ヤンキース:プロスペクト・リポート:第5回(2023/8/12)

2023年シーズン前半戦終了時点におけるニューヨーク・ヤンキースのプロスペクト(有望株)ランキングTOP50を作成
2023年「ヤンキース:プロスペクト・リポート」の第4弾

セベリーノを未だに先発ローテで引っ張ってるの、如何にもフレキシブルなチーム運用ができないヤンキースらしいですよね。



AAA

クレイトン・ビーター

6月にAAAで昇級を果たすも、投球数&イニング数制限を解除され球威が悪化した現在の姿では打高投低の同クラスに通用せず、31.2イニングで9本塁打を許し25.9 GB%・20.1 被LAを残すなど一発病を再発。7月には11失点登板も。

シーズン終了直後に25歳の誕生日を迎え、ルール5ドラフトの対象にもなるだけにAAAでチンタラやらせる余裕もなく、ちゃっちゃとブルペンに回すのが効率的なんでしょうけど、ヤンキースは兼ねてからここら辺の判断が遅く、数多くの投手プロスペクトを無駄にしてきた組織。

もちろん制限解除の直後にAAAで好成績を期待するのは酷ですが、どうせ今回も先発ローテで過剰に引っ張ってその才能を潰すことでしょう。

エバーソン・ペレイラ

コンタクト率がたった64%に留まり、Chase%も平均を下回るなどアプローチ面では決して褒められたパフォーマンスを残していませんが、Avg EV 93.4 mph・45.0 HH%・11.8 Barrel%はお見事。

プロスペクト・ランキングのミッドシーズン・アップデートにおいても、ジェイソン・ドミンゲスより上に置く媒体がチラホラ。

同じくAAAのオースティン・ウェルズウィル・ウォーレンをコールアップすべきだとは思いませんが、ペレイラならいいんじゃないですか。

エドガー・バークレー

約2ヶ月でAAを卒業しAAA昇級。

フォーシームとチェンジアップで思うようにストライクが奪えず、K<BBを残しプロ入り後初となる2登板連続被弾を喫しているとは言え、被HH%(16.7%)や被EV(81.8 mph)などコンタクト・クオリティはすこぶる優秀で、取り敢えずウィークコンタクトを量産する投球術はAAAでも通用している模様。

ただ、昇級後も球数制限は続いており、ヤンキースお得意の稚拙かつ中途半端な育成方針に振り回されている印象。

球種 球速 スピン IVB HB
FF 89.2 1968 17.3 -6.7
CB 77.7 1914 2.7 5.4
CH 80.2 1747 9.9 -13.9


AA

アグスティン・ラミレス

今週にHigh-Aをたった1ヶ月強・27試合で卒業しAA昇級。

早くも114 mphの打球を放つなど新クラスでも勢いは衰えていません。

ただ、昨日の試合に手2年ぶりプロキャリア2度目となるファースト起用を受けた点は気になるところ。

ベン・ライス

シーズン序盤は早々とILに入り今年もスぺ体質でダメかと思いきや、限られた出場機会の中で圧倒的な打撃パフォーマンスを続け、気付けば傘下No.1の打撃成績を残す上位プロスペクトに。

ファースト起用の頻度からキャッチャー守備に対するチームの信頼度の低さが伺えますが、ライスの活躍を見ているとタイプと年齢が似通っているオースティン・ウェルズやらT.J・ラムフィールドやらは何をチンタラやってんだとなります。

ヘスス・バスティダス

AAAのハイクオリティなハイピッチに対応できず、成績が好転しないままオズワルド・ペラザの降級に併せAAへ送り返され、降級後は7試合でたった1安打。

AAAではまだまだ若い部類に入る(AAでも平均年齢前後の)選手で、ユーティリティ性も大きな魅力ですが、ここに来てローパワーレスを露呈した印象。


High-A

ジャレッド・ウェグナー

今年のドラフト9巡目指名選手。

5年間にも渡って大学でプレーしたため既に24歳と年齢を重ねており、他のドラフト組がFCL~Low-Aでプレーする中でただ1人High-Aに定着。

年齢的に早い段階から好成績の残す必要があるはずですが…

バロン・スチュアート

開幕からLow-Aにて不安定なピッチングを続けるも、7月の4登板全てで5.2回以上&1自責点を記録し、今月からHigh-Aでプレー。

ただ、同クラス初登板では6回無失点の好投を披露したにもかかわらず、2登板目で8失点の大炎上。

今シーズン途中に1 mph程度の球速バンプを経験しているとは言え、24歳と年齢を重ねているだけでなく変化球のレパートリーも少なく、早めにブルペンへ回すのが正解かもしれません。

