アントニオ・ゴメス:ヤンキース・プロスペクト


 2017から当ブログで書いているヤンキースのプロスペクト紹介・レポートのまとめページになります。名前がその選手の記事へのリンクとなっていま...
2023年シーズン開幕時点におけるニューヨーク・ヤンキースのプロスペクト(有望株)ランキングTOP50を作成

アントニオ・ゴメス

Antonio Gomez
2001年11月生(21歳8か月):188cm・95㎏
キャッチャー:ベネズエラ

Aクラス:2018年国際FA(契約金60万ドル)
選手ページ:MiLB公式Baseball ReferenceFanGraphs

ヒッティング   : 30/35
パワー      : 45/55
ラン       : 35/30
アーム      : 60/65
フィールディング : 45/60
総合       :   30/35


2018年のインターナショナルFAにてベネズエラ勢トップクラスのプロスペクトとしてクラス10~15位程度の評価を受け、35~40 FV級の買い占めを行っていたヤンキースと60万ドルで契約。

2019年DSLでは故障によって出場機会が限られ実力を判断できるほどのトラックレコードが得られず、そのままコロナ禍に突入したことでさらに有耶無耶に。

しかし、コロナ禍明けの2021年はFCLにて攻守に渡る活躍を見せ、シーズン終盤にはAクラスへ昇格。

数多くの媒体の傘下プロスペクト・ランキングにてトップ10に位置付けられる存在となりました。

Year Age Tm Lev G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2019 17 2 Teams Rk-FRk 15 57 15 1 0 4 9 .289 .351 .442 .793
2019 17 Yankees East Rk 14 51 12 1 0 3 7 .255 .314 .404 .718
2019 17 Yankees FRk 1 6 3 0 0 1 2 .600 .667 .800 1.467
2021 19 2 Teams Rk-A 46 184 41 4 5 26 49 .263 .375 .417 .792
2021 19 Tampa A 17 71 12 2 1 10 18 .197 .310 .328 .638
2021 19 Yankees Rk 29 113 29 2 4 16 31 .305 .416 .474 .890
2022 20 Tampa A 89 370 82 8 1 35 100 .252 .332 .369 .702
2023 21 Hudson Valley A+ 45 186 41 2 0 14 58 .249 .315 .352 .667
All All All   188 775 171 15 6 79 211 .253 .338 .377 .714

しかし、2022年はコンタクトスキルや低弾道に大きな改善が見られずAクラスで足踏み。シーズン途中からコンタクトの着用を始め、個人的には成績バンプを期待していたのですが微増止まり。

所属リーグFSLにて機械判定や盗塁促進ルールがテストされていたためフレーミング能力や盗塁促進能力を推し測ることも難しく、残念ながらプロスペクト評価も急落。

今シーズンは開幕からA+クラス昇格を果たしたものの、打撃成績は低空飛行を続けています。


ヒッティング : 30/35
パワー    : 45/55

バットコントロールが稚拙なためK%は常にリーグ平均を大きく上回り、昨シーズン途中から始めたコンタクト着用はパフォーマンス向上にほとんど寄与せず。堅実な守備力に昇級ペースは早い方とは言え、AA~AAAでは時間を有するでしょうね。

昨シーズンのMax EVが107.9マイル、飛距離が400フィートだったのですが、打撃練習で披露するローパワーを考えればもう少し伸びてほしいところ。

本人は常にアッパーカットを意識しているかと思われるものの、毎年のようにGB%が50%前後を推移するなど低弾道に苦しんでいて、ハイゾーンへのピッチに対しヘッドを被せてしまいトップド&バナー・コンタクトを量産。

昨シーズンは低レベルだった外角球へのコンタクトクオリティは、打撃フォームのクローズド化によってある程度は解消されるかもしれませんが、反対に得意だった内角球への対応が…

ラン      : 35/30
フィールディング: 45/60
アーム     : 60/65

平地での助走付きスローイングにて101マイルを計測した強肩は間違いなくマイナー最上級に位置するマネーツールで、インターナショナルFA時代から年齢離れしたポップタイムを計測。

盗塁促進ルールによって盗塁阻止率等で捕手のスローイング能力ないし盗塁阻止能力を測ることが困難になっているとは言え、これまで所属チームでは常に1・2位を争う盗塁阻止率を残していて、個人的にはもう少し確実性向上を見込んでいます。

昨シーズンは機械判定を導入しているFSLで1年を過ごしたため形だけのフレーミングを行っていましたが、今シーズン披露したフレーミングスキルは見事(プラスツール)。特に低めのブレーキングボールのすくい上げを得意としています。

本来なら彼がMLBデビューする頃にはMLBへ機械判定が導入されフレーミングも無に帰すはずだったものの、MLB機構が無能な故に導入へ遅れが生じていることを考えると、まだまだ捨てたもんじゃないなと。まあ、完全に機械判定にならずともストライク/ボール判定チャレンジ制度は始まってるでしょうけど。

走塁については鈍足で基本的に盗塁する気なし。

総合 :   30/35

バッティング面と守備面でのリスクとアウトカムレンジが大きくかけ離れたある意味厄介なプロスペクト。

この何年もの間ヤンキースはヒガシオカという非常に優秀な控え捕手に支えられてきましたが、もちろんゴメスに彼クラスへの成長を期待するのは酷。

ヤンキースのような万年コンテンダー傘下所属であれば、やはり期待値は第3の捕手といったところでしょう。