「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」の興行収入:1週目

 12月15日金曜日に公開され1週間が経ちました。作品の出来については賛否両論となり、いつものことですがスター・ウォーズ・ファンは荒れ狂っていますね。まあ、作品の内容は置いといて、1週目の興行収入を見ていきましょう。


↑私の11月5日時点での予想



北米興行収入(アメリカ時間)
15日金曜日(木曜日のプレビューも含む):1億500万ドル
16日土曜日:6400万ドル
17日日曜日:5100万ドル
初週週末合計:2億2000万ドル

18日月曜日:2200万ドル
19日火曜日:2000万ドル
20日水曜日:1700万ドル
21日木曜日:1800万ドル

1週目合計:2億9600万ドル


 初週週末は、インフレ調整なしで「フォースの覚醒」に次ぐ歴代2位となっており、大成功のように見えます。しかし、一概に成功と言えるものでもなく、作品の出来が万人受けするものではないためか週末以降の平日の数字の伸びは悪く、(初週週末÷1週目合計)=74%。同時期に公開された「フォースの覚醒」は63%、「ローグ・ワン」は70%であり、評判の良かった前2作と比べるとやはり作品の出来が興行収入の伸びにすでに影響が出ていることが分かります。ちなみに私の初週週末予想は2億500万ドルで、少し外してしまいました。

 ここからは、今後の予想を行います。今週からアメリカはホリデーシーズンに入り、他時期と比べて興行収入が伸びやすくなっています。(1週目合計÷最終興行収入)は「フォースの覚醒」が42%、「ローグ・ワン」が42%とほぼ同じ数字となっていますから、この数字をもとに単純な計算を行うと、「最後のジェダイ」の最終興行収入は(2億9600万ドル÷42%)=7億500万ドルという予想値がはじき出されます。

 しかし、「フォースの覚醒」と「ローグ・ワン」の公開時は他公開作が弱かったのですが、今回は子供を集客できる「ジュマンジ」、女性を集客できる「ピッチパーフェクト3」、ファミリーを集客できる「グレイテスト・ショーマン」が水曜日~金曜日に公開(アメリカ)されており、客を獲られてしまうでしょう。また、スター・ウォーズの興行収入は何度も観に行くような人たちが下支えしてきたのですが、先程も述べたように作品の評価も「フォースの覚醒」と「ローグ・ワン」と比べて悪く、「最後のジェダイ」がここから伸び悩むことは容易に想像がつきます。よって、最終興行収入が7億ドルを超えない確率は高いでしょう。

 これだけだと単純なので、さらに考察を行ってみます。boxofficeproは2週目金曜日~月曜日の興行収入予想は1億1500万ドルとなっており、この予想が当たれば月曜に終了時点(公開11日目)の興行収入は4億1100万ドルになります。この予想が当たると仮定して話をすると、(公開11日合計÷最終興行収入)は「フォースの覚醒」が61%、「ローグ・ワン」が60%であり、これから計算を行うと、最終興行収入は(4億1100万ドル÷61%)=6億7000万ドルという予想値がはじき出されます。やはり、公開当初から伸び悩みを見せると予想されます。

 ここまでの考察を踏まえて、今時点での私の「最後のジェダイ」の最終興行収入予想を、6億4000万ドルとします。この数字は北米興行収入歴代5位(インフレ調整無し)となり、アメリカで最も集客力のあるスター・ウォーズ・シリーズ作品としては決して成功と言えるものではないでしょう。ちなみに、11月5日時点での私の予想は6億9000万ドルでした。


 加えて全世界興行収入についても考えてみましょう。通常の大ヒット作は世界興行収入においてアメリカ国外での収入が占める割合は60%~70%程度になるのですが、スター・ウォーズはアメリカ国外において国内ほど人気が無いので、世界興行収入においてアメリカ国外での収入が占める割合は、「フォースの覚醒」が55%、「ローグ・ワン」が50%となりました。公開11日での「最後のジェダイ」の数字は51.4%であり、北米興行収入予想が6億4000万ドルなので単純計算で、全世界興行収入は13億2000万ドルになります。

 しかし、忘れてはいけないことがあります。それはアメリカに次ぐ規模の映画市場である中国での公開が1月だということです。前2作の中国興行収入は「フォースの覚醒」が1億2400万ドル、「ローグ・ワン」が6900万ドルだったので、「最後のジェダイ」は8000万ドルぐらいでしょうかね。

 よって、「最後のジェダイ」の全世界興行収入は14億ドルと予想、この数字は全世界興行収入歴代8位となります。ちなみに、11月5日時点での私の予想は14億2000万ドルでした。