2020年MLBドラフト上位指名候補:高校生野手

10か月後に行われる2020年度MLBドラフトの上位指名候補&注目選手を取り上げていこうかと。

今回はその中でも高校生野手について。

すでに2020年度ドラフトのプロスペクト・ランキングを発表しているベースボールアメリカ(BA)とFangraphsの順位を載せていますが、ベースボールアメリカは大学生と高校生で分けて発表しています。

2020年MLBドラフト上位指名候補:大学生野手

2020年MLBドラフト上位指名候補:大学生投手



オースティン・ヘンドリック

Austin Hendrick
18歳:185㎝・88㎏:左投左打:RF:ペンシルバニア州
予想指名順位:全体6位~10位

各ランキング 順位
BA(高校生) 5
Fangraphs 8

2020年度ドラフトクラスの高校生の中でもブレイズ・ジョーダンに次ぐ常人離れした圧倒的なバットスピードとパワーの持ち主。

シンプルなスイング軌道にも拘わらず独特な右足のトータップなどバッティングフォームに無駄が多くコンタクトに問題があると言われていますが、7月に入りフォームを簡素化したことで改善が進んでいるようです。

それでも8月中に行われたU-18・ワールドカップのエキシビションマッチではチーム最多の8三振(16打数)と大苦戦。ワールドカップ本戦でも三振を連発するようなことがあれば・・・。

パワーと同じく強肩もトップクラスですが走力は平均レベル。プロレベルでもセンターではなくライトを中心に守ることになると予想されています。

また、早生まれのため来年のドラフト時点で約19歳であることはマイナスポイント。



ピート・クロウ=アームストロング

Pete Crow-Armstrong
17歳:183㎝・79㎏:右投右打:CF:カリフォルニア州
予想指名順位:全体3位~10位

各ランキング 順位
BA(高校生)
Fangraphs

1年以上前から高校生No.1の野手と評価され続けているトッププロスペクト。

完成されたスイングの持ち主でオースティン・ヘンドリックとは対照的にバットコントロールとコンタクトスキルを高く評価されているライナーヒッター&中距離打者。

高校の公式戦に加えてショーケースなどの各種イベントでも好成績を残し続けてきた豊富なトラッキングレコードを持つ選手。しかし、U-18・ワールドカップのエキシビションマッチではチーム・ワーストの打率.182を記録するなどオースティン・ヘンドリックと同様に期待外れのパフォーマンスを披露。さらに、直前に腕を故障し本戦は欠場予定。

60ヤードダッシュで6.51秒を記録するなど走力は平均超。ショーケースで最速93マイルを計測している外野送球&強肩と高い野球IQも加えて、プロレベルでもセンターでプレーすることができると考えられます。

遅生まれのためドラフト時の年齢が18歳2ヶ月。ヘンドリックと比べて10か月もの差が。



ディラン・クルーズ

Dylan Crews
17歳:183㎝・84㎏:右投右打:CF:フロリダ州
予想指名順位:全体4位~10位

各ランキング 順位
BA(高校生) 2
Fangraphs 6

ヘンドリック、クロウ=アームストロングと並ぶ外野手Big3の1人。U-15のUSA代表に選出された経験があるなどクロウ=アームストロングと同様に若いころから評価され続けてきたトッププロスペクトです。

非常にシンプルかつなバッティングフォームですが理想的な上半身の捻転差、強靭な腰の回転、高速のハンドスピードによりヘンドリック級のパワーを披露。ヘンドリックとは対照的にフィールド全体に長打を放っており、選球眼も高校打者としては優秀。

60ヤードダッシュ・6.63秒、外野送球最速92マイルとクロウ=アームストロングにはわずかに劣るものの、プロレベルでもセンターでプレーすることができる可能性は十分。

また、遅生まれによりドラフト時の年齢が18歳3ヶ月。



ブレイズ・ジョーダン

Blaze Jordan
17歳:185㎝・96㎏:右投右打:1B:フロリダ州
予想指名順位:全体20位~30位

各ランキング 順位
BA(高校生) 8
Fangraphs 33

アーロン・ジャッジと過去のホームランダービーを比較する

大手メディアに何度も取り上げられリトルリーグ時代から世代No.1の注目を集めてきた早熟なプロスぺクト。日本でもそこそこ名が知れており知名度だけならドラフト候補生の中でもダントツ。

元々は2021年ドラフト対象選手でしたが1年早く卒業(飛び級?)することに決めたため、現在16歳8か月、ドラフト時で17歳5か月にもかかわらず2020年のドラフト対象となっています。

MLBドラフト史に残るパワーの持ち主で今ドラフトのベストパワーであることは誰もが認めるところ。シンプルかつコンパクトなスイングにも関わらずパワーを発揮するあたりに体の強靭さが垣間見えます。

年齢以上に成熟したアプローチの持ち主だと言われていますが、最近になってスイングストライクの多さが指摘されることもしばしば。今月行われたパーフェクト・ゲーム・オール・アメリカン・クラシック(Perfect Game All American Classic:高校生の全米オールスターゲーム)では全米トップクラスの好投手相手に4打席4三振と全く手が出ませんでした。

ただ、高校の通常の公式戦においては昨シーズンから今シーズンにかけて三振を約65%も減らすなどアプローチ面に一定の向上があったのは確か。(サイトに載ってたその成績が本当に正しいのかは知らないけど)

投手としてもプレーするなど強肩の持ち主ですが(投手としての最速は92~93マイル)、守備はファーストに限定されており他ポジションでプレーできる可能性は皆無。

また、ここ数年間においてこれといった体格面の成長が見られず、16歳ながらも今後の体格面の成長の余地はほとんど無し。(とはいえ今年に入って体を絞っていることには要注目!)

通常の高校生よりも1歳若いとはいえ、悪い意味でツールが完成されているファースト専が上位で指名されるというのは常識的に考えると可能性は低く、今後1年間のパフォーマンス次第では1巡目から転がり落ちる可能性も大。