2019年MLBドラフト注目選手:その3(ビショップ、ブレデイ、ロドロ)


これまでに取り上げたプロスペクト

2019年MLBドラフト注目選手:その1(ラッチマン、ヴォーン、ウィット Jr.)

2019年MLBドラフト注目選手:その2(エイブラムス、グリーン、キャロル)

その1
アドリー・ラッチマン
アンドリュー・ヴォーン
ボビー・ウィットJr.

その2
C.J・エイブラムス
ライリー・グリーン
コービン・キャロル



各サイトの2019年MLBドラフト・プロスペクトランキング



ハンター・ビショップ

Hunter Bishop
21歳:195㎝・98㎏:右投左打:OF:アリゾナ州立大
予想指名順位:3位~10位

各ランキング 順位
ベースボールアメリカ 7
MLB.com 7
Fangraphs 8

今シーズンにマリナーズでMLBデビューを果たした有望株ブレンダン・ビショップの弟であり、今ドラフト・クラスの大学生外野手では次に紹介するJJ・ブレデイと並び最も高い評価を受けている選手。

高校時代から全米トップクラスの外野手として評価され鳴り物入りでアリゾナ州立大に入学。1年目(2017年)からレギュラーとして起用されましたがそこそこの成績に終わり、2年目(2018年)はさらに成績を落とし今シーズン開始時点ではトッププロスペクトと見なされていませんでした。さらにケープコッド・リーグでもダメダメ。

実際に今ドラフトクラスのプロスペクトランキングの発表時期が他メディアよりも早かったMLB.comのランキングではランクイン(50位まで発表済み)していません。 ⇐ 5月に入り更新済み

しかし、今シーズンは開幕から人が変わったように強打を発揮。今シーズンはここまで42試合で打率.369・OPS1.313・18本塁打・11盗塁・37四球(41三振)を記録するなど全米トップクラスの打撃成績を残し、プロスペクトとしての評価も急上昇中。現在は6位~10位レベルの評価を受けていますが、約1か月後のドラフト時には全体5位内の評価を受けている可能性も。

恵まれた体格とコディー・ベリンジャーと比較されるバッティング・フォームからプラスのバットスピードとパワーを誇り、実際に上のツイートのように優秀な打球初速度を計測。角度のある打球を放つことにも長けておりプロレベルでも長距離打者として活躍できるはず。

打席でのアプローチは高校時代から懸念されていたようで、大学入学後の2017年は三振率が25.7%、2018年は三振率が30.3%と最低クラスの数字。当時の動画などを調べてみても見るたびにバッティングフォ-ムが違うので相当な試行錯誤があったもよう。

しかし、今シーズンは現在のフォームがドはまりしたのか別人のようなアプローチを披露しており三振率は19.4%まで低下。持ち前のパワーを発揮できるようになったようです。

ただ、アンドリュー・ヴォーンの章でも述べたようにシーズンが経つにつれてレベルの高い強豪校との対戦が増えてくるわけですが、ビショップは1ヶ月ほど前から本塁打が急減しその代わりに三振が大幅に増加。この4月は16試合で21三振を喫している一方で本塁打は2本、長打は8本だけ。先程は評価急上昇中と書きましたが、残り1ヶ月間の成績次第では評価が反対に下落する可能性も。

大柄ながらもスピードに長けており外野手として広い守備範囲の持ち主。プロレベルでもセンターを守ることが出来ると言われていますが、肩の強さに関しては意見が分かれていてレフトが適任という話も。アリゾナ州立大ではセンターを中心にプレーしていますが、今シーズンにおいて捕殺を記録したのはたった1回。場合によってはレフトでプレーすることになる可能性もありますね。

また、早生まれのため他選手よりも少し若いことも少なからずプラスポイントと言える。



JJ・ブレデイ

JJ Bleday
21歳:191㎝・93㎏:右投右打:OF:ヴァンダービルト大
予想指名順位:4位~10位

各ランキング 順位
ベースボールアメリカ 6
MLB.com 5
Fangraphs 5

強豪ヴァンダービルド大のレギュラーとして1年目(2017年)からプレー。1年目はイマイチな成績だったものの、2年目(2018年)に打率.368・OPS1.005・31四球(23三振)を記録するなどプチブレイク。しかし、脇腹(斜筋)を痛めたことにより約6週間離脱し39試合しか出場できませんでした。

今シーズンに入ると長打力が開花しNCAAでトップとなる21本塁打を記録。ハンター・ビショップと同様、今シーズンに入って評価を大きく上げ大学生外野手としてはビショップと並ぶ評価を受けています。(ビショップと同じくプロスペクトランキングの発表時期が早かったMLB.comでは低め。)今シーズンのここまでの成績は43試合・打率.343・OPS1.206・21本塁打・31四球(34三振)。

