ヤンキースとアーロン・ジャッジの契約延長交渉が決裂!

2022年シーズン中にサービスタイム6年に到達しシーズン終了後FAとなるアーロン・ジャッジ

当然ながら今オフはヤンキースとジャッジの間で契約延長交渉が進められており、球団史に残るスーパースターの長期残留は既定路線かと考えられていました。

しかし、”兼ねてからデレク・ジーターロビンソン・カノーなど人気選手との交渉で手を抜かないヤンキース”、”選手会寄りの立場であるためディスカウントを受け入れる気のないジャッジ”との間で交渉は難航。(更には、2022年シーズンの契約においてもヤンキースの提示額が1700万ドル、ジャッジの要求額が2100万ドルと大きな隔たりがあり、契約延長に至らなければ年俸調停に突入する可能性が大。)

ジャッジ本人が「シーズン開幕後に契約延長交渉を行わない」と明言していることから、シーズン開幕が実質的な交渉のデッドラインと目されていましたが、開幕戦開始2時間前に交渉決裂との報道が流れています。

ヤンキースの提示条件
 8年 : 2億3050万ドル(年平均2880万ドル)
 ・2022年:年俸1700万ドル
 ・2023~29年:年俸3050万ドル

V S

アーロン・ジャッジの要求条件
 9~10年 : 3億2400万~6000万ドル(年平均3600万ドル)

報道によるとヤンキースは”先述の2022年シーズン提示年俸1700万ドル”+”2023~2029年の7年間で2億1350万ドル(年平均3050万ドル)”=”総計8年2億3050万ドル(年平均2880万ドル)”を提示。

反対にジャッジ側は年平均3600万ドルの9~10年契約というゲリット・コール級の超大型契約を要求していたとのこと。

結論から言うとヤンキースの提示条件の方が適正だったと私は思いますが、ここでFanGraphsの成績予測システムZiPSの値を参考として、素人ながらに私が算出したアーロン・ジャッジの今シーズン以降の予測fWAR値を以下に記します。

アーロン・ジャッジの長期予測fWAR

年数 シーズン 年齢 予測fWAR
1年目 2022 30 5.5
2年目 2023 31 4.8
3年目 2024 32 4.2
4年目 2025 33 3.2
5年目 2026 34 2.3
6年目 2027 35 1.4
7年目 2028 36 0.7
8年目 2029 37 0.1
ヤンキース提示の8年間(2022~29)の合計 22.2
うち2~8年目(2023~29)の合計 16.7
9年目 2030 38 0.0

4月26日に30歳の誕生日を迎える今シーズンはMLB全体7位かつ昨シーズンと同等のfWAR5.5が見込まれていますが、来シーズン以降は緩やかに数字を落とし続け、2029~2030年頃にリプレイスメントレベルとなる見込み。

FA市場において主力級の選手は1WAR=800~950万ドル程度と見積もられていますが、今後のインフレも考慮して1WAR=950万ドルとすると、ヤンキースが年俸3050万ドル・計2億1350万ドルを提示した2023~2029年の7年間の適正金額は16.7WAR×950万=1億5870万ドル

Arb年俸となる今シーズンを含めても22.2WAR×950万=2億1100万ドルとなります。

もちろんスター性や人気、リーダーシップを兼ね備えたジャッジの場合は成績以外の副次的価値も含めて評価すべきですが、それらを考量しても成績予測の観点からはヤンキースの提示条件は適正に近いものだったと考えられます。

※野球の歴史上長期間に渡りプレーした身長2m超の野手はジャッジただ1人。一般的に高身長の野手は足腰等への負担が大きく選手寿命が短いと考えられていますが、彼のような選手のサンプルは非常に少なく、通常の手法による成績予測で評価するのはそもそも間違いかもしれません。

MLBにおける総額1億ドル以上の全大型契約の一覧表を作成していたのですが、Twitter上では公表していたにもかかわらず記事にするのを忘れて...

