前回の野手編から引き続きは今回は1年後(2024年シーズン終了後)にFAとなる投手をランキング形式で取り上げます。
- 年齢は2025年4月1日時点のもの
- 2024年シーズンにおいて過去2年シーズン(2022~2023年)の平均値程度の成績を残すと仮定した上で予想契約を決定
(今オフの補強戦線がひと段落したタイミングで、FA市場の傾向を踏まえて追記・修正予定。)
目次
10位:ホセ・キンターナ
Jose Quintana:NYM:36歳2ヶ月:SP/LHP
予想契約:2年 3200万ドル
[年平均 1600万ドル]
年度 | rWAR | fWAR |
2022 | 3.6 | 4.0 |
2023 | 1.6 | 1.5 |
平均 | 2.7 WAR |
前田 健太の上位互換といった印象ですが、前田と同じくWasserman社が代理人のためかストーブリーグでの立ち回りが下手で、昨オフに結んだ2年$26Mも安め。
ある程度健康体を維持して先発ローテ2番手クラスの数字を残せば、前田から数割増しの契約に行き着くのでは。
9位:マット・ストラム
Matt Strahm:PHI:33歳4ヶ月:RP/LHP
予想契約:3年 3900万万ドル
[年平均 1300万ドル]
年度 | rWAR | fWAR |
2022 | 0.3 | 0.3 |
2023 | 2.2 | 2.0 |
平均 | 1.2 WAR |
去年の先発登板時のパフォーマンスを見る限りブルペン幽閉は勿体ないような気がしますが、球界最高級の先発ローテに彼が入り込む余地はないようですね。
PHI所属のスイングマンということでZack Eflinと比較したいところですが、現実的にはNick Martinezが同格といったところでしょうか。
8位:タナー・スコット
Tanner Scott:MIA:30歳8ヶ月:RP/LHP
予想契約:5年 5000万ドル
[年平均 1000万ドル]
年度 | rWAR | fWAR |
2022 | 0.0 | 0.4 |
2023 | 3.6 | 2.8 |
平均 | 1.7 WAR |
シーズン序盤のスランプのおかげでASに選出されず、今オフのアワード投票でも不当な扱いを受けましたが、rWAR・fWAR・WARPの全てにおいてリリーフ投手全体トップの数字を残した真の”Reliever of The Year”。
制球難に苦しんだ2022年シーズンと平均をとっても95パーセンタイル級の数字となり、年齢も相まって結構な規模の契約が見込まれるのかなと。
7位:クレイ・ホームズ
Clay Holmes:NYY:32歳0ヶ月:RP/RHP
予想契約:4年 5200万ドル
[年平均 1300万ドル]
年度 | rWAR | fWAR |
2022 | 1.3 | 1.1 |
2023 | 1.8 | 1.5 |
平均 | 1.4 WAR |
身体動作のモビリティとスタビリティに課題があり、コンスタントにメカニクスを崩してスランプへ陥りますが、なんだかんだ言って立派にMariano Riveraの15パーセンタイル成績を記録。
エクステンションの噂は皆無ですけど、リリーバーに大金を費やすべきだと思わないので、別に引き留めなくて結構です。
6位:A.J.・ミンター
A.J. Minter:ATL:31歳6ヶ月:RP/LHP
予想契約:4年 5600万ドル
[年平均 1400万ドル]
年度 | rWAR | fWAR |
2022 | 1.8 | 2.1 |
2023 | 0.9 | 1.4 |
平均 | 1.6 WAR |
ERAが乱高下を繰り返していますが、4年連続でFIPが3.00を下回っているピッチャーは彼とDevin Williamsのみ。
ただ今さらの話ですが、正直なところMinterやHolmes、Scottの相場がイマイチよく分かっていません。
このクラスのリリーバーがFA市場に繰り出したのは2021年オフのRaisel Iglesias(4年$58M)が最後で、翌オフからブルペン市場の相場が急騰していることを考えると、もう1段階上位の規模を見込むべきかもしれませんね。
5位:ニック・ピベッタ
Nick Pivetta:BOS:32歳1ヶ月:SP/RHP
予想契約:4年 6800万ドル
[年平均 1700万ドル]
年度 | rWAR | fWAR |
2022 | 2.6 | 1.5 |
2023 | 2.4 | 1.9 |
平均 | 2.1 WAR |
2023年シーズンはブルペン降格を経験するも、メカニクス修正とスイーパー習得が功を奏し、シーズン後半戦はエース級のパフォーマンス。