独特なクローズスタンスのバッティングフォームと優れたハンドスピードによりプラスのバットスピードとパワーを誇る長距離打者。昨シーズンは成績を見る限り出塁能力に優れた中距離打者だったと考えられますが、今シーズンは出塁率が下がり三振率が上昇した代わりに昨シーズンの4倍以上のペースでホームランを量産。

最初の20本塁打のうち8本が引張方向、8本が右中間方向、4本が逆方向に放ったものらしく特別プルヒッターなどというわけではないようです。

ただ、2018年にはケープコッド・リーグに参加しそこそこの成績を残していましたが、ケープコッド・リーグのスプレーチャートを見てみると引張方向への打球が多かったので、今シーズンに入って打球方向&アプローチを修正したのかも。

加えて、上のビショップはにシーズンが経つにつれてレベルの高い強豪校との対戦が増え最近になって成績を落としていると書きましたが、ブレデイは打率こそ落としているもののここ11試合で9本塁打を記録するなど長打力は健在。このペースならドラフト日までにビショップを引き離す可能性もありますね。

大学での3シーズンで2盗塁しか記録しておらず走力は平均未満と評価されていますが、高校時代は投手としてもプレー(最速は89マイル)しており肩の強さは平均超とのこと。プロレベルではライトで起用されることになると予想されています。



ニック・ロドロ

Nick Lodolo
21歳:198㎝・84㎏:左投左打:LHP:テキサス・クリスチャン大
予想指名順位:5位~10位

各ランキング 順位
ベースボールアメリカ 8
MLB.com 8
Fangraphs 7

ここまでで初めてとなる投手について。そして、紹介するのは今ドラフトクラスにおいて最も高い評価を受けているテキサスクリスチャン大のエース、ニック・ロドロです。

高校時代から高い評価を受けていたプロスペクトで、2016年のドラフトではパイレーツが全体41位(1巡目補完ラウンド)で指名。パイレーツはボーナススロット(158万ドル)を超える契約金175万ドルをオファーしましたが、ロドロ側は300万ドル前後を要求していたためロドロは強豪のテキサス・クリスチャン大学に進むこととなりました。

テキサス・クリスチャン大学では1年目~2年目(2017~18年)にかけて2年連続で4点台の防御率と1.30以上のWHIPを残すなど伸び悩みを見せ期待外れとの評も。しかし、今シーズンに入って才能が開花。今シーズンはここまで11試合で71イニング・防御率2.15・80奪三振・14与四球という好成績を記録し、プロスペクトとしての評価も急上昇。今ドラフトクラスは投手が大不作となっていますが、ロドロは多くのメディアから今ドラフトクラス最高の投手との評価を受け全体10位以内で指名されると予想されています。

198㎝・84㎏・長身瘦躯の体格とスリークォーターの投球フォームからアンドリュー・ミラー(2006年全体6位指名)と比較されていますが、ミラーよりもテイクバックが小さく安定した投球フォームの持ち主。このような投球フォームでは珍しく踏み出した足を効き腕方向に踏み出しておらず、ミラーなどとは違ってそこまで水平角度は付けていません。

この投球フォームから投げ込まれるシンクのある速球は最速96マイル・平均92~93マイルを計測。変化球はカーブ(80マイル前後)、スライダー(80マイル台後半)、チェンジアップ(80マイル台後半)の3種類を投げ分け各球種の球速分布は理想的。ベストピッチはカーブで右打者からも空振りを奪える球。チェンジアップはMLB.comやFangraphsから高い評価を受けていますが投球割合は低く、個人的には過大評価を受けていると思います。

ロドロのような長身のスリークォーターはコマンドに難を抱えている場合が多いですが、ロドロは先程も述べたようにテイクバックが小さく水平角度も付けないためか投球フォーム・コマンド・コントロールは安定しており今シーズンは四球率1.77を記録。ただ、2017~18年は四球率が3.00台だったので今シーズンに入って向上したように考えられます。

ここまでポジティブな内容を書いてきましたが、気になる点を挙げるとここ1ヶ月間の投球内容。4月5日のオクラホマ大戦では5.1回で6失点・10被安打、4月18日のカンザス大戦では7失点・9被安打、4月26日のベイラー大戦では5.2回で4失点を喫しており、ここ4先発では23イニングで18失点・11自責点・25被安打・17奪三振という醜い成績を残しています。

また、シーズン通算で見ても失点数(27点)と自責点(17点)に大きな差があり、今シーズンの成績を表面通りに受け取るのは大きな間違いかもしれませんね。