フアン・カレラ
Juan Carela
2001年12月生(21歳6か月):190cm・84㎏:右投
High-A:2018年国際FA(契約金33万5000ドル)
選手ページ:MiLB公式・Baseball Reference・FanGraphs
シンカー : 45/55 (平均92マイル、最速98マイル)
カットボール : 40/45 (平均87マイル)
スライダー : 55/60 (平均83マイル)
カーブ : 40/40 (平均79マイル)
チェンジアップ: 45/45 (平均85マイル)
コマンド : 35/45
総合 : 30/40
プロ入り前はインターナショナルFAの2018年クラスにて上位評価を受ける存在であり、86~89マイル程度だった球速が2018年クラス契約解禁直前に最速92マイルへ急上昇。
結果として解禁日にヤンキースと33万5000ドルで契約を結びプロ入りを果たしていますが、インターナショナルFA全体ではミドルクラスの契約額でこそあるものの、投手に限ると高額な部類の金額。
プロ入り直後参加した秋のドミニカ・インストラクショナルナル・リーグにて最速96マイルを計測すると、さらに翌年のガルフ・コーストリーグ(ルーキーリーグ)では若干17歳ながらも最速98マイルを叩き出しました。
ただ、同年は稚拙な投球フォームによってコントロール難に苦しみ、12試合・32イニングを投げ防御率7点台・FIP5点台・8.2 BB/9(与四球29個)・与死球10個・暴投15個と散々な結果に。
Year | Age | Lev | ERA | G | GS | IP | H | HR | BB | SO | WHIP | BB9 | SO9 | SO/W |
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2019 | 17 | Rk-FRk | 7.59 | 12 | 8 | 32.0 | 35 | 1 | 29 | 30 | 2.000 | 8.2 | 8.4 | 1.03 |
2019 | 17 | Rk | 7.11 | 10 | 6 | 25.1 | 24 | 1 | 24 | 25 | 1.895 | 8.5 | 8.9 | 1.04 |
2019 | 17 | FRk | 9.45 | 2 | 2 | 6.2 | 11 | 0 | 5 | 5 | 2.400 | 6.8 | 6.8 | 1.00 |
2021 | 19 | Rk-A | 6.38 | 12 | 11 | 42.1 | 46 | 3 | 23 | 49 | 1.630 | 4.9 | 10.4 | 2.13 |
2021 | 19 | A | 11.51 | 6 | 6 | 20.1 | 32 | 3 | 18 | 22 | 2.459 | 8.0 | 9.7 | 1.22 |
2021 | 19 | Rk | 1.64 | 6 | 5 | 22.0 | 14 | 0 | 5 | 27 | 0.864 | 2.0 | 11.0 | 5.40 |
2022 | 20 | A-A+ | 4.21 | 23 | 21 | 107.0 | 74 | 9 | 52 | 131 | 1.178 | 4.4 | 11.0 | 2.52 |
2022 | 20 | A+ | 7.71 | 7 | 7 | 28.0 | 25 | 4 | 17 | 21 | 1.500 | 5.5 | 6.8 | 1.24 |
2022 | 20 | A | 2.96 | 16 | 14 | 79.0 | 49 | 5 | 35 | 110 | 1.063 | 4.0 | 12.5 | 3.14 |
2023 | 21 | A+ | 3.04 | 11 | 10 | 56.1 | 40 | 2 | 20 | 72 | 1.065 | 3.2 | 11.5 | 3.60 |
All | All | 4.77 | 58 | 50 | 237.2 | 195 | 15 | 124 | 282 | 1.342 | 4.7 | 10.7 | 2.27 |
2020年シーズンの開催中止を経て2021年シーズンは制球難に苦しみながらも若干19歳でAクラスへ到達。昇級後はチーム投手陣最年少となりましたが、被OPS1.095の滅多打ちを受け毎試合のように炎上を敬遠したことを考えると、この判断は時期尚早でFCLにてシーズンを終えさせるべきだったでしょう。
2021年シーズンはピッチクオリティ、制球力が共に向上を見せAクラスへ無事適応。16登板全てを3自責点以下でまとめ上げ、満を持してA+クラス昇級を果たしました。
ただ、Aクラス昇級時と同様に新環境への適応に苦しみ低成績のままシーズン終了。2021年~2022年夏の期間中は各媒体の傘下プロスペクト・ランキングでトップ30の常連となっていたものの、2022年オフのアップデートではそのほとんどでランク外に。
まあ結局のところ今シーズンは昨シーズンと同様に開幕から好投を続けていて、特に近3登板全てで二桁奪三振を記録。夏のアップデートでは再びトップ30の常連へ返り咲くことでしょうね。
シンカー : 45/55(平均92マイル、最速98マイル)
コロナ禍前はローエフォートな投球フォームから最速98マイルを計測するなど剛速球投手への成長が期待され、コロナ禍明け2021年のXSTやFCLでは投球フォームがある程度改善された上に94~95マイルを計測し、この頃はルイス・セベリーノの下位互換のような存在となると思い込んでいたのですが、Aクラス昇級後は何故か球速が低下。
個人的にはそれ以降も投球フォーム改善の余地、体格面のポテンシャルを理由に球速バンプを信じ続けているのですが、一向に常時91~92マイル程度の平均未満レベルから抜け出す兆候が見受けられません。
ただ、シンカーは回転方向が非効率的なため変化量こそ平均レベルなものの、常時2500rpmを超えるなどポテンシャルを秘めたピッチ。
ヤンキースは馬鹿の一つ覚えのようにシンカー系ピッチャーを弄り回しているんですから、彼のシンカーもどうにかできないものですかね?
