アレクサンダー・ビスカイーノ:ヤンキース・プロスペクト

アレクサンダー・ビスカイーノ

22歳/188cm・72㎏/右投先発/ドミニカ出身/A+
2016年国際FA(契約金1万4000ドル)
Baseball Americaチーム内:9位
MLB.comチーム内:13位
Fangraphsチーム内:15位
MiLB.com選手ページ
Fangraphs選手ページ

フォーシーム  : 55/60 (平均94~96マイル、最速100マイル)
スライダー   : 35/40 (平均82~84マイル)
チェンジアップ : 50/60 (平均90~91マイル)
コマンド    : 25/35
総合      : 25/40

Register Pitching
Year Age Tm Lev ERA G IP H HR BB SO WHIP H9 HR9 BB9 SO9 SO/W
2016 19 Yankees 1 FRk 4.89 11 35.0 40 4 13 27 1.514 10.3 1.0 3.3 6.9 2.08
2017 20 Pulaski Rk 5.79 12 51.1 69 9 23 49 1.792 12.1 1.6 4.0 8.6 2.13
2018 21 2 Teams Rk-A 5.12 12 58.0 57 9 23 57 1.379 8.8 1.4 3.6 8.8 2.48
2018 21 Charleston A 13.50 1 4.0 8 2 2 2 2.500 18.0 4.5 4.5 4.5 1.00
2018 21 Pulaski Rk 4.50 11 54.0 49 7 21 55 1.296 8.2 1.2 3.5 9.2 2.62
2019 22 2 Teams A-A+ 4.38 21 115.0 113 8 38 128 1.313 8.8 0.6 3.0 10.0 3.37
2019 22 Tampa A+ 4.28 5 27.1 33 2 11 27 1.610 10.9 0.7 3.6 8.9 2.45
2019 22 Charleston A 4.41 16 87.2 80 6 27 101 1.221 8.2 0.6 2.8 10.4 3.74
All All All   4.89 56 259.1 279 30 97 261 1.450 9.7 1.0 3.4 9.1 2.69

ヤンキース:プロスペクトランキング:1位~50位:2019年夏

ヤンキース・プロスペクトの2019年評価変化


2015-16年のインターナショナルFA市場で最後まで売れ残っていた元無名の選手。契約時点で19歳直前と年齢を重ねており契約金はたったの1万4000ドルでしたが、その後は制球難による低成績のためプロスペクトとしての評価もあまり上がりませんでした。

しかし、2018年シーズンに入り球速が急上昇すると成績も向上。ルーキーリーグ卒業後は順調にA+まで昇格を果たしており、今では球団内プロスペクトランキングでも10位前後にランクインするトッププロスペクトへと成長を遂げました。

フォーシームは球速が年々上昇しており、今シーズンは先発ながらも最速100マイル、常時90マイル台中盤~後半を計測。ただ、変化に乏しくスピンレイトも低い棒球気味の球のため、球速のわりには強打されることもしばしば。

90~92マイルを計測する決め球の高速チェンジアップはヤンキース傘下最高クラスとも評されるプラスピッチ。握りはポピュラーなサークルチェンジではなくスリーフィンガー・チェンジアップで縦に大きく変化。80マイル台前半のスライダーはカーブとも評されますがクオリティはいたって普通。現状としてはスライダーが心もとないためチェンジアップを多投しています(というかチェンジアップを投げすぎ&頼りすぎ)。

体の線が細く下半身も未成熟のためか投球フォームは思いっきり手投げ。体の開きが非常に早く故障リスクが高いだけでなくリリースポイントも安定しないためコマンドは低レベル。わりと明らかなボール球は少なくストライクゾーン内にはアバウトに投げ込むことできるもののそれ以上の細かなコマンドが全くできていない現状。そのため中途半端にストライクゾーンに投げてしまったフォーシームやチェンジアップを強打されてしまっています。BABIPなどが異常に高かったのも運が悪かっただけでなくここらへんも関係しているんじゃないでしょうか。

また、先ほども述べたようにチェンジアップの投球割合が非常に高く投球フォームも腕の振りが見やすいため配球を絞られやすくなっているような印象も。とりわけ左打者に対してはフォーシームが2/3、チェンジアップが1/3ぐらいの配球になっているので、クオリティの高いチェンジアップを持ちながらも対左打者成績は低迷。

このようにイマイチな投球フォーム、コマンドの悪さ、スライダーの心もとなさ、プロ経験の少なさなどを考えると明らかにリリーフ向き、若いころのフェルナンド・ロドニーが完成形・理想像だと私は思いますね。