2022年1月15日のMLBのインターナショナルFAが契約解禁となり、2020年9月に取り上げた今年度インターナショナル市場No.1プロスペクトのロデリック・アリアス(Roderick Arias)が無事にヤンキースとの契約締結に至りました。
今年度のインターナショナルFAにおいてヤンキースの保有するボーナスプールは517万9700ドルですが、アリアスの契約金は350万ドルと報じられており、兼ねてから各メディアが予想していた契約予想額400万ドルを下回っています。各メディアが報じていた通り400万ドル。
本来なら2021年7月に設定されていた契約解禁日がコロナにより今年の1月まで延期となり、次期CBA(労使協定)にてインターナショナルFA制度の廃止と同制度の代替システムとなる国際ドラフトの導入が確実視されていた中で、アリアスが無事にヤンキース入りを果たし一安心。
また、ジェイソン・ドミンゲスにボーナスプールのほとんどを叩いた2019年度と同様に今年度はアリアス以外のトッププロスペクトとの契約が厳しそうでしたが、アリアスの契約金が350万ドルと思ったよりもリーズナブルなため更なるプロスペクト獲得が期待できます。イエィ✌
Roderick Arias pic.twitter.com/pAMX6NX5bc
— Fordy Ballgame (@ironhorse0619) March 10, 2021
ロデリック・アリアス
2004年9月4日生:185㎝・82㎏:右投両打:SS
ドミニカの教師夫婦の元に生まれ11歳でヤンキースと繋がりの強いポーリーノ野球アカデミーに入部。数年前からインターナショナルFA2021-22年クラスにおいて頭1つ抜けたプロスペクトと評され、内野手としては2017-18年クラスのワンダー・フランコ以来の逸材で、フランコ以降に彼より高い評価を受けたインターナショナルFAプロスペクトはジェイソン・ドミンゲスのみ。
打撃 | パワー | 走塁 | 送球 | 守備 |
50 | 45 | 60 | 60 | 55 |
左右共にバッティングフォームの完成度が高く、ショーケースを含む実戦でも優れたパフォーマンスを残していたとのことで、ヒットツールの評価は今クラス最高級。
2020年9月の記事の時点では身長175~178㎝と小柄であったためパワー面のポテンシャルを懸念されていましたが、その後は順調に現在の公表身長185㎝まで背丈が伸び、今ではパワーも平均以上の評価に。
実際にインスタグラムで逐一彼のプレーを確認し続けてきましたが、身長の伸びに連れ明らかにスイングの強度が増しています。
60ヤード走において6.5秒、左打席からの一塁到達タイムにおいて4.08秒とプラス~エリートレベルのタイムを計測しており、将来的なビルドアップによる体重増加後も平均以上のスピードをキープできるはず。
そのスピードに加えプラス~ダブルプラスの強肩、平均超のフィールディング・スキルを兼ね備えており、他ポジションへのコンバートの心配がない純粋なショートと目されています。
現在のヤンキース傘下ではアンソニー・ボルピを筆頭にオズワルド・ペラザ、ジェイソン・ドミンゲスの3人がトップ3と目されていますが、個人的にはこの3人に次ぐ第4位のプロスペクトかと。
IntFA 2022-23年クラスにおいてFanGraphsからFelnin Celestinに次ぐ評価を受けているBrandon Mayea(動画2人目)。NYYがリンクしているもののIntFA契約期間の変更によってRoderick Ariasと同クラスになる可能性が。 https://t.co/5hTko9k1a7
— Fordy Ballgame (@ironhorse0619) March 2, 2021
次年度のインターナショナルFA市場においてブランドン・マイエア(Brandon Mayea)、フェルニン・セレステン(Felnin Celestin)、イーサン・サラス(Ethan Salas)の3人が抜けた評価を受けていますが、そのうちブランドン・マイエアは既にヤンキースと事前合意済み。ただ、上述の通り恐らくCBAにて国際ドラフトが導入され、ヤンキースとマイエアの合意は無に帰すことでしょう。
マイエアに関してはFanGraphsのEric Longenhagenや地元紙に加えて、私とは別のジャップのヤンカスが取り上げているのでそちらを参考にしてください。