チャップマンが新球スプリッターを習得

なんか突然アロルディス・チャップマンスプリッターを投げ始めたので簡単に取り上げておきます。

チャップマンが新球スプリッターを初めて投げたのは9月24日(日本時間では25日)のブルージェイズ戦。右打者のアレハンドロ・カークとジョナサン・ビヤー(正確には両打)を2ストライクに追い込んだ際の決め球として使用しましたが、結果として2人とも下の動画の通り空振りの三振。

そして、9月25日(日本時間では今日26日)のマーリンズ戦でもまたもや右打者のチャド・ウォーラック相手に2ストライクから投げ空振り三振を奪いました。

まだ3球しか投げていないため参考にしかなりませんが、平均91.1マイルはジュリウス・ファミリア(平均90.9マイル)やダルビッシュ(平均89.5マイル)を抑えMLB最速。また、スピンレイト838rpmはブレイク・パーカー(平均943rpm)やホーマー・ベイリー(平均966rpm)を抑えMLB最低の数字。

つまり、チャップマンはMLBで最も速く回転数の少ないスプリッターを習得したということになります。

もちろん”回転数が少ない=変化が優れている”わけではありませんが、他にピッチャーの平均スピンレイトが1000rpmを下回るようなスプリッターの全てが平均70マイル台~80マイル台中盤で、Statcast導入以降においてこれほどのスピードがある上に回転数の抑えられたスプリッターは前代未聞。というわけで、最早これはチャップマンだけが持つ特殊能力と言っても過言ではないでしょう。

チャップマンがこのスプリッターを本当に習得したのが何時のことかはまだ分かりませんが、まだまだ向上の余地があるのは確か。今後のシーズンオフや春季キャンプにおいて回転方向等に修正を加えれば、フォーシームとスライダーに次ぐ新たなプラスピッチとなる可能性も感じさせますね。こうなってくると最先端のアナリティクスに長けたマット・ブレイクがヤンキースの投手コーチを務めていることも心強い。

日付
(現地時間)
球速
(マイル)

スピンレイト
(RPM)

9/24 91.0 703
9/24 91.4 838
9/25 90.9 936
平均 91.1 826

ちなみに、チャップマンもかつては投球割合の5%程度を高速チェンジアップが占めていましたが、2018年からほとんど投げるのを止めフォーシームとスライダーの2ピッチ投手に。

もちろんフォーシームとスライダーの組み合わせ対左打者に有効なものの対右打者には不向きなわけですが、今シーズンは対左打者15人と対戦し被安打は単打1本だけだったものの対右打者には30人で5安打・2本塁打を喫していました。

つまりチャップマンの今シーズンの成績下落は対右打者が原因だったわけで、24日&25日の連投においてスプリッターを用いて右打者から3つの空振り三振を奪ったように新球が対右打者に機能し続ければ、ポストシーズンでも例年の活躍を期待できるかもしれませんね。

↓水色がスプリッター(左が24日、右が25日)