先発投手:2018年MLBポジション別選手ランキング

・イントロダクション

(1)怪我をしないのも実力のうち(アクシデントによる怪我は別)
(2)セイバーメトリクスを重視
(3)最近のシーズンほど重みをつけて評価
(4)無意識にヤンキースの選手を優遇しているはず
(5)ポテンシャルとか伸びしろは評価せず
(6)不調に陥らないのも実力のうち
(7)運も実力のうち・・・ではない
(8)先発投手において”勝敗”は一切考慮していない

 
 

 
先発投手
 
 
 
1位:クレイトン・カーショウ(ドジャース・30歳)
2017年:rWAR=4.6:fWAR=4.6
 
 
 
 
 
 
 
 
 

1ヶ月以上怪我で離脱しただけでなく、投球内容も2015~16年から悪化。結果としてここ7年間でワーストの成績に終わりました。今年の春季キャンプ中にとうとう30歳になりますが、フォーシームの平均球速がここ3年間で94.2⇒93.6⇒92.8マイルと落ち続けてきており、MLB最強投手と言われるのも今が最後かもしれませんね。
 

 
 
2位:マックス・シャーザー(ナショナルズ・33歳)
2017年:rWAR=7.6:fWAR=6.0
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
故障者リストに入ったにも関わらず5年連続で200イニングに到達。投球割合・組み立てにおいて更なる進化を見せ、32歳ながらも投球内容は自己ベストでした。カーショウがまた怪我するようなら来年は一位ですかね。
 
3位:コリー・クルーバー(インディアンズ・31歳)
2017年:rWAR=8.1:fWAR=7.3
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 前半戦は故障者リストに入り成績も超一流の数字ではありませんでしたが、後半戦にセールを追い抜き2度目のサイ・ヤング賞を獲得。プログレッシブ・フィールド(インディアンズの本拠地であり、ALで一番投手が不利な球場)でプレーしてこれほどの好成績を残すのは驚異的であり、AL所属でERA+200越えは2009年のグレインキー(当時はKC所属)以来でした。
 

4位:クリス・セール(レッドソックス・29歳)
2017年:rWAR=6.1:fWAR=7.7
 
 
 

2017年もサイ・ヤング賞の最有力候補でしたが、例年通り惜しいところで度々大炎上してサイ・ヤング賞を逃しています。ただ、2017年の奪三振率12.9はランディ・ジョンソン、ペドロ・マルチネスに次ぐ歴代3位の数字で、fWARはMLBの投手全体でトップでした。しかし、2016年の不調は結局何だったんですかね。ヤル気の問題かな。
 

 

5位:ジャスティン・バーランダー(タイガース・35歳)
2017年:rWAR=6.3:fWAR=4.1
 

悲願のWS優勝を果たしましたし、あとは将来の殿堂入りを確実なものにできるか。ただ、2017年シーズンは表向きの成績こそよかったものの、細かい投球内容が2015~2016年からしれっと悪化していたのが気になるところ。
 
6位:ザック・グレインキー(ダイヤモンドバックス・34歳)
2017年:rWAR=6.0:fWAR=5.1

2016年はボロックソに叩かれましたが、なんだかんだ言って復活。2018年はチェイスフィールドにヒュミドール(ボールの湿度を高める)が導入されボールが飛びにくくなるので更なる成績向上も見込めます。

7位:スティーブン・ストラスバーグ(ナショナルズ・29歳)
2017年:rWAR=6.5:fWAR=5.6

前半戦は例年通りの成績でしたが、最後の10先発で62.2回、防御率0.86、被OPS.457、xwOBA.217と圧倒的な内容でシーズンを締めくくり、今年のサイ・ヤング賞の有力候補となっています。ただ、この人はいつも「今年こそは!&今度こそは!」というところで怪我して期待を裏切るので、どうせ今年も期待するだけ無駄でしょうね。
 

 
 
 
8位:カルロス・カラスコインディアンズ・31歳
2017年:rWAR=5.4:fWAR=5.5
 

 

毎年ブレイク候補に挙げられてきましたが、2017年は初めてシーズン中に故障者リスト入りすることなくローテンションを守り200イニングに到達、サイヤング賞4位となりました。毎年、プログレッシブ・フィールド(クルーバーの項でも書きましたが、インディアンズの本拠地であり、ALで一番投手が不利な球場)での成績はそこそこのレベルですが、アウェイではサイ・ヤング賞級の成績を残しており、インディアンズでプレーしていなければもっと上の成績を残していたかもしれません。ただ、残念ながら2020年まで契約が残っています。

 
9位:ジェイコブ・デグロム(メッツ・29歳)
2017年:rWAR=4.4:fWAR=4.4

 

 2016年は肘の故障でイマイチな投球内容でしたが、2016年11月に手術を受け2017年は無事復活。開幕時はシンダーガードに次ぐ先発2番手でしたが、そのシンダーガードとは対照的にきっちりローテーションを守り初めて200イニングに到達しました。
 
 

 

 
10位:ホセ・キンターナ(カブス・29歳)
2017年:rWAR=2.4:fWAR=3.9
 
 

 

5年ぶりに200イニングを下回り、投球内容も例年ほどではありませんでした。ホワイトソックス時代はクