「2022年ブレイク候補プロスペクト」と題して、今年中にブレイクし評価が上昇しそうなヤンキースのプロスペクトを独断と偏見ででピックアップしました。
ルーキークラス(DSLとFCL)所属のブレイク候補を挙げ始めるとキリが無いので、今回は昨シーズンA~AAAでプレーしたプロスペクトに限定。
まあそれでも1つの記事で全員を取り上げるのは厳しかったので、近いうちに第2弾を書きます。
投手プロスペクト
アルフレッド・ベガ
2001年1月生:185cm・76㎏:右投先発:FCL~A
選手ページ:MiLB公式・Baseball Reference・FanGraphs
2021年夏版ランキング:第76位
コントロール難に苦しみ(四球率4.9、ストライク率60%)ながらも運に恵まれ(BABIP.208)、FCLとAクラスにて好成績を残したスリーパー・プロスペクト。
共に平均92マイル・2200rpmを計測するフォーシームとツーシーム、大小2種類のカーブ(79~81マイル・2500rpm)、平均87マイルのチェンジアップを兼ね備え、取り分け決め球のカーブはプラスピッチのポテンシャルを秘めています。
コントロール難と書きましたがコマンドは成績ほど悪くなく、未だに細身な肉体のビルドアップを行えば、球威・制球共に大幅な向上を見せプロスペクトとしてブレイクを果たしてもおかしくはありません。
フアン・カレラ
2001年12月生:190cm・84㎏:右投先発:FCL~A
選手ページ:MiLB公式・Baseball Reference・FanGraphs
2021年夏版ランキング:第17位
2019年に若干19歳で98マイルを計測するも制球面において未熟さを露呈していましたが、2021年シーズンは大きく改善された投球フォームを披露し、FCLにて好投を続け1ヶ月程度であっさりとAクラス昇格を果たしました。
ただ、Aクラスでは空振りの奪取に苦労したことでボールカウントが先行する苦しいピッチングが続き、終わってみれば2019年と同等のウンコまみれの成績に。
とは言っても三振自体はAクラスでも引き続き奪えており、Statcastのデータを見ても変化球のクオリティは上々。
Aクラスでの大コケはスタミナ面が最大の要因だったと個人的には考えているのですが、体格面でにおける成長の余地も未だ大きく、今年はシーズン通しての活躍を期待したところ。
Juan Carela(19歳)
1球目:FF 95マイル
2球目:FF 94マイル
3球目:FF 94マイル
4球目:CH 87マイル
5球目:SL 82マイル https://t.co/K9qBmSRMfs pic.twitter.com/TfHzqUaI5z— Fordy Ballgame (@ironhorse0619) June 11, 2021
クレイ・アギラール
1999年3月生:185cm・95㎏:左投ロングリリーフ:A~A+
選手ページ:MiLB公式・Baseball Reference・FanGraphs
2021年夏版ランキング:未ランクイン
2020年にドラフト外にてヒューストン大学からヤンキース入り。
ヤンキース傘下屈指のコマンドが一番のウリですが、2021年はカーブとチェンジアップに加え新たにハイクオリティなスライダーを習得しただけでなく、球速も大学時代から1~2マイル程度アップ。
シーズン前半戦はリリーフ起用だったものの、後半戦は長いイニングを任せられるようになり、8月以降に限れば9登板・32イニングを投げ防御率0.56、被OPS.387と桁違いの好成績を記録。
今オフに参加したアリゾナ秋季リーグではクソミソに打ち込まれてしまったものの、ハイフロアーなプロスペクトとして期待です。
ジャック・二―リー
2000年6月生:203cm・102㎏:右投先発:FCL~A
選手ページ:MiLB公式・Baseball Reference・FanGraphs
2021年夏版ランキング:未ランクイン
16歳で現在の身長203mに達するとそれ以降は順調に球速向上を続け、2021年のドラフト前には最速100マイルを計測したもののNCAAでの成績が奮わず、ヤンキースが11巡目・全体333位にて指名するまで売れ残っていた剛腕。
ドラフト後はAクラスにて2試合&2イニングのみ登板機会がありましたが、思いのほかリリースポイントと制球が安定し5奪三振のパーフェクトピッチングを披露。
正直なところタナー・マイアット感は否めませんが、平均96マイル・2500rpm・鉛直変化11インチ・水平変化9インチのフォーシームは間違いなくヤンキース傘下トップクラスと言えるでしょう。
