2022年ヤンキースの総括と雑感:9&10月編

ニューヨーク・ヤンキースの2022年シーズン8月の総括と雑感

レッドソックス4連戦スイープを含む7連勝を達成するなど、ここに来て良くも悪くも勝利を重ね月間20勝11敗。

どうせなら地区優勝逸すりゃ面白かったのにね。



野手

アーロン・ジャッジのレコードチェイス狂騒に湧いたシーズン最終版ですが、その陰に隠れオズワルド兄弟や8月に大スランプに陥っていたグレイバー・トーレスなどが奮闘し、意外にもMLBトップクラスの野手成績を記録。

さらにはアンドゥハーがピッツバーグのボロ船に叩き込まれ、ベイダー復帰によってフロリアルが御役御免になるなどネガティブな愉快度も👍👍

※9月のヤンキース野手陣の成績はコチラ

指標名 9~10月中の合計 MLB全体順位
シーズン合計
野手fWAR 7.7 2位
35.1 2位
平均得点 5.00 3位
4.98 2位
OPS .760 4位
.751 4位
wRC+ 118 3位
115 4位
xwOBA .330 6位
.322 3位

ケガ人ども

マット・カーペンター

ALDSに戦線復帰が決定。

ただ、若干無理やり気味なタイムテーブルでの復帰であり、内外野の守備を務められる状態なのかは不明で、最悪の場合は対右のDHプラトーン起用に収まりそう。

アンドリュー・ベニンテンディ

9月3日、ただのスイング如きで右手有鉤骨にひびが入り長期離脱へ。

9月末にトレーニングを再開していますが、実戦復帰が可能となるのは早くともALCSとのことで、ヤンキースはALDSで破れ去るはずですから実質シーズン終了。

グレイバー・トーレス

8月の大スランプを乗り越え9月に月間OPS.960を叩き出していましたが、感染症(インフルエンザ等)のような症状によりラスト5試合を欠場。取り敢えずコロナ検査では陰性だったようで、結局のところハッキリとした病名は発表されず。

もちろんALDS初戦から復帰予定。

アーロン・ジャッジ

大谷にMVPを獲らせまいとするレイシスト集団MLBによる忖度配球によってブーストがかかり、カラーバリア廃止後において上位第6位となる9・10月間sOPS+274を記録。

よくよく考えればジャッジのホームラン記録更新も大谷御大が人種差別を受けて下さったおかげな訳で、ヤンカスとしては彼に心の底から感謝しなければいけませんね。

大谷と人種差別バンザイ🙌🙌🙌

(sOPS+の意味は自分で調べろ。)

Results Table
Rk Player Year G sOPS+ GS PA H HR BB SO BA OBP SLG OPS
1 Barry Bonds 2001 27 341 25 117 31 16 38 11 .403 .607 1.078 1.685
2 Carl Yastrzemski 1967 27 294 27 113 40 9 16 15 .417 .504 .760 1.265
3 Barry Bonds 1992 31 291 31 136 40 11 33 15 .392 .537 .833 1.370
4 Richard Hidalgo 2000 29 283 29 124 51 11 11 10 .477 .532 .953 1.486
5 Bobby Thomson 1951 28 282 28 117 44 9 13 8 .440 .509 .840 1.349
6 Aaron Judge 2022 30 274 30 136 38 11 33 33 .380 .533 .790 1.323
7 Barry Bonds 2004 28 272 27 118 22 7 47 12 .333 .619 .773 1.391
8 Ralph Kiner 1949 29 269 29 129 33 16 29 12 .330 .481 .870 1.351
9 Billy Williams 1965 27 264 27 111 37 9 14 13 .381 .460 .722 1.181
10 Ralph Kiner 1947 25 261 25 112 31 12 23 12 .348 .482 .820 1.302

カイル・ヒガシオカ

開幕から凡フライ連発による打撃低迷に苦しんでいたヒガシオカですが、シーズン途中からの打撃フォーム改造が功を奏したのか、ライナー性の高xwOBAな打球が増え華麗に復活。

特に9・10月はwRC+153、xwOBA.371とクリーンナップ級の数字を記録しており、正捕手のトレビーノは反対にwRC+28、xwOBA.281と小便成績。

正直なところフレーミング能力などを加味しても現時点の調子ではヒガシオカ>トレビーノであり、ALDSのスタメンがPS経験すら無いトレビーノで正解だとは思えません。

オズワルド・カブレラ

9月9日終了時点ではOPS.478と打撃適応に苦しみ”守備の人”と目されていましたが、その頃から上半身の捻りと左足の踏み込みがより大きな打撃フォームを採用しバッティング開花。

それ以降は最終戦まで全試合出場を果たし、23試合で6本塁打・OPS.984・fWAR1.6と最高のシーズンフィニッシュ。

もちろん同期間中はBABIP.367、wOBA-xwOBA=.0085(.420-.335)とバビっていたのも確かですが、マイナー時代から課題であったボール球スイング率&コンタクト率などアプローチ面は着実に改善の一途を辿っており、タイラー・ウェイドの上位互換として来シーズン以降も楽しませてくれそう。

