3年前、Sporting News誌が1942年に行った”Greatest Player of All Time(GOAT
)”投票を取り上げましたが、今回はその続編として同様の投票について記します。
今回取り上げるのは、1931年シーズン前半戦中にペンシルバニアのPublic Ledger紙が計12名の監督、コーチに行ったGOAT投票。(全投票者のリストは記事最下部を参照)
102名を対象に行ったSporting Newsのものと比べると規模は大きく劣りますが、Old Baseballファンとしては何点か注目値するトピックがあります。
投票ルールとしては、各人が現役及びOBプレーヤーから”Baseball’s Greatest Player”を1位から5位まで選出し、1位=5点 ⇒ 5位=1点のボルダ式得点法により総合得点を比較する形式。
そして、その投票結果が下記の通りとなります。
投票結果
Name | 1st | 2nd | 3rd | 4th | 5th | Total |
Ty Cobb | 7 | 5 | 55 | |||
Honus Wagner | 3 | 4 | 1 | 2 | 38 | |
Babe Ruth | 2 | 1 | 1 | 2 | 17 | |
Nap Lajoie | 1 | 2 | 1 | 1 | 13 | |
Eddie Collins | 1 | 1 | 2 | 1 | 12 | |
Willie Keeler | 1 | 1 | 7 | |||
Al Simmons | 3 | 6 | ||||
Tris Speaker | 1 | 1 | 4 | |||
Joe Jackson | 1 | 3 | ||||
George Sisler | 1 | 3 | ||||
Chuck Klein | 1 | 3 | ||||
Rogers Hornsby | 2 | 2 | ||||
Freddy Parent | 1 | 2 | ||||
Bob Ferguson | 1 | 1 | ||||
Hal Chase | 1 | 1 | ||||
Bill Terry | 1 | 1 |
Sporting News投票でも過半数超を集めたTy Cobbが全投票者から1位or2位票を獲得し断トツのトップに。1928年の現役引退から数年でGOATの地位を確固たるものにしていたことが分かります。
さらに、Sporting News投票と同じく1世代前が全盛期のHonus Wagnerが2位にランクイン。票を投じなかった2名はAL所属選手に拘ったConnie Mack、Wagnerの引退後にMLB入りしたBucky Harris。
そして、5年連続でHRタイトルを獲得するなど現役バリバリだったBabe Ruth(当時36歳)が現役プレーヤーの最上位に。
Sporting News投票でも同じく3位であり、この時点で既にWWⅡ直後まで続くCobb⇒ Wagner⇒Ruthの序列が完成していた模様。
ちなみに、身内のNYY監督Joe McCarthyは1位票を投じたものの、同じく身内のNYYコーチJimmy Burkeは5位までに含めず。
そのBabe Ruthへ肉薄する形で、ALの1910年代および1920年代No.1セカンドが4・5位にランクイン。対照的に、今では当代No.1セカンドと考えられているRogers Hornsbyは5位票のみ。
また、他にも6位以下で触れたい点はいくつもありますが、最も注目すべき点はピッチャーについて。
本投票では、決して野手から選ぶことを強要していないはずですが、ピッチャーが1人も選ばれていません。
もちろんWalter Johnsonを除き投票者全員が野手出身の監督/コーチであったことも影響したとはいえ、当時の球界におけるピッチャー軽視の傾向がよく分かるかと思います。
Sporting News投票では辛うじてWalter JohnsonとChristy Mathewsonがそれぞれ1票獲得していますが…。
投票者リスト
Name | Profile |
John Mcgraw | NYG監督 |
Wilbert Robinson | BRO監督 |
Walter Johnson | WSH監督 |
Connie Mack | PHA監督 |
Kid Gleason | PHAコーチ |
Bill McKechnie | BSN監督 |
Joe McCarthy | NYY監督 |
Jimmy Burke | NYYコーチ |
Gabby Street | STL監督 |
Dan Howley | CIN監督 |
Bucky Harris | DET監督 |
Burt Shotton | PHI監督 |