皆さんご存知でしょうがヤンキースがテキサス・レンジャースとのトレードでジョーイ・ギャロ(+オマケでジョエリー・ロドリゲス)を獲得し、対価としてプロスペクト4人(エゼキエル・デュラン、ジョシュ・スミス、トレバー・ハウバー、グレン・オット)を放出しました。(まだ合意の段階で締結は明日の予定)
また、レンジャースはギャロの今シーズン残り年俸220万ドルほぼ全額とロドリゲスの残り年俸の9割(105万ドル中90万ドル)を負担するとのこと。
コロナワクチンの接種を拒否している”文明社会の害悪”ことアーロン・ジャッジやそのジャッジに次ぐ野手成績を残しているアーシェラがコロナ故障者リストから復帰したばかりのヤンキース。球界屈指のパワーヒッターであるギャロが加わったことでネームバリューだけなら世界最強HOU打線に勝るとも劣らない重量級打線が完成しましたが、肝心のギャロは後半戦に限ると11試合・37打席で3安打・17三振(2四球)・打率.088・OPS.397とチンカス。
ジャッジとアーシェラが復帰したとはいえスタントン、トーレス、ラメイヒュー、ガードナーに復調の兆しはなくサンチェスの確変も終了した感がある中で好不調の波の底にいるギャロが加入したところで即座の得点アップには繋がらないかもしれません。
ただ、2022年シーズン終了後にFAとなるギャロの獲得は来シーズンも見据えた補強であることは確か。今季年俸も650万ドルと実績以上に安く、来シーズンもリーズナブルな金額で契約を結ぶことができるのは大きなプラス要素。
また、ヤンキースは数日前の時点で年俸制限まで残り300万ドルを切っていましたが、不良債権化していたジャスティン・ウィルソンをルイス・セッサとのセット販売でシンシナティ・レッズへ放出しキャップスペースを400万ドル弱まで空けることに成功。加えて今回のトレードにおいてギャロとロドリゲスの負担額をほぼゼロとすることで更なる補強の余地を残しているだけでなく、今シーズンに年俸制限を守ることができればシーズン終了後には選手補強の余地が広がります。
対価として放出したプロスペクトは今ブログで何度も取り上げており今さら詳細を示すつもりはありませんが(各選手の詳細については本記事最下部の”プロスペクト4人の関連記事”を参照)、ハウバー以外は今オフにルール5ドラフトの対象となり本来はMLBロースターに追加する必要があったプロスペクト。特に目玉となるデュランとスミスの二遊間2人はオズワルド・ペラザとアンソニー・ボルピが大躍進し内野手が急激に豊富となったヤンキース傘下内で優先順位が高い存在ではなかったことも確かで、傘下内のデプス状況を考えると4人の放出はヤンキースにとって大きな痛手ではありません。
ただ、ネームバリュー以上の好成績を残しているとは言え先発投手の層が薄く、リリーフ陣は目も当てられないような炎上を繰り返し、主力野手はそのほとんどがキャリアワーストクラスの成績に終わっている中で年俸制限を守りながら中途半端にワイルドカードでのPS出場を目指している点は個人的に気に食わないですし、ヤンキース傘下のデプスやロースター状況は別として単純にプロスペクト4人とギャロのトレードバリューが釣り合っているかも疑問。
ギャロ獲得後もトレバー・ストーリーの獲得や投手陣の補強を目指し交渉を続けているようですが、今シーズンはキッパリ諦めて反対にプロスペクトを不良債権の放出に用いるぐらいの思い切ったムーブをかませてほしかったですよ。
まあ、ギャロはまだ来年があるのでレンタルのクセに要求が高いストーリーやスターリング・マーテを獲得するよりはマシですけど。
とにかくボルピ、ペラザ、ドミンゲスのビッグ3を手放すことなく今回のトレードデッドラインを無事終えることを願うばかりです。
正直なところ何年も前からヤンキースにはジョーイ・ギャロを獲得して欲しいと思っていたので内心ワクワクしています。
アダム・ダン型のホームラン・バッターなんて多けりゃ多いほど愉快ですから。
プロスペクト4人の関連記事
7位:エゼキエル・デュラン
8位:ジョシュ・スミス
22位:トレバー・ハウバー
29位:グレン・オット
コメント
初めまして
僕もフォーディさんと同じ意見で、むしろプロスペクトをつけて不良債権を引き取ってもらい再建に向けた
舵取りの方がよかったと思います。チャップマン、ブリットン等のリリーバーなら不調とはいえ多少のニーズはあったかもしれません。
一番出したいのはスタントンですよね。まず不可能だとは思いますがプロスペクトやリリーバー、年俸負担を抱き合わせて何とか奇跡的に放出できなかったのかと思ってしまいます。
ギャロ、リゾと課題の左打者を補強しました。ブログを拝見し、40人枠の整理が目的で需要なプロスペクトは出していないことは理解できました。しかしこれも同意見で得点力が上がる可能性は低いと思います。
全体的打者の劣化が顕著。三振が多く、ソロHR頼みの繋がりのない打線に、三振の多い打者を補強して得点力が向上するのか疑問です。補強とは弱点のポイントを埋めるもので総じて低調な打線が一人、二人の追加では解決しないでしょう。むしろ打撃コーチや2遊間がら空き、3遊間に守備3人の状態でも、なおも引っ張る打者の指導、進塁打や犠牲フライ等の意識改革や作戦を変更したほうが早いと思います。
残念ながら私はニワカで浅はかなので常にホームラン狙いの脳筋パワーヒッターが大好き。むしろリゾー程度の打者でもコンタクト思考が強すぎるぐらいです。
進塁打なんてクソ食らえですよ。