グレイバー・トーレス
20歳/185㎝・79㎏/右投右打/ベネズエラ
/ショート(サード、セカンド)/AAA
2011年国際FA(カブス・契約金170万ドル)
BAプロスペクトランキング2017年夏版・3位
MLB.comプロスペクトランキング・1位
Fangraphsプロスペクトランキング2017年夏版・6位
Keith Low’sプロスペクトランキング2017年夏版・2位
MLB.comプロスペクトランキングチーム内・1位
ヒッティング : 50/70
パワー : 40/55
ラン : 50/45
アーム : 60/65
フィールディング : 45/50
総合 : 45/65
多くの媒体・有識者にマイナー全体でもトップクラスの評価を受けているヤンキースNo.1のプロスペクト。ショートということもありジーターとも比較されています。
ベネズエラ出身で2013年(16歳)にアマチュアFAでカブスと契約し、2014年にプロデビューして早速好成績を残すと、2015年には若干18歳でA+まで昇格し、多くのプロスペクトランキングでTop50にランクインしました。2016年シーズンはA+で活躍を見せていましたが、アロルディス・チャップマンとのトレードでビリー・マッキニーなどと共にヤンキースに移籍。シーズン終了後にアリゾナフォールリーグに参加すると、史上最年少(19歳)でMVPに輝き一躍マイナー全体で最高クラスのプロスペクトとなっています。
2017年シーズンはAAスタートでしたが好成績を残し(怠慢プレーでベンチに下げられることもありましたが)たった6週間でAAAに昇格、そのAAAでもwRC+145を記録しシーズン途中でのMLBデビューも期待されましたが、6月17日の試合でヘッドスライディングの際に左ひじを痛め、結果的にトミージョン手術を受けることになりました。
一番の武器は年齢以上の完成度を誇るバッティング。大きなレッグキック、豪快なスイング、マイナーでトップクラスとも言われるハンドスピードのおかげでプラス~プラス-プラスのバットスピードを誇るだけでなく、体幹とバランスが優れており選球眼も平均以上のために豪快なスウィングのわりにコンタクトも優れています。インサイドアウト・スイング気味でフィールドのあらゆる方向に打球を打ち分け、厳しいコースの球も無理やり外野前へのポテンヒットにする技術も兼ね備えており、MLBでも安定して高出塁率を記録できる打者になれるはず。ただ速球と球速差のある変化球への対応に苦労することが多く、また少しダウンスイング気味なのでボールの上半分を軽打してしまうこともしばしば。
本質的にはギャップヒッター~中距離打者でしたが長打力は体格の成長に連れて向上しており、ダウンスウィング気味なものの今シーズンはゴロが減りフライが増加して将来的にはMLBでシーズン20本塁打を記録できるレベルまで成長できると言われています。ただ現在のレベルはまだ平均以下です。
↓ベースボールアメリカのスイング解説
2015年と2016年の2シーズン連続で20盗塁以上を記録しましたが、一塁到達タイムは右打席から4.3秒前後で平均レベル。年齢を重ねるに連れてスピードは落ちると予想されています。
守備に関してですが、今年に入るまではほとんどの試合でショートを守っていましたが、今年からはサードとセカンドでもプレーしています。ショート守備では、フットワークと守備範囲は平均レベルですがグラブ捌きに問題があり、特にバックハンドで捕球する際に捕球ミスが目立つような印象。併殺プレー時の動きも可もなく不可もなくといったところでしょうか。ただ純粋な肩の強さはプラスツールで、深い位置からの送球は印象的。ただコントロールはまだまだで送球したボールが左右の高めに浮いてしまうことが多いように感じられます。
試合を見た感じでは、ショートやセカンドよりもサードで良いプレーを見せており、足の速さと強肩も考えるとMLBではサードで起用するのがベストだと思います。(グレゴリウスがいるんでショートは2020年までいらないですし)
時折見せる怠慢プレーも気になりますが、1番の心配はやはりトミージョン手術。キャッチャー以外の野手がトミージョン手術を受けることは少なく、野手においてプレーにどれほどの影響があるのかは不明な部分が多いので、将来の予想は何とも言えない状況。ただ9月にはすでに練習を再開しており、復帰は2018年スプリングトレーニング中になる模様(野手は投手より早く復帰できるようです)、順調にいけば来シーズン中のMLBデビューは間違いないでしょう。まあ来年もチームは優勝争いをするでしょうし、他にもミゲル・アンドゥハーやタイラー・ウェイドのような内野手有望株もいるんで出場機会がそんなに生まれるのかは微妙ですけど・・・
ポテンシャルの天井は「サードでオールスター出場&クリーンナップを打てる」レベルですが、トミージョン手術の影響がほとんど出ないと仮定した上で、現実的に見れば「肩が強く四球の選べるスターリン・カストロ」のような選手になるでしょう。