ただ、FA直前の大型エクステンションや大型FA契約は成績予測上の費用対効果を無視した過剰な契約を与えるのが通例で、当然ながらジャッジが今シーズンに成績予測通りの数字を残してFAとなった場合に1億6000万ドル程度で残留させられる訳がありませんよね。

とは言っても、意外なことにFA時の年齢と成績(WAR)がジャッジと似通っていた選手はマーカス・セミエン(7年1億7500万ドル)とジョージ・スプリンガー(6年1億5000万ドル)の2人。

成績予測通り今シーズン級の成績を残しFAとなったジャッジ(31歳間近)がこの2人と同等の契約になるとは到底思えませんが、(新CBAによりFA補償が変更されたことも考量すると)7~8年×年平均3000万ドル=総計2億1000万~4000万程度のFA契約が現実的ではないでしょうか。

偶然か必然かヤンキースの提示条件とほぼ同じ数字となりましたよ。

※それ以上だと3シーズン連続でMVP級の成績を残し29歳でFAとなったアンソニー・レンドン(7年2億4500万ドル)を超えることになるので流石にね・・・。

また、費用対効果を無視した過剰な条件の大型契約が結ばれるのは、ごく一部の常勝球団以外が契約後期の再建期も踏まえた上で短期的な勝負を賭けるためであり、そもそもヤンキースのように毎シーズン優勝が求められるようなチームが結ぶべきではありません。


まとめ

ここまで長々と書きましたが何にせよヤンキースのオファーは至って適正、反対にジャッジの要求条件はあまりにも法外な内容かと。

両者が最終的な妥協点を何処に設定していたのか、それとも両者ともに妥協点など無く歩み寄る気はもかったのか、そもそも報道の両者の提示条件が本当に正しいのか、オプトアウト権やオプションは含まれていなかったのか今現時点では分かりかねますが、ヤンキースが適正な条件を提示したにも拘らずジャッジ側が法外な要求を行い交渉決裂に至ったわけですから、””チームのファン””としては仕方が無いと考えるのが自然。

いつものことながらキャッシュマンが炎上しているのですが、今回に関してフロント側を叩くのは流石に無理がありますね。

エルズベリーやスタントンに大金叩いたお馬鹿球団が今さらジャッジ相手にケチるなって意見も一理あるけど・・・。


アーロン・ジャッジの契約延長の適正価格は...

MLB歴代大型契約ランキング

選手名チーム年数 総額
(ドル)
年平均額
(ドル)
開始年度年齢
マイク・トラウトエンゼルス124億2650万3550万201927
ムーキー・ベッツドジャース123億6500万3040万202128
フランシスコ・リンドーアメッツ103億4100万3410万202228
フェルナンド・タティス Jr.パドレス143億4000万2430万202122
ブライス・ハーパーフィリーズ133億3000万2540万201926
ジャンカルロ・スタントンマーリンズ133億2500万2500万201524
コーリー・シーガーレンジャース103億2500万3250万202227
ゲリット・コールヤンキース93億2400万3600万202029
マニー・マチャドパドレス103億3000万201926
ミゲル・カブレラタイガース102億9200万2920万201428
アレックス・ロドリゲスヤンキース102億7500万2750万200831
ノーラン・アレナドロッキーズ82億6000万3250万201927
アレックス・ロドリゲスレンジャース102億5200万2540万200125
ジョーイ・ボットレッズ122億5150万2100万201228
アンソニー・レンドンエンゼルス72億4500万3500万2020
スティーブン・ストラスバーグナショナルズ72億4500万3500万202031
アルバート・プホルスエンゼルス102億4000万2400万201232
ロビンソン・カノーマリナーズ102億4000万2400万201231
デビッド・プライスレッドソックス72億1700万3100万201630
クレイトン・カーショウドジャース72億1000万3000万201426

コメント

  1. より:

    これなら今のうちに成績ボロボロのギャロにある程度ディスカウントな契約延長するのもありなんですかね。活躍するかは微妙ですけど

    • 管理人 より:

      マイナーにロクな外野手プロスペクトがいない中でジャッジとギャロ同時流出は非常にマズいので、今のうちにギャロの方を囲っておくのは全然アリだと思いますね。
      ただ、ギャロの代理人はボラスであるためリーズナブルな契約は期待できません。

      • より:

        ギャロはボラスなんですね、、。
        ブログ主さんは今後誰にエクステンションを与えていくべきだと思いますか?
        わたしはスタントンを抱えている時点で、ライトに固定するしかないジャッジを残留させるのはリスキーなのかなと思ってしまいます、、。

        • 管理人 より:

          アクティブロースター上でギャロ以外にエクステンションを行うべきような選手はいないかと思います。
          ただ、ハイフロアーなアンソニー・ボルピは早い段階で囲い込んでおくべきだと思いますね。