カットボール : 40/45(平均87マイル)
スライダー : 55/60(平均83マイル)
投球割合が50%を超える平均2800rpm程度のスライダーは間違いなく彼のベストピッチで、縦変化と横変化それぞれの変化量を対となるように増減させた2種類を投げ分けています。
縦変化が大きなピッチは左打者、横変化が大きなピッチは右打者に用いるイメージ。
アーリーカウントで用いるカッターはスライダーと同じくスピンレイトに長け、球速帯はシンカーとスライダーの中間付近。
一般的にスライダーとカッター両球種を投げるピッチャーは、スライダーの延長線上にカッターが位置しているパターンが多いのですが、彼の場合サイドスピン成分強めのスライダーと異なりカッターはジャイロ回転気味の別物。
リリースポイントもシンカーと大差がなくピッチトンネルの観点からは👍
カーブ : 40/40(平均79マイル)
チェンジアップ: 45/45(平均85マイル)
カッターと異なり80マイル未満のカーブはスライダーの延長線上といったところで、カーブと言うよりスイーパーと評するべきか。
何にせよ打者カウントにおいてストライクを稼ぐため用いることが多く、基本的にプットアウェイピッチとは考えていないようです。
チェンジアップは昨シーズンまで左打者対戦時のアクセントとして用いるレベルに留まっていてましたが、今シーズン大きな成長を披露。
昨シーズンは散々な数字だった対左打者成績が今シーズン格段と良化していますが、チェンジアップ向上のおかげと言っても過言ではないでしょう。
コマンド : 35/45
この若さで多種多様な球種を使い分けている点は見事ですが、投球フォームの再現性が悪く全般的にコマンド改善の必要あり。特に肝心のシンカーのコマンドが悪く変化球に頼りざる負えない現状は如何なものかと。
また、スライダーも高めに抜けることが多く、実際に高めと低めにおける被コンタクトクオリティには大きな差が見受けられます。もちろん高めの方がハードヒット多数。
Aクラス以下では優秀だったGB%がA+クラス昇級後に大きく悪化している点も懸念材料で、今後はより低めにボールを集め、より優れたVAAを生み出す必要がありそう。
何にせよ長身痩躯のボディのウェイトを増やし下半身を鍛えれば、フォームの再現性向上だけでなくエフォートも高まり球威向上に寄与するかと思われますが果たして…
総合 : 30/40
お気に入りのプロスペクトの1人であるため相当バイアスがかかった評価となりますが、個人的には傘下20位程度の存在かと。
常に年齢以上の階級でプレーしてきたプロスペクトであり、実際に今季A+クラスで規定投球回に到達しているピッチャーの中では4番目に若く、案外フロアーが高いタイプでは?
問題は鬼門である夏場(シーズン後半戦)か…。
FV 70:全体No.1プロスペクト
FV 65:全体2~5位程度
FV 60:全体6~20位程度
FV 55:全体21~50位程度
FV 50:全体51~125位程度
FV 45:全体126~275位
球団別ランキング10位以内程度
FV 40:全体276~850位
球団別ランキング30位以内程度