オースティン・ウェルズ
Austin Wells
1999年7月12日/188cm・99㎏/右投左打/アリゾナ大学出身
2020年ドラフト1巡目(全体28位:契約金250万ドル)
ヒッティング : 35/45
パワー : 40/45
ラン : 45/45
アーム : 40/40
フィールディング : 30/35
総合 : 35/40
名門アリゾナ大学野球部出身の父、同大学の体操部に所属した母を持ち、ジョーイ・ギャロを輩出したネバダ州ラスベガスのビショップ・ゴーマン高校においてネバダ州高校最優秀選手に選出されるほどの活躍を披露。2018年のベースボールアメリカのドラフト有望株ランキングでは206位に入るなど高い評価を受けていましたが、両親の母校であるアリゾナ大学進学の意志が非常に強く上位指名を受けることはありませんでした。
同大学入学後は1年目(2019年)から大活躍を見せ所属カンファレンス”Pac12″の最優秀フレッシュマン(1年生)に選ばれると、シーズン終了後にはケープコッドリーグでもトップクラスの好成績を記録。
好スタートを切った2年目(2020年)はコロナによりNCAAシーズンが序盤で打ち切りとなってしまったものの、MLBドラフト2020年クラス最高の攻撃型キャッチャーとの評価を受け、1巡目・全体28位にてヤンキースから指名を獲得しプロ入り。
(通常は3年生以上が指名対象となりますが、ウェルズはアーリーエントリー制の適格者だったため2年生で対象に。)
Year | Age | Tm | Lev | G | PA | H | HR | SB | CS | BB | SO | BA | OBP | SLG | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2019 | 19 | Arizona | NCAA | 56 | 277 | 78 | 5 | 6 | 0 | 46 | 43 | .353 | .462 | .552 | 1.014 |
2020 | 20 | Arizona | NCAA | 15 | 74 | 21 | 2 | 1 | 0 | 17 | 14 | .375 | .527 | .589 | 1.116 |
2021 | 21 | 2 Teams | A-A+ | 103 | 469 | 101 | 16 | 16 | 0 | 71 | 117 | .264 | .390 | .476 | .867 |
2021 | 21 | Hudson Valley | A+ | 38 | 170 | 40 | 7 | 5 | 0 | 20 | 55 | .274 | .376 | .473 | .849 |
2021 | 21 | Tampa | A | 65 | 299 | 61 | 9 | 11 | 0 | 51 | 62 | .258 | .398 | .479 | .877 |
Mino | Mino | Mino | Minors | 103 | 469 | 101 | 16 | 16 | 0 | 71 | 117 | .264 | .390 | .476 | .867 |
Coll | Coll | Coll | College | 71 | 351 | 99 | 7 | 7 | 0 | 63 | 57 | .357 | .476 | .560 | 1.035 |
2021年はプロ公式戦出場経験が無かったにも関わらず春季キャンプに招待され10試合に出場。さらにAクラスにてマイナーリーグ開幕を迎えると、尻上がりに成績を伸ばし8月初旬にはA+クラスへ昇格。A+クラス昇格においても同様に尻上がりに成績を伸ばし、9月には月間OPS1.042を記録。
また、シーズン終了後に参加したアリゾナ秋季リーグではリーグ6位となるOPS1.034を残し(上位5人は全員が年上)、リーグ4位のOPS1.037を記録したイライジャ・ダナムと共に大きなインパクトを残しています。
ヒッティング : 35/45
パワー : 40/45
アリゾナ大学にて簡素化させたシンプルなスイングはかつてのアンドリュー・ベニンテンディを彷彿とさせ、フィールド全体にパワーを発揮し左投手も特段苦にせず。
シーズンを通し大きなスランプも無く安定したパフォーマンスを残した点も印象的で、左打者不足に喘ぐヤンキースにとって貴重な存在となりました。
ただ、Statcastが導入されているAクラスにおいて打球初速度平均88.0マイル・最速109.9マイル・平均打球角度15.0°・バレル率7.0%と並みの数字を記録。さらに、A+クラスでは表面上の数字こそ良かったものの運に恵まれ(BABIP.393)、耐久型のアプローチにより四球と三振が共に多い選手ですが三振率32.4%・コンタクト率64.6%と危うい数字を残すなど、不安要素も少なくはありません。
ラン : 45/45
アーム : 35/40
フィールディング: 30/35
高校時代に60ヤードにて6.97秒を記録したスピードは平均レベル。大学入学後の公式戦における盗塁企画32回全てで成功を収めるなど盗塁技術も優秀で、キャッチャーとしてはアスレチックなプレーヤー。
2021年シーズンは平均以上の守備成績を残したものの、キャッチャー守備は大学時代から軒並み低評価を受けており、(ヤンキースはキャッチャーとして期待しているようですが)”将来的なコンバートが必要不可欠”との評がほとんど。また、高校最終学年で肘を痛めPRP療法を受けた経験もあり、キャッチャーでのプレー継続は肘の故障再発が懸念されます。
ただ、キャッチャーのコンバート先はファーストが標準的ですが、スピードのあるウェルズであれば外野へのコンバートが可能と考えられており、実際に大学時代は外野の3ポジション全てを経験しています。
総合 : 35/40
キャッチャーに留まることができればハイバリューなプロスペクトとなりますが、ファーストやコーナー外野手としては打撃力が中途半端。
どっちにしろ守備でのプラスが見込めないだけに、来シーズンもA+クラスにてアプローチで苦労するようなことがあれば、ヤンキースの長い長いドラ1失敗作リストに名を連ねることになるでしょうね。