ブレンダン・ベック

4イニング・60球程度の投球制限が課せられていますが、復帰後8登板のうち6登板を無失点に抑え、失点を許した2登板もそれぞれ1失点と2失点。

優れたコマンドと投球術によって球威以上に空振りも奪えており、取り敢えず一安心といったところ。

今シーズンはこのまま最終盤にAAで顔見せしてエンドですかね。


Low-A

ホセ・コルメナレス

本来ならドラフト組を取り上げたいところですが、2021年FCL以来2年ぶりに実戦復帰を果たしたコルメナレスがドラフト組など吹き飛ばすような強打を披露。

復帰後10試合においてHH%は60%を超え、Sweet Spot%も47.1%と極めて優秀。EVとLAを両立することに成功しすでに5本のBarrelを放っています。

とは言え、大振りなスイングは危うさを感じさせ、コンタクト率やZ-Con%はイマイチ。何時スランプに陥ってもおかしくありません。

また、セカンド守備では身体能力を活かしレンジこそ上々なものの、ハンドリングなどは△の印象。

ヒューストン・モリル

名門オクラホマ州立大学にて二刀流としてどっちつかずのパフォーマンスを残し、2022年ドラフト外にてヤンキースと契約。

今シーズンは開幕を60日ILで迎え、先月に投手としてプロデビューを果たしました。

ショートアームのディセプションが優れた投球フォームから投じられるナチュラルシンカーはVAAに長け空振りを量産。

ただ、決め球のスライガーがイマイチ機能しておらず、RHB相手にもシンカー多投でゴリ押す場面も。

経験が少ないだけでスペック自体は高く、ストライクを投げることにも苦労していないので、スリーパープロスペクトとして注視したい存在。

球種 球速 スピン IVB HB
SI 94.6 2371 16.1 -12.8
CT 89.2 2540 10.6 0.4
SL 84.4 2625 2.7 4.5


FCL&DSL

ヘンリー・ラレーン

38.6 K%・5.3 BB%を残すなどFCLの同世代バッターを圧倒。

これまであまり球速情報などが無かったのですが、Baseball Americaによると90 mph中盤を計測している模様で、プロスペクト評価も赤マル急上昇中。

Joe Doyle御大傘下ランキングでは8位にランクインしています。

エリック・ライゼルマン

昨シーズンLow-Aにて期待外れのピッチングを披露したまま、故障により60日IL上で今シーズンの開幕を迎え、7月にFCLで復帰するも、8月は2登板で7失点。

FCLなので球威が復活しているのか分かりかねますけど、もうダメかもしれrないですね。

ロデリック・アリアス

7月下旬に左手小指を骨折しシーズン終了。

7月は1.167 OPSの大活躍を披露していただけにね…。

ただ、それでもプロスペクト評価は上昇を続け、Baseball Americaの最新アップデートでは全体96位にランクイン。

ルイス・オガンド

DSLにて昨シーズンから着実に打撃成績を残すも、サード守備では悲惨な成績を残し、出場機会の大半がファースト/コーナーOF起用に。サード失格の烙印を押されるのも程遠くはないでしょう。

そもそもバッティングだってバビってるだけかもしれん。

カルロス・ヘレーラ

ファーストながらもDSL3年間の通算OPSはたった.478。出場機会与えるだけ無駄だから、ちゃっちゃとクビを切れ。

コメント

  1. ベテミット より:

    記事と全然関係ないですが、今年のヤンキース打線がゴミなのはなんででしょうか?怪我?衰え?

    • 管理人 より:

      そりゃ怪我や衰えも要因の1つですけど、指導陣の無能が最大の理由じゃないですか。
      若手やベテランに限らず、NYYの指導陣によってバッティングが目に見えて向上(復活)したバッターなんて2019のUrshelaが最後ですからね。
      例えばJUdgeは外部コーチの指導、Carpenterは入団直前のスイング改造、Frazierは自主トレ(2020DJLMは正直分かんない)
      ゴミを搔き集めるChashmannにも責任がありますが、3~4シーズンも成果ゼロなんて現代MLBでは本来あり得ない所業。他球団の指導陣なら現ロースターから打撃力をもっと引き出していますよ。
      しかも、やっと打撃指導陣をテコ入れするのかと思ったら、Booneのお友達雇って馴れ合いを助長させただけ。
      一から十まで終わってる。