ディロン・テイト:ヤンキース・プロスペクト

 
ディロン・テイト
 
 
23歳/188㎝・89㎏/右投先発/AA
2015年ドラフト1巡目(レンジャーズ、全体4位)
MLB.comプロスペクトランキングチーム内・13位
 
速球      :  60/65 (94~97マイル・最速98~100マイル)
スライダー   :  50/60 (85~87マイル)
チャンジアップ :  45/50 (84~85マイル)
コマンド    :  35/40
総合      :  35/45
 

 
 2015年ドラフト投手最高順位の全体4位でレンジャースに入団、2016年トレードデッドラインでカルロス・ベルトランの交換要員としてヤンキースに入団しました。
 
 

 
 大学時代は最速100マイルの速球とプラスピッチのスライダーを武器に活躍しましたが、2016年シーズン開幕直前にふくらはぎを故障。復帰後は、そのふくらはぎの故障の影響+更なる故障を恐れたレンジャース育成陣がダイナミックな彼のフォームを強制的に変えさせようとしたことを要因として絶不調に陥り、速球は80マイル後半~90マイル前半まで落ち込み大きく評価を落としました。(本人は投球フォーム変更の強要に不満を持っていたようです)
 その状態のままヤンキースにトレードされますが、ヤンキースの育成陣、特にチャールストン(シングルA)の投手コーチであるグレッグ・ポープがテイト本人の判断で好きな投球フォームで投げることを勧めたおかげで球速が順調に復活し、今シーズンには90マイル後半をコンスタントに計測しています。
 
 

 
 
 スリークォーターから90マイル中盤を計測するツーシームは、球速だけでなく変化に富み利き腕方向に理想的な変化を見せます。このツーシームのおかげでゴロ率は50%を軽く上回り、被本塁打も平均以下。また、この球速を試合後半まで維持できるスタミナも魅力。
 スライダーは大学時代から評価が高く、スラーブのように大きく曲がるのではなく横に鋭く変化しスラッターのような変化を見せるプラスピッチ。左打者に多投し空振りを獲れるチェンジアップは大学時代より向上し平均レベルです。
 
 問題はコマンドの悪さ。速球・変化球どちらでも制球に苦労し、素晴らしいツーシームでゴロを打たせて取ることが出来る割にカウントが悪くなり球数が多め。奪三振が少ないのもこのことが1つの要因でしょう。
 更なる課題として怪我の多さも挙げられます。先ほど述べたふくらはぎの怪我だけでなく、今年は開幕前に肩を故障し復帰は6月20日、アリゾナフォールリーグにも参加予定でしたが、また怪我をしてしまったのか参加が取りやめになっています。
 
 
 復調後は各プロスペクトランキングチーム内Top10復帰も狙えるピッチングを見せ、MLBでも先発投手としては厳しいもののリリーフとして期待できるかもしれません。これ以上の大きな怪我さえなければの話ですけどね。