アレックス・ベルドゥーゴを獲得……


2023-24年オフにおけるヤンキースの補強予想(というより願望)を記します。

大谷やら山本の始動がトロこいことで、スロースタート気味の今オフシーズン。

SDPとNYY or 他チームのトレード交渉もスグに纏まるような案件ではなく、数年に一度の退屈なウインター・ミーティングが訪れる予感。

そんな停滞市場の中でトレード依存症を抑えられず、滅茶苦茶なムーブを推し進めるSEAを鼻で笑っていたのですが…、贔屓球団のフロントも大概でした。

2023年TDLにてグレイバー・トーレスアレックス・ベルドゥーゴのブロックバスター・トレードを画策していたNYYとBOSの痴呆ライバルコンビですが、開催中のウインター・ミーティングにてトーレスではなくプロスペクトとベルドゥーゴの交換という形でトレードを締結。

ヤンキース 🔁 レッドソックス
 アレックス・ベルドゥーゴ  グレッグ・ワイサート
   リチャード・フィッツ
   ニコラス・ジュディス

NYYが差し出したパッケージはAAAAリリーバーのグレッグ・ワイサートに加えリチャード・フィッツ(40 FV)、ニコラス・ジュディス(35 FV)のプロスペクト2人。

3人の中で40人ロースター上の選手はワイサートのみであるため、双方の40人ロースター数に変更は生じません。

年度 Rbat+ xwOBA rWAR fWAR
2021 103 .340 2.3 1.9
2022 101 .329 1.1 1.2
2023 98 .330 2.6 2.0

過去3年間は60パーセンタイル前後のxwOBAを残すも、スプレーヒッティングがフェンウェイと相性悪いのか、それともベースランニングに問題があるのかRbat+やwRC+は並みの数字。

RF/LFの守備成績も平均レベルのため、3年連続で600 PAをクリアするもWARは50パーセンタイル前後の数字に終わっています。

MarcelとSteamerを組みわせた当ブログの2024年シーズン予測WARは1.7となっており、NYY野手陣ではアンソニー・リゾー以上、DJ・ラメイヒュー未満の5番手。(ZiPSでは、よりオプティミスティックな2.2 WAR予測。)

正しく平均的なレギュラープレーヤーといったところ。

ただ、2023年シーズン後半戦にスランプへ陥ったとはいえ、良くも悪くも確実性が高く、成績の”期待値”はそれ以上かもしれません。

また、どいつもこいつも馬鹿の一つ覚えのにように唱えるLHBとヤンキー・スタジアム相性について触れる気はありません。気になるなら勝手にSavantのチャートでも眺めてろ。


サービスタイムが5年強のため1年後にFA予定であり、2024年シーズン年俸は$9.2Mの見込み。

来シーズン年俸と予測成績を組み合わせ、ベルドゥーゴのトレードバリューを金額に換算すると$8~9M程度。

NYYが差し出したパッケージの目玉であるリチャード・フィッツは、40 FVアッパークラスの投手プロスペクトであるため$1~3M程度。

ニコラス・ジュディスグレッグ・ワイサートは高く見積もっても合わせて数百万ドルかな。

互いのトレードピースを天秤に掛けると、NYYが$1~3Mの利を得た計算になりますが、レギュラークラスが動くトレードでその程度の金額差は誤差の範囲内です。机上の空論かもしれないですけど。

POS 選手名
1B アンソニー・リゾー
2B グレイバー・トーレス
3B DJ・ラメイヒュー
SS アンソニー・ボルピー
LF アレックス・ベルドゥーゴ
CF エバーソン・ペレイラ
RF アーロン・ジャッジ
DH ジャンカルロ・スタントン
控え選手
C カイル・ヒガシオカ
C オースティン・ウェルズ
IF オズワルド・ペラザ
UT オズワルド・カブレラ
OF ジェイソン・ドミンゲス
OF エステバン・フロリアル

ベルドゥーゴの本職はコーナーOFですが、NYYにとってはジェイソン・ドミンゲス復帰までジャッジとCFで併用するオプションもあるわけで、起用方法はソトベリンジャーなど他外野手の補強結果にも左右されるはず。

SDPとのトレード交渉の停滞、他外野手の補強の不確実性をカバーするため、先手を打ったつもりなのでしょう。

実際に今回のトレード後も引き続きSDPとトレード交渉を続ける模様です。

ただ、10M未満の年俸や1年の保有期間など利点があるとはいえ、所詮は置きに行ったチキンムーブ。

82勝80敗・得失点差マイナスに終わったチームが行うべき補強でしょうか?

特にベルドゥーゴへ魅力を感じない私としては苛立ちを感じます。ギャンブルしろよ。

現地メディアが噂しているように、本当にベルドゥーゴをSDPとのトレードピースに用いたら手のひら返しますけど。


アレックス・ベルドゥーゴのトレードは...

放出したプロスペクトについて

リチャード・フィッツ

Richard Fitts:40 FV
1999年12月生(24歳0か月):190cm・104㎏

SP:RHP:AA:2021年ドラフト6巡目
選手ページ:MiLB公式Baseball ReferenceFanGraphs
2023年Mid版ランキング:第19位

FB SL CH CT Cmd
60 45 35 45 50
FB/be FB/vel SL/vel CH/vel CT/vel
98 94 82~84 88~89 86~88

昨年までの詳しいプロファイルは今年の正月の記事に記しているので省略しますが、今シーズンはAAでフルシーズンプレー。

2022年シーズンは乱高下を繰り返していたフォーシームの球速が平均94マイルで高止まりしたうえに、変化球のコマンドも向上。

AA全体最多の27 GS・152.2 IPを投げ、ERAやFIPは最上位の数字。もし、AAにWARが存在していれば、投手No.1となっていたのではないでしょうか。

大学時代の度重なる故障によってドラフト順位を大きく下げてしまったプレーヤーですが、スぺ体質への懸念は払拭されたと考えていいかも。

正月の記事で「40FV、50thパーセンタイルの将来形がブルペンのロウワーパート、90thパーセンタイルが先発5番手のプロスペクト」と記していますが、今ならほんの少し高い評価を与えるかと思います。

2022年シーズン後半戦に躍進した2021年ドラフト6巡目指名先発右腕リチャード・フィッツ(Richard Fitts)について

ニコラス・ジュディス

Nicholas Judice:35 FV
2001年4月生(22歳8か月):203cm・104kg
RP:RHP:ー:2023年ドラフト8巡目(全体252位)
選手ページ:MiLB公式Baseball ReferenceFanGraphs
2023年Mid版ランキング:第42位

FB SL CB CH Cmd
55 45 35 40
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
100 92~93 84~85 82~83

今年のドラフトで入団したばかりの巨漢リリーバー。

8巡目指名でしたが、ドラフト前は5巡目程度の評価を受けていたプロスペクトで、アップサイドが魅力的な存在。

ライディングアクションに優れるフォーシームは、最速100マイルを計測するもアベレージはが安定せず。

成績を見る限りコントロールも分散が相当大きいようです。

NYY傘下では未登板なので、詳しいプロファイルは不明。