ヤンキース:プロスペクト・ランキング:トップ100:2024年開幕版



100位 ➡ 86位 85位 ➡ 71位
70位 ➡ 61位 60位 ➡ 51位
50位 ➡ 41位 40位 ➡ 31位
30位 ➡ 21位 20位 ➡ 11位
10位 ➡ 1位

20位:Roc Riggio

ロック・リジオ:40 FV
2002年6月生(21歳9か月):175cm:2B
Low-A:2023年ドラフト4巡目(全体129位)
選手ページ:MiLB公式Baseball ReferenceFanGraphs
2023年Mid版ランキング:第26位

Hit Power Run Arm Field
40 50 45 45 45

ハイレベルなBig-12カンファレンスで上位の打撃成績を残し、2023年ドラフト4巡目指名にて加入した小兵。

大振りなスイングから繰り出される体格超のパワー、不安視される2B守備はScooter Gennettを彷彿させますが、彼とは対照的に消極的なアプローチが特徴的。

ドラフト直後に参戦したLow-Aでは全くと言っていいほどローパワーを発揮できず、MAX EV 103.6 mphやAvg EV 82.4はワーストティア付近の数字。特にチェンジアップに対するアプローチに苦しみました。

ただ、持ち前のリフトスイングによってBarrelをコンスタントに放っており、ゲームパワーについてはそこまで悲観すべきではないのかもしれません。

19位:Carlos Lagrange

カルロス・ラグランジュ:40 FV
2003年5月生(20歳10か月):201cm:SP/RHP
FCL:ドミニカ:2022年国際FA(契約金$10K)
選手ページ:MiLB公式Baseball ReferenceFanGraphs
2023年Mid版ランキング:第44位

FB SL CB FS Cmd
70 50 40 35
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel FS/vel
101 97 83 80m

若干20歳にして傘下最速の球速を叩き出しており、先発投手ながらも常時100 mph弱を計測。個人的には属に言うシュート回転が気に掛かるところですが、BAによるとWhiff%は44%に達しているとのこと。

コマンド&コントロールと変化球のバリエーションを踏まえると、ブルペンでエンドアップする可能性が濃厚とはいえ、一時期と比べ剛速球投手が激減したNYY傘下のアクセントとして今後も推していきたいプロスペクトです。

18位:Jared Serna

ジャレッド・セルナ:40 FV
2002年6月生(21歳9か月):168cm:2B
High-A:メキシコ:2019年国際FA

選手ページ:MiLB公式Baseball ReferenceFanGraphs
2023年Mid版ランキング:第23位

Hit Power Run Arm Field
45 40 55 45 55

小柄な体格によりローパワー不足は否めず、Low-Aにおける90th EVは102 mph程度に留まるも、積極的なアプローチから25°LA前後の理想的な弾道の打球を量産し、Low-A・FSLのHR王(19本)に。

High-A昇級後は27試合に出場して柵越えを放つことはできませんでしたが、苦手なコース&球種が皆無と言ってもいいほど、オールラウンドなバットコントロール&アプローチを見せています。

さらに、2B守備も印象&守備成績共に良好で、正しく若いCaleb Durbinといったところ。

また、オフシーズン中に参加したメキシカンWLにおいても、年配プレーヤー達を相手にリーグ上位のパフォーマンスを残しており、改めて完成度の高さを見せつけました。

このクラス(40 FVミドルクラス)のプロスペクトがMLBにてレギュラーの座を掴む(PA数MLB上位270位以内に到達する)可能性は10%程度であり、バリアンスが小さな堅実タイプのSernaであればその可能性は尚更低いはずですが、今年度版の”ZiPS Top 100 Prospects”では傘下3番手となる第77位にランクイン。

(18位:John Cruz)

ジョン・クルーズ40 FV
2005年8月生(18歳7か月):193cm:RF
FCL:ドミニカ:2022年国際FA(契約金$75K)
選手ページ:MiLB公式Baseball ReferenceFanGraphs
2023年Mid版ランキング:ランク外

