MLB年度別最高球速Top5

MLB年度別平均球速Top3

上の「MLB年度別平均球速Top3」の記事と同じように、今回はBaseball Savantにデータが載っている2008年~2018年のMLB最速記録(マイル表示)の年度別Top5をまとめました。

2008年~2016年はPitch f/x、2017年以降はStatcastの計測結果。2008年~2014年はBaseball SavantのPitch f/xのデータ、2015年以降はMLB.comのStatcastのデータを使用します。また、Pitch f/xの初速はBrooksBaseballのようにリリースポイントでの球速になるように補正されているようです。この補正の正確性が非常に微妙なので14年までの記録は参考記録だと思ってください。


2008年

順位 選手名 球速(マイル) 球速(km)
1 ジョエル・ズマヤ 102.0 164.2
3 ジョナサン・ブロンクストン 101.7 163.7
3 マット・リンドストロム 101.7 163.7
4 アービン・サンタナ 101.3 163.0
5 ウバルド・ヒメネス 101.1 162.7

かつての世界最速投手であるズマヤが唯一の102マイルを記録。シーズン全体で101.8マイル以上を4球記録しています。

4位には若かりし頃のサンタナがランクイン(先発ではトップ)。今では球速は平均より下~平均レべルとなっていますが、この頃は平均95マイルを超える剛速球投手でした。5位のヒメネスも今では剛速球投手だった面影は全くありませんね。


2009年

順位 選手名 球速(マイル) 球速(km)
1 ジョエル・ズマヤ 103.4 166.4
2 ジョナサン・ブロンクストン 103.3 166.2
3 ブライアン・ウィルソン 102.9 165.6
4 ダニエル・バード 102.1 164.3
5 ネフタリ・フェリス 101.9 164.0

ズマヤがブロンクストンをわずかに抑えて2年連続のトップに。100マイル以上を215回記録していますが、これは2位のブロンクストン(111球)にダブルスコア近くを付けています。

表の5人は全員がリリーフ投手。先発では5年目&26歳のジャスティン・バーランダーが最速101.7マイルを計測しています。


2010年

順位 選手名 球速(マイル) 球速(km)
1 アロルディス・チャップマン 105.8 170.3
2 ネフタリ・フェリス 104.1 167.5
3 ヘンリー・ロドリゲス 103.9 167.2
4 ボビー・パーネル 103.2 166.0
5 ジョエル・ズマヤ 102.9 165.6

お馴染みのチャップマンが1年目で早速1位に。ただ、最速105.8マイルとなっていますが補正前は105.1マイル(169.1㎞)となっており、実際に170㎞を超えていたかは微妙。何度も言いますけど参考記録ぐらいに思ってくださいね。

2位と3位の記録はどちらもカウフマン・スタジアムのロイヤルズ戦で計測されたもの。このカウフマン・スタジアムのPitch f/xは誤差が大きく球速が非常に出やすいと言われていたので、二人の記録の正確性には疑問符が付きます。(フェリスの補正前の記録は103.1マイル)

というかこの年のPitch f/xの記録は他の年と比べると全体的におかしいと思うんですよね。まあ実際のところは分かりようがないんですけど。

ちなみに、先発投手のトップはバーランダーの102.3マイル。


2011年

順位 選手名 球速(マイル) 球速(km)
1 アロルディス・チャップマン 104.1 167.5
2 ボビー・パーネル 103.2 166.0
4 ヘンリー・ロドリゲス 102.1 164.3
4 ジャスティン・バーランダー 102.1 164.3
5 マイケル・クレト 101.9 164.0

チャップマンがダントツの記録を残し2年連続でトップに。同じく2年連続で103.2マイルを記録したパーネルも立派ですね。

この年、MVP&サイヤング賞に輝いたバーランダーが4位にランクイン。この年のバーランダーは100マイル以上を46球記録しましたが、そのうち36球が5回以降、25球が7回以降、19球が8回以降に計測したものです。無尽蔵のスタミナとはまさにこのこと。


2012年

順位 選手名 球速(マイル) 球速(km)
1 アロルディス・チャップマン 103.4 166.4
2 ケルビン・ヘレーラ 102.9 165.6
3 アンドリュー・キャッシュナー 102.7 165.3
5 ジャスティン・バーランダー 102.2 164.5
5 ボビー・パーネル 102.2 164.5

チャップマンが3年連続のトップとなりましたが、2位&3位との差は過去2年間ほどではなくインパクトには欠ける数字。

あとはバーランダーが4年連続で先発投手トップとなっています。


2013年

順位 選手名 球速(マイル) 球速(km)
1 アロルディス・チャップマン 104.7 168.5
3 ブルース・ロンドン 103.5 166.6
3 ヘンリー・ロドリゲス 103.0 165.8
4 ヨーダノ・ベンチュラ 102.6 165.1
5 ケルビン・ヘレーラ 102.2 164.5