Jack Neely (RHP, @OhioStateBASE) looking good early with 5K thru two innings. Was up to 96 early and getting empty swings with all three pitches (SL, CB). Not a bad option to run out there on a #SundayFunday pic.twitter.com/KInYCVhDqF
— Burke Granger (@burkegranger) April 25, 2021
野手プロスペクト
ロベルト・チリーノス
2000年9月生:180m・78kg:セカンド:FCL~A+
選手ページ:MiLB公式・Baseball Reference・FanGraphs
2021年夏版ランキング:第58位
2017年インターナショナルFAにおいて契約金90万ドルで契約。コロナ禍前はルーキーリーグにて年齢以上のパフォーマンスを発揮していましたが、2021年はシーズンを通し安定して数字を残しA+クラスまで昇格。さらにオフに参加したベネズエラ冬季リーグでは、同リーグ最年少の1人であったにもかかわらず平均以上の成績を記録しています。
ボール球スイング率が非常に高い典型的なフリースウィンガーであり、ブレイクにはアプローチ面の改善が必須条件ですが、それでも平均以上の成績を残しているんですから、裏を返せばコンタクトスキルは上物であることが分かります。
可もなく不可もない50/50の成長を見せた後の姿はパワーレスなエゼキエル・デュランかなと。
Roberto Chirinosの今季6号ホームラン pic.twitter.com/gjZygio3Er
— Fordy Ballgame (@ironhorse0619) September 5, 2021
マディソン・サントス
1999年9月生:178m・74kg:センター:FCL~A
選手ページ:MiLB公式・Baseball Reference・FanGraphs
2021年夏版ランキング:未ランクイン
FCLでサイクルヒットを達成するなど圧倒的なパフォーマンスを残し早々とAクラスへ昇格するも苦手な左投手を攻略できず低成績に終わりましたが、バッティングだけでなくプラスツールのスピードと身体能力を活かした守備走塁で大きなインパクトを残したアスリート型のプロスペクト。
兎にも角にも左投手さえ打てるようになれば、走攻守に長けたオールラウンダーとして自ずと評価は上がるはず。
(なんだかんだ言ってFanGraphsのランキングでは既に上位に入ってんだけどね。)
Madison Santos pic.twitter.com/CDKutBJNpn
— Fordy Ballgame (@ironhorse0619) July 8, 2021
クーパー・ボウマン
2000年1月生:183m・92kg:セカンド:FCL~A
選手ページ:MiLB公式・Baseball Reference・FanGraphs
2021年夏版ランキング:第75位
2021年ドラフト4巡目指名選手で、契約後は早速ながらAクラスにて期待以上のパフォーマンスを残しました。
弱点が少ないハイフロアーなプロスペクトですが、個人的には2021年ドラフト組で一番のお気に入り選手で、バッティング面に関してはあと1段階成長の余地を残しているような気が。
ボウマンの詳細については以下の記事を参照してください。
ベン・ライス
1999年2月生:188m・92kg:キャッチャー:FCL~A
選手ページ:MiLB公式・Baseball Reference・FanGraphs
2021年夏版ランキング:未ランクイン
2021年ドラフト12巡目(全体363位)指名選手。通称「便所飯」。
2020年のサマーリーグにて1~2巡目指名選手らを抑えMVPに輝くなど木製バットでは好成績を残していましたが、NCAAの所属カンファレンスにおいて2020年だけでなく2021年シーズンも中止となってしまったがためにアピールの機会が大きく失われ、結果としてドラフトでは低順位指名となりました。
ただ、Aクラスでは攻守にわたって12巡目指名選手とは思えないパフォーマンスを発揮しており、特にキャッチャー守備への低評価は過小評価かと。
Ben Rice(12巡目指名)の今季3号ホームラン pic.twitter.com/RuSwXQx5l7
— Fordy Ballgame (@ironhorse0619) September 5, 2021
コメント
DSLとFCLでブレイク候補数人選ぶとしたら誰を挙げますか?
第2弾でA~AAAのプロスペクトを更に何人か取り上げた後に、第3弾でROKクラスの選手も触ろうかと思っています。
楽しみにしてます!