デルミス・ガルシア:ヤンキース・プロスペクト

デルミス・ガルシア
 
 
19歳/191㎝・91㎏/右投右打/ドミニカ出身/サード(ファースト)/A
2014年国際FA(契約金300万ドル)
MLB.comプロスペクトランキングチーム内・21位
 
ヒッティング    :   25/35
パワー       :   45/70
ラン        :   35/30
アーム       :   50/60
フィールディング  :   25/35 (サード守備)
総合        :   25/40

 アマチュア時代から高い評価を受けており、2014-15年国際FAにおいてMLB.comの国際FA対象プロスペクトランキングで1位にランクイン(Baseball Americaでは9位)、ヤンキースと300万ドルで契約しました。ヤンキースはこの年、国際市場で多くのトッププロスペクトと契約しましたが、今のところ唯一将来MLBデビューを期待できそうな選手です。今年の8月に19歳ながらルーキーリーグから飛び級でAクラスに昇格し、来シーズンから大ブレイクも期待できます。

ヒッティング : 25/35  
 恵まれた体格のおかげでバットスピードは年齢離れしていますが、典型的なアッパースイング&大振りのパワーヒッターで、コンタクトには大きな問題を抱えています。待球タイプのバッターなので四球を選ぶことはできますが(四球率は通算で13.8%)、大振りであることだけでなく変化球の見極めにも問題があるので(とりわけ大きく変化する変化球)空振りが多く、通算の奪三振率は32.4%と危険水準。アッパースイングのため非常にフライが多く(フライ率は50%以上)、長打につながることも多いですが、やはりコンタクトに問題があるため内野フライ率(内野フライ数÷フライ数)は30%近い値を記録しています。
パワー : 45/70
 契約時から高い評価を受けているパワーは、一部の有識者から純粋なパワーだけなら最高評価の80評価を受けることもあり、ポテンシャルはシーズン30本塁打以上クラスと言われています。今シーズンはたった63試合で17本塁打(ルーキーリーグで33試合9本塁打、Aクラスで30試合8本塁打)を記録しておりHR/FBは20%を超え、ヤンキース傘下No.1のパワーヒッターと言えるでしょう。
 基本的にはバリバリのプルヒッターですが、少しストライクゾーンから外れた球でも体勢を崩しながら無理やりセンター方向やライト方向にフライを打ち、そのフライがフェンス間際まで伸びていく場面も時々目にしました。体格の良さはすでに素晴らしいですが、個人的にはまだ少し成長の余地があるように感じます。
 
 
ラン : 40/30
 純粋な足の速さは16歳の時から評価が低く現在も間違いなく平均以下。年齢を重ねるにつれて更に鈍足化が進むと予想されており、守備にも大きな影響がありそう。2015&2016年は盗塁0でしたが、何故か今年はルーキーリーグでの33試合において盗塁企画6回の全てで成功させています。
フィールディング : 25/35 (サード守備)
 アマチュア時代はショートでしたが、プロ入り後すぐにサードに転向しました。そのサード守備はAクラスでも平均レベルを下回っており、鈍足のために守備範囲が狭く、フットワークとグラブ捌きにもまだまだ問題があります。エラーも多く守備率は例年0.900を下回っており、今年か
らはファーストでも起用され始まていて、将来的には間違いなくファースト専属の選手になるでしょう。正直なところファースト守備は目にする機会があまりなかったのでどの程度のレベルかは分かりませんが、ファーストとして出場した全10試合ではエラーはしていないようです。
アーム : 55/60
 
 肩の強さはアマチュア時代から評価が高くプラスツールですが、コントロールに難があり、とりわけ低めのバウンドボールになってしまうことが多く改善が必要。ただ先程も述べたようにファースト専属になるでしょうし、そんなに心配する必要はないかな。
(その他)
 リーダーシップの評判も良い。

 まだ2018年1月に20歳になるばかりの選手でどうなるかは分かりませんが、コンタクトの成長に全ては掛かっていますね。順調に成長してMLBデビューする確率は低いですが、こういう一芸タイプの選手は大好きなので温かく見守っていきたいです。