Hit Power Run Arm Field
40 50 50 ? 50

CPX全体で最年少ながらも90th EV(100.8 mph)、Contact%(72.6%)、Barrel%においてリーグ平均の数字を残し、アーリー・スタンドアウト系プロスペクトとして評価急上昇。

Estevan Florialが脳裏をよぎるような柔軟性に欠けるスイングが気に掛かるところですが、長身痩躯なボディにはまだまだ成長の余地を残しており、フロアーだけでなくシーリングの高さも魅力的。

ドラフト組入団以降はCFで起用されることがなかったので、今シーズンからRF/LF固定が見込まれます。

本記事執筆中にJon Bertiの対価としてBen Rortvedtと共に放出。

Bertiの対価としては適正かもしれませんが、DJ LeMahieuJorbit Vivasが怪我しなければその必要もなかったわけで...、勿体ない。

17位:Ben Rice

ベン・ライス:40 FV
1999年2月生(25歳1か月):185cm:C
AA:2021ドラフト12巡目
選手ページ:MiLB公式Baseball ReferenceFanGraphs
2023年Mid版ランキング:第50位

Hit Power Run Arm Field
40 50 30 35 40

今オフの下記投稿にて詳細なプロファイルを取り上げているので、本項では省略。

2023年シーズンMiLB全体No.1の打撃成績を残したバッティング・ファースト型の捕手有望株ベン・ライス(Ben Rice)について

16位:Trystan Vrieling

トリストン・ヴィーリン:40 FV
2000年10月生(23歳5か月):193cm:SP/RHP
ー:2022年ドラフト3巡目(全体100位)

選手ページ:MiLB公式Baseball ReferenceFanGraphs
2023年Mid版ランキング:第30位

FB SL CB CH CT Cmd
55 45  45 40 45 40
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel CT/vel
97 94 85 80 88 88

ディセプションに優れるショートアームからハイスピンなピッチを投げ込む素材型。

2022-23年オフに20lb体重を増やし、2023年ST戦にて印象的なStatcastナンバーを残すも、早々に右肘を骨折しシーズン全休。

なんとかシーズン終了後のAFLには間に合い、10.2 IPで15 K・6 BB・4 HRと極端な成績を残しましたが、球速は故障前と同様、Low-90s mphに留まっていた模様。

しかし、オフシーズン中に更に体重を増やし、STでは見違えるような球威を発揮しており、次のWill WarrenChase Hamptonとなる可能性も。

15位:Francisco Vilorio

フランシスコ・フィローリオ:40 FV
2006年10月生(17歳5か月):193cm:CF
-:ドミニカ:2023年国際FA(契約金$1.7M)
選手ページ:MiLB公式Baseball Reference・FanGraphs
2023年Mid版ランキング:入団前

Hit Power Run Arm Field
35 60 60 70 50

2024年Int FA市場において恵体アスリート型プロスペクトを搔き集めたNYYですが、その中でも最高額のボーナスを与えた極め付けの身体能力オバケ。

筋肉質なボディとマッシブなローツールは正しく高身長なJasson Dominguezといったところで、(嘘かホントか分かりませんが、)Max EVが114 mph(70~80グレード級)、外野送球107 mph(80グレード、そもそも本当なら世界記録)、60ヤード走6.3秒を計測しているとの怪情報も。

DominguezRoderick AriasBrando MayeaのようにSNSで自らのツールを自慢するタイプなので、投稿されるトレーニング風景で身体能力の高さは確認できますが、インゲームのパフォーマンス・クオリティは不明。

インタビューの受け答えもしっかりしており、今のところ脳筋感はありません。

14位:Brando Mayea

ブランド・マイエア:40 FV
2005年9月生(18歳6か月):180cm:CF
DSL:キューバ:2023年国際FA(契約金$4.35M)
選手ページ:MiLB公式Baseball ReferenceFanGraphs
2023年Mid版ランキング:第14位

Hit Power Run Arm Field
45 40 65 50 55

デビュー直後に足首を故障するも、DSLの平均を上回る打撃成績を残し取り敢えず一安心。CF守備の評判も上々です。

プロ入り前からパワー面の評価が分かれているプロスペクトで、EVスタッツは年齢上の必要水準をクリアしており(Max EV 108 mphほか)、ローパワーがそれほど劣っているというわけではなさそうですが、56.8 GB%・2.41 GB/FBを残すほどの低弾道については改善が必要不可欠。

守備走塁でバリューを生み出すプレーヤーとなるはずですけど、今オフの肉体改造がどちらに転ぶか?

