コディ・キャロル:ヤンキース・プロスペクト


コディ・キャロル
25歳/196㎝・95㎏/右投リリーフ/AA
2015年22巡目(全体663位・契約金7万ドル)
MLB.comプロスペクトランキングチーム内・25位

速球      :  70/70 (平均97マイル・最速100マイル)
スライダー   :  55/55 (85~89マイル)
スプリッター  :  45/50 (84~87マイル)
コマンド    :  30/35
総合      :  35/40

(個人的にはNYY投手プロスペクトで一番のお気に入り選手)





 高校卒業前にトミージョン手術を受け、サザン・ミシシッピ大学(強豪校)1年目は全休、2年目も2登板のみと全くの無名選手でした。通常ドラフトは3年生が対象ですが、キャロルは4年に進級しそこで活躍を見せ、2015年ドラフトの下位で指名されています。大学時代は先発でしたが、プロ入り後はもっぱらリリーフとして起用されており、2017年シーズン後半戦はAAで抑えを務めました。

 最大の武器である伸びのあるフォーシームは平均97マイル・最速100マイルを計測するプラスープラス・ピッチ、フォーシームなので動きは全くないものの相手打者がボールの下を振ってしまうような球です。

 また、体を捻りホームプレートに背中を見せながら、腕をその体で隠して投げるフォームも効果的。


今年のキャロルの登板試合において、テレビ中継で球速表示があった試合が3試合のみあったので、フォーシームの平均球速を算出しました。
6月14日:97.4マイル(3.1イニング)
7月14日:96.8マイル(1.0イニング)
8月10日:97.0マイル(1.0イニング)


 決め球のスライダーは80マイル後半を計測し、スラーブのように大きな変化を見せるプラス・ピッチで、このスライダーのおかげで対右打者に高い奪三振率を誇ります。

 珍しくスプリッターを持ち球としていて、投げる機会はスライダーに比べるとうんと少ないですが、縦に大きな変化を見せることもあります。今でもいい変化を見せるので、もっと投げればさらに向上できると思うんですけど・・・。ちなみに、これまで握りを何回か変え続けているようですが、AA昇格後にチームの投手コーチに田中将大のスプリッターの握りを教えてもらい、それを参考にして現在の握りに落ち着いたのこと。キャロルは来年のキャンプに呼ばれるかもしれませんし、田中が今オフに残留すればそのキャンプで一緒になる確率もあります。もしそうなれば、更なる向上が期待できるかもしれませんね。



 

 第一の課題としてコマンドの悪さ。大学時代からの大きな課題で、例年与四球率は4.0前後。良い日と悪い日の差が大きく、フォーシームだけでなくスライダー&スプリッターも高めに浮いて空振りを奪うのに苦労してしまうこともあります。

 第二の課題は怪我歴。トミージョン手術以降、大学→プロと定期的に怪我に悩まされて続けています。プロ入り後はロングリリーフを務めることも多く今シーズンは39試合で67.1イニング投げましたが、怪我が多いために1シーズン戦うスタミナがないのか、例年後半戦に成績を落としがち。今年は怪我がなかったのがせめてもの救いでした。

(また、大学時代から年々頭髪が減少しているのも気になります)





 プロ入りが1年遅かったために既に25歳に達しており、伸びしろは殆どありませんが、AAでの支配的な投球を考えれば「AAAでも好投→MLBデビュー」を来年中にでも出来そう。チャド・グリーンを1段階劣化させたような選手になることを期待。

 ちなみに、現在はアリゾナフォールリーグに参加しており、7イニングで被安打2・無失点と活躍中。