カイル・ホルダー:ヤンキース・プロスペクト

カイル・ホルダー
23歳/185㎝・84㎏/右投左打/A+
2015年1巡目(全体30位・契約金195万ドル)
ヒッティング    :   30/35
パワー       :   30/30
ラン        :   50/50
アーム       :   60/60
フィールディング  :   65/65
総合        :   30/35


 2013年ドラフト時に大学生No.1と言われていたショート守備は、今現在でも一部の有識者や媒体(MLB.comのJim Callisなど)からマイナーNo.1&将来のゴールドグラブと高い評価を受けています。(私は過大評価だと思いますが) 

 ちなみに中学~高校の時はNBA選手を夢見てバスケットボールを中心にプレーしており、野球は第2のスポーツであまり練習をする時間も無かったそうです。短期大学のグロスモント大学に進学した時もバスケットボールをする気でしたが、野球選手としての評価が高く1年生の間に野球オンリーに決め、2年生からサンディエゴ大学に転校して野球部のエースプレーヤーとして活躍しました。




 サンディエゴ大学時代から優れた守備力とは反対的に打撃力が不安視されており{特にケープコッド・リーグ(木製バットを使用)での成績が悲惨}、プロ入り後も打撃成績は低迷気味。ただ今シーズンは後半戦に打撃成績を向上させ(打率.352・OPS.854)、現在参加中でのアリゾナフォールリーグでも好成績(打率.350・OPS.911)を残しています。まあ正直なところ、なぜ突然成績が向上したかはよく分かりません。(まあ年齢のわりに野球に集中した時間も短いですしね)
 スイングはコンパクトかつ軌道が水平、体系はガッチリしていますがスイングスピードは平均以下でパワーはありません(ISOは0.5~0.7程度、通算5本塁打)が、コンタクトは悪くなく打率は平均以上&三振率は平均以下の数字を残しおり、プロ入り後は年々フライ率が上昇&引張方向の打球が減少傾向にあります。典型的なギャップヒッターだと言えるでしょう。


 身体能力はイマイチで足の速さは平均レベル。走塁判断は優れていると言われていますが、盗塁数はまだ通算で18個です。

 さあ肝心の内野守備についてですが、プロ入り後3年間、MiLB.TVで中継された試合映像の中の彼のプレーを全て1つ1つ確認しました。その結果として(彼の捕殺、刺殺、関わったダブルプレー、エラー、彼に飛んだ内野安打など)自信を持って言えますが、「ショート守備はヤンキース傘下No.1」ならまだしも「ショート守備はマイナー全体でNo.1」は過大評価だと思います。

 周りの評価だけでなく彼自身も守備力に大きな自信を持っており、先ほども述べたように身体能力がイマイチ&スピードは平均レベルで普通なら守備範囲は平均以下~平均レベルになるでしょうが、打球反応・フットワーク・グラブさばき・集中力がどれも優れており結果として守備範囲はプラスツール。とりわけ二遊間方向への打球を得意としています。ベースボールIQが高くポジショニングにも優れており、「なんかいつも良い所で構えているな~」という印象。全体的に見ると、身体能力に任せて派手なプレーをする選手ではなく、堅実で職人気質の選手といったところですが、捕球から~送球の際などにダンスをしているかのような無駄なステップや動きをしてカッコつけるあたりも、守備に自信を持っていることがひしひしと伝わってきます。

 オーバースローで投げる時の肩の強さは平均以上~プラスツール。ただ滅多にオーバースローで投げることは無く、いつもはサイドスロー(正確にはサイドより少し下の角度or下手投げ気味)で送球します。捕球から投げるまでのスピードも素晴らしく、体勢が崩れていてもスムーズに送球する技術は印象的。常に冷静にプレーしており、際どいタイミングでも焦らずゆったりと送球(見ているこっちはヒヤッとしますが)、悪質なゲッツー崩しでも難なく避けて併殺を完成させます。ただエラーの内容は大体送球エラーで、(一塁や二塁への送球時に)上下より左右方向にコントロールミスすることが多いです。また自分の守備力を過信しすぎることも多く、さすがに無理のあるような場面や体勢で送球してやらかしてしまうことも・・・。
 
 今年はショート以
外にもセカンドやサードで守ることも多く、サードとセカンドならどちらかというとセカンド向きの選手。全体的に見てブレンダン・ライアンやジョン・マクドナルドと比較されています。伸びしろはほとんどないように思えますが、この数か月間の打撃成績が本物なら、MLBデビューの確率も少なからずあるかもしれませんね。