これまで投手不利のシチズンズバンク・パークとフェンウェイ・パークに辛酸を舐めさせられてきたイメージで、その極端なピッチングにもっと適したプレー環境が存在するはず。
FA時の年齢は1年違えど、Jameson Taillonが比較対象となるのかなと。
4位:マックス・フリード
Max Fried:ATL:31歳2ヶ月:SP/LHP
予想契約:2年 8700万ドル
[年平均 4350万ドル]
(+1年目終了時オプトアウト権)
年度 | rWAR | fWAR |
2022 | 5.9 | 5.0 |
2023 | 2.7 | 1.9 |
平均 | 3.9 WAR |
実力だけなら現役No.1のLHPですが、2024年シーズンも故障にあえぎ132 IP(過去2シーズンの平均値)に終わるようなことがあれば、2022年オフCarlos RodonのようにFA再チャレンジを見据えた短期契約を狙うのではないでしょうか。
反対にストレートな長期契約を狙うのであれば、少なくともTyler Glasnowのエクステンション契約がフロアーに。
何にせよ投球内容を維持したまま順当に規定投球回へ到達すれば、$200M級の契約を手にするはず。
ちなみに、ATLとは2022年オフにエクステンション交渉を行ったものの、今オフは特に話し合いを行っていない模様。
3位:シェーン・ビーバー
Shane Bieber:CLE:29歳10ヶ月:SP/RHP
予想契約:6年 1億2000万ドル
[年平均 2000万ドル]
年度 | rWAR | fWAR |
2022 | 3.6 | 4.8 |
2023 | 1.8 | 2.1 |
平均 | 3.1 WAR |
2024年シーズンに先発投手の80パーセンタイル成績(3WAR強)を残した場合、2025年から6年間で約11WARが見込まれ、堅実な先発2番手クラスとして$100M超の契約が見込まれるはず。
とは言っても、球威がとうとうMLB平均を下回ったうえに、肘の故障が再発したことを考えると、2022年のアップスイングを内包する80パーセンタイル成績の実現性は△。
ただ、投手有利なはずのプログレッシブ・フィールドを何故かこれまで大の苦手としているため、チーム移籍がプラスに働く可能性も十分。
2位:ザック・ウィ―ラー
Zack Wheeler:PHI:34歳10ヶ月:SP/RHP
予想契約:5年 1億7000万ドル
[年平均 3400万ドル]
年度 | rWAR | fWAR |
2022 | 5.0 | 4.2 |
2023 | 4.3 | 5.9 |
平均 | 4.9 WAR |
2020年代最強投手が34歳シーズンに再びCYAクラスの成績を残すようなことになれば。2021年オフのScherzer以上、2022年オフのdeGrom未満の規模感となるのでは。
ただ、Aaron Nola流出阻止に成功するも山本 由伸争奪戦では敗れたPHIにとって、今ではWheelerとのエクステンションが最優先事項であると報じられており、このままFA市場へ繰り出す可能性は低いでしょうね。
1位:コービン・バーンズ
Corbin Burnes:MIL:30歳5ヶ月:SP/RHP
予想契約:9年 2億4300万ドル
[年平均 2700万ドル]
年度 | rWAR | fWAR |
2022 | 4.0 | 4.6 |
2023 | 3.5 | 3.4 |
平均 | 3.9 WAR |
2024年シーズンに4WAR弱を残すとなると、2025年からキャリアエンドまでに約18WARが見込まれ、キャリアエンドまでに約14WARを見込まれるAaron Nolaと比べ3割増しの数字。
Nolaの契約総額$172Mを1.3倍すると$224M。そして、1年のズレを考量して標準的な4%の年増加率を掛け合わせると$233M。
よって、$250M弱がリーズナブルなナンバーとなるのでは。
この規模感なら7年×35Mや8年×30Mの方が可能性は高いのかもしれませんけど。
ただ、伝家の宝刀カッターを始めとする各球種の球速低下とそれに伴うWhiff%等の下落、過去2年間の急激なK%-BB%の悪化や幸運?(BABIPのダウンスイング)を考慮すると、過去4年間と同様に来シーズンもCYA争いへ加わることができるかは…。
コメント
なんか微妙なメンツですね。先発デプスが薄いNYYは、今年の補強をミスると来年にも響きそうですね。
どうせ”第2のKei Igawa”を生み出すミスを犯しますよ。
バーンズってボラスに変えてませんでした?
バーンズってボラスに変わってませんでした?
バーンズってボラスに変わりませんでした?
お望みの通り修正しました。