13位:Jorbit Vivas

ヨービット・ビバス:40 FV
2001年3月生(23歳0か月):178cm:2B/3B
AAA:ベネズエラ:2017年国際FA

選手ページ:MiLB公式Baseball ReferenceFanGraphs
2023年Mid版ランキング:入団前

Hit Power Run Arm Field
50 40 50 40 50

大谷Joe Kellyの補強によって40人ロースター枠が必要となったLADから、Trey Sweeneyとの交換でVictor Gonzalezと共に獲得したパワーレスなハイフロアー型。

完成度の高いアプローチを武器にAAまで一貫として好成績を記録しており、昨シーズンに酷いコンタクトクオリティ(xwOBAconは約9パーセンタイル)を残し躓いたAAAで結果を残すだけ。

客観的に見れば対RHPのプラトーン控えIFがアウトカムのEVと考えらますが、Jared Sernaと同じく若いうちに上位階級で数字を残しているためかプロジェクション・システム上での評価が高く、実際に今年度版の”ZiPS Top 100 Prospects”では第67位にランクイン。

Oswald PerazaOswaldo Cabreraが開幕からコケて、シーズン中盤に入れ替わるような形でデビューする未来が見えます。

STではチーム最上級の好成績を残し、本来なら開幕ロースター入りを果たすはずでしたが、眼窩底骨折によって長期離脱へ。

12位:Clayton Beeter

クレイトン・ビーター:45 FV
1998年10月生(24歳9か月):188cm:SP/RHP

AAA:2020年ドラフト2巡目(LAD:全体66位)
選手ページ:MiLB公式Baseball ReferenceFanGraphs
2023年Mid版ランキング:第13位

FB SL CB CH Cmd
60 60 60 45 35
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
98 93~94 85 80 88

個人的には今回のSTにて最もインプレッシブを感じたプロスペクト。

ヤンキースの2024年春季キャンプ1週目の雑感」でも取り上げたように、2023年シーズンからメカニクスが見違えるほど改良され、それに伴いピッチクオリティも大幅にアップ。

今シーズン中のMLBデビューは間違いありませんが、STで披露したピッチングが開幕後も続くようであれば、ブルペンの即戦力として期待できるだけでなく、SPローテ加入もロングショットに。

STにおける圧倒的なパフォーマンスを評価され開幕ロースター入り。

SPローテ5番手の座こそLuis Gilに譲りましたが、怪我人とスランプ(劣化・衰え)でガタガタの現ブルペンであれば、勝ちパ定着も期待したいところ。

11位:Agustin Ramirez

アグスティン・ラミレス:45 FV
2001年9月生(22歳5か月):183cm:C
AA:ドミニカ:2019年国際FA(契約金$400K)
選手ページ:MiLB公式Baseball ReferenceFanGraphs
2023年Mid版ランキング:第18位

Hit Power Run Arm Field
45 60 40 55 40

Low-AとHigh-Aにてプラス級のパワーとハイクオリティなアプローチを披露し、8月には若干21歳ながらもAAへ到達。

年齢の割に完成度が高い強打&アプローチとは対照的に、キャッチャー守備に不安を抱えており、強肩ではあるもののリリースタイムが遅く、レシービング諸々のツールも平均未満。

当然のことながら将来的に他ポジションへコンバートされる可能性も十分で、実際にAA昇級後は1B起用が増加。

同タイプ(オフェンシブ型キャッチャー)のBen Riceと比べた時に、どちらを上位に置くかは最早好みの問題でしょう。