オズワルド・ペラザ

オズワルド・カブレラと同様にシーズン中盤からAAAパフォーマンスが向上し、ロースター枠拡大に伴い9月2日にMLB昇格を果たすと、シーズン最終盤の消化試合にて活躍(OPS.832、wRC+145、xwOBA.343

フリースウィンガーですがアプローチ系指標は何故かAAA時代から大幅に良化しており、15.8K%・10.5%は非常に印象的でした。

ただ、消化試合での打席が多く、さらにまだ対戦相手から恐れられていないためか、ゾーン内外角一辺倒の雑な配球を受けていたことも事実。実際にヒットのほとんどはプレートの外角側半分へのピッチを打ち返したものであり、来シーズンは内角球や外角のチェイスピッチやなどタフなピッチへの対応に苦労するかもしれません。

全投球コース 安打コース
全投球コース

ジャンカルロ・スタントン

9・10月間の三振率40.8%、コンタクト率58.8%は共にMLB全体ワースト2位(ワーストはデルミス・ガルシア)の数字であり、逆転満塁Walk-Off以外の6本塁打も消化試合やローレバレッジな場面での1打ばかり。

シーズン全体でもrWAR0.8・fWAR1.2を残すなど早くもレギュラープレーヤーとしてフリンジの存在に落ちぶれており、とうとう来シーズンはリプレイスメントレベルの成績を覚悟することになりそう。

唯一の救いはシフト禁止か...


投手

補強を加えたはずのリリーフ陣は瓦解が止まらず、シーズン最終盤にはザック・ブリットンミゲル・カストロなどお呼びでない連中がヘイトを集めましたが、ネスター・コルテズルイス・セベリーノの好調やジェイムソン・タイロンの復活など先発ローテ陣など少なからずポジ要素も。

まあ何にせよ、ポストシーズンを勝ち進めるような状態ではありません。

※9月のヤンキース野手陣の成績はコチラ

指標名 9~10月中の合計 MLB全体順位
シーズン合計
投手fWAR 3.9 10位
19.6 7位
防御率 3.29 6位
3.30 3位
FIP 3.53 7位
3.56 6位
xwOBA .298 15位
.290 3位

ケガ人ども

フランキー・モンタス

クソみたいなピッチングを続けた挙句、肩の炎症によりIL入り。

戦列復帰は早くともALCS(現実的にはWS中)なので、ベニンテンディと同じく実質的にシーズン終了。

もう2度とオークランド産のソニータイマー付き不良品を購入するのは止めましょうね。

ワンディ・ペラルタ

背中の張りにより9月19日付でIL入りしたものの、すでに投球練習を再開しALDS初戦から復帰予定。

ロン・マリナチオ

右脛骨のストレス反応により10月3日付でIL入りとなり、戦列復帰は早くともALCS(つまりシーズン終了)。

クレイ・ホームズ

右肩の張りによりシーズンラスト9試合を欠場しましたが、最終日翌日から投球練習を再開。ALDSに復帰予定なものの、大した戦力にはならないでしょうな。

ザック・ブリットン

もう引退すれば?

グレッグ・ワイサート

当ブログ推しのお気に入りプロスペクトですが、8月最終週にMLBに果たすとジェットコースターのようなピッチングを続けハイヴァリアンスな成績に。

トラッキング系指標は優れていたのですが、フェンス際まで持って行かれた大飛球も多く、AAAと同等のコマンドをMLBでも発揮できなければ、今後は一発病に苦しむこととなるでしょうね。

チェンジアップのムーブメントが思いのほか大きかった点は個人的にポジ要素。

イニング ERA FIP xERA xwOBAcon
11.1 5.56 4.17 2.87 .261

ゲリット・コール

ポストシーズンへ向けて調子を上げてほしかったところですが、6度の先発登板で10本柵越えを叩き込まれリーグ最多被本塁打投手の不名誉タイトルを獲得。

もうすでに不良債権へ片足を突っ込んでいますし、今年もポストシーズン本番ではクソを漏らすことでしょう。

ネスター・コルテズ

シーズン後半戦からスライダーに改良を加えるとともに、メインピッチをそれまで十分に機能していたカットボールからフォーシームへ大胆にも変更するなど抜本的なピッチング改造を行い、ノーヒッター未遂を連発するエースピッチャーに復活。

なお、残念ながらALDS初戦はコールが先発の模様。

ルイス・セベリーノ

故障者リストから復活すると別人のような球威を発揮し、コルテズと同様にノーヒッター未遂の好投も。

復帰前はヤンキースも来シーズンの1年1500万ドルチームオプションを行使するか微妙なラインに立たされていたかと思いますが、この復活ぶりを見せつけられればね・・・・。

コメント

  1. バラクオバマ より:

    ヤンキースのライアンウェバーの放出の理由がわかりません、防御率も敗戦処理とはいえ0.84を記録していますし、プレーオフに必要な戦力だったように思えます。主様はフロントの意図をどのようにお考えでしょうか?

    • 管理人 より:

      自責点に9を掛けてイニング数で割っただけの数字ではなくトラッキングデータを確認してみて下さい。あやつは地雷ですよ。