平均球速はロンドン(平均100.0マイル)に大差をつけられたチャプマン(平均98.9マイル)ですが、最高球速記録ではチャップマンが4連覇。ロンドンに2km近い差を付けました。

4年連続先発投手トップだったバーランダーは衰えが進み100マイル以上はたった2球。代わりに1年目のベンチュラが先発投手トップとなりました。しかし、ベンチュラの102.6マイルはカウフマン・スタジアムで計測したもので、カウフマン・スタジアム以外での最速記録は101.0マイル。、実質は101.7マイルを計測したゲリット・コールが先発トップだったかもしれません。


2014年

順位 選手名 球速(マイル) 球速(km)
1 アロルディス・チャップマン 104.5 168.2
2 ケルビン・ヘレーラ 102.1 164.3
5 ヨーダノ・ベンチュラ 101.7 163.7
5 エリック・コーディエ 101.7 163.7
5 ケン・ジャイルズ 101.7 163.7

これまでとは打って変わって102.2マイル以上を計測したのがチャップマンだけとなりました、2位かは大きな差がありません。

あと、5位タイのコーディエはこの2年後にオリックスに入団しましたが、日本での最速は157kmでしたね。


2015年

順位 選手名 球速(マイル) 球速(km)
1 アロルディス・チャップマン 103.9 167.2
2 ネイサン・イバルディ 102.4 164.8
4 ケン・ジャイルズ 101.7 163.7
4 ブルース・ロンドン 101.7 163.7
5 アルキメデス・カミネロ 101.6 163.5

この年からPitch f/xではなくStatcastの計測記録となります。

2位にヤンキースの先発イバルディがランクイン。ヤンキースの選手がランクインするのは初です。

5位には現巨人のカミネロが!日本での最速は162kmなのでコーディエほどは日本来日後に球速が低下していませんね。


2016年

順位 選手名 球速(マイル) 球速(km)
1 アロルディス・チャップマン 105.1 169.1
2 マウリシオ・カブレラ 103.8 167.0
3 ネイサン・イバルディ 102.3 164.6
5 アルキメデス・カミネロ 102.2 164.5
5 エドウィン・ディアズ 102.2 164.5

(この年だけはStatcastとPitch f/xのデータを合わせました。)

チャップマンがStatcast最高記録となる105.1マイルを計測。104・9マイル以上を4回記録するなど最高球速に関してはこの年がチャップマンのベストシーズンだったのではないでしょうか。

新星マウリシオ・カブレラが2位にランクイン。平均球速100.7マイルを記録するなどジョエル・ズマヤ2世となれる可能性もありましたが、制球難のためにMLBでプレーしたのはこの年のみ。今年(25歳)もマイナーでは四球率10.9を記録しており、もう2度とMLBでプレーすることはないでしょう。


2017年

順位 選手名 球速(マイル) 球速(km)
1 アロルディス・チャップマン 104.3 167.9
2 フェリペ・バスケス 102.6 165.1
3 ジョー・ケリー 102.2 164.5
4 エドウィン・ディアズ 101.8 163.8
5 トレバー・ローゼンタール 101.7 163.7

ここまで左投手でランクインした選手はチャップマンのみでしたが、新たに左投手のバスケスがランクインを果たしました。前年までの最速は101.6マイルだったバスケスですが、自己ベストを1マイル更新したことになりますね。

また、2012年~2014年にランクインしていたケルビン・ヘレーラは最速101.5マイルとギリギリランクインを逃しています。

ちなみに、先発投手のトップは101.3マイルを記録したルイス・セベリーノ。


2018年

順位 選手名 球速(マイル) 球速(km)
1 ジョーダン・ヒックス 105.1 169.1
2 アロルディス・チャップマン 104.4 168.0
3 タイロン・ゲレーロ 104.0 167.4
4 フェリペ・バスケス 102.2 164.5
5 ディエゴ・カスティーヨ 101.9 164.0

(一応シーズンはまだ終了していませんが)デビュー以来8年連続でトップだったチャップマンがとうとう陥落。そのチャップマンと並ぶStatcast最速記録の105.1マイルを計測したルーキーのジョーダン・ヒックスがトップとなりました。しかも、フォーシームではなくシンカーで計測したんですから、ある意味ではチャップマンより上かも。

また、あまり注目されていませんがマーリンズのタイロン・ゲレーロも素晴らしい数字を残しています。(しかし、すでに27歳なのであまり上がり目は感じません)

ちなみに、先発投手のトップは大谷翔平とジョシュ・ジェームズ(HOU)の101.1マイル(162.7km)です。



チャップマンは既に30歳を超えており来年以降も首位に返り咲くことは厳しいでしょう。反対にヒックスはまだ22歳なので来年以降の記録更新も期待したいところ。ただ、そのヒックスも去年のアリゾナ秋季リーグまではほぼ無名の選手だったので(加えてタイロン・ゲレーロも)、また新たに名の知れぬ剛速球投手が突然デビューするかもしれませんね。


次は「年度別先発投手平均球速top5」についての記事を書こうと思います。