のタイトルを獲得しリーグ3位となる24本塁打、4位タイとなる20盗塁を記録。シーズン終了後には同リーグのシーズンMVPにも選出されました。

また、AA閉幕後にはシーズン最終盤を迎えていたAAAに昇格。出場機会こそたった9試合しかありませんでしたが全試合にてヒットを放ち、.500/.583/1.133・5本塁打を記録するなど最後の最後に大きなインパクトを残しています。

もちろん2021年シーズンの活躍によりプロスペクトとしての評価も急上昇。今オフにはルール5ドラフトの対象となるため40人ロースター入りも間違いありませんが、アンソニー・ボルピやオズワルド・ペラザら内野手プロスペクトの存在、FA市場におけるショートの充実を踏まえるとトレード要員になる可能性も大。

ただ、12月1日で現行のCBA(労使協定)が期限切れとなるため、新CBAにおいてルール5ドラフトやMLBロースター制度に変更が加えられ、カブレラのようなルール5ドラフト対象選手の運用が例年通りのものになるかは不明。(現状としてはMLB機構と選手会間のCBA交渉が順調に進んでおらず、12月1日までには交渉締結が間に合わずロックダウンに突入すると予想されています。)

Register Batting
Year Age Tm Lev G PA H 2B HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2016 17 3 Teams Rk-FRk 52 218 68 15 4 7 14 21 .345 .396 .523 .919
2017 18 2 Teams A-A- 112 451 103 14 4 8 30 57 .252 .306 .321 .628
2018 19 Charleston A 126 526 111 24 6 4 28 66 .229 .273 .320 .592
2019 20 Tampa A+ 120 493 117 29 8 10 33 105 .260 .310 .378 .687
2021 22 2 Teams AA-AAA 118 514 127 31 29 21 41 127 .272 .330 .533 .863
All All All   528 2202 526 113 51 50 146 376 .262 .314 .403 .716

ヒッティング  : 35/35
パワー     : 40/45

インターナショナルFAの際からバッティングスキル、アプローチ、野球IQの完成度や成熟度を高く評価されており、コロナ禍以前は年上のピッチャー相手に高いコンタクト率を記録。ただ、早いカウントから積極的に大振りを見せる典型的なフリースウィンガーであるため出塁能力に関しては疑問符が。

また、体型が小柄かつスレンダーなためパワー面は期待されておらず、コロナ禍以前はギャップヒッターと目されていましたが、ビルドアップやスイング改造(コンタクトを少々犠牲にして大振りかつポップのあるスイングに)により今シーズンはフライ打球とホームランが大幅に増加。パワーアップに合わせて三振も大幅に増加したとはいえ、打球初速度においてもAAで上位の数字を残すなど、最大の弱点であるパワー不足の解消に成功したことは確かでしょう。

ちなみに、兼ねてから右打席より左打席を得意としていましたが、今シーズンは得意な左打席(.290/.350/.612)と苦手な右打席(.227/.277/.333)で打撃成績が大きく乖離しており、(スモールサンプルとは言え)右打席が左打席と同様に大きな成長を見せたとは一概に言えません。

ラン      : 50/50
アーム     : 50/50
フィールディング: 55/60

バッティングが向上した今でも最大の魅力は内野守備。エラーこそ少なくありませんがレンジやリアクション、ハンドリングは平均以上で、ピボットプレーや中継プレーも優秀。チーム状況に従いセカンド、ショート、サードをたらい回しにされていますが、平均以上の送球を持ち合わせていることも考えるとショートに固定するのがベストかと。

また、スピードは平均レベルで盗塁を不得意としていたものの、今シーズンは盗塁数・成功率が大幅に向上。

総合  :   35/40

現実的に見るとMLBではユーティリティの控え内野手として期待されますが、理想的な完成形(天井)はフレディ・ガルビス

来シーズンもヤンキース傘下に在籍しているかは微妙なところですが、移籍の有無にかかわらずMLBへ到達することは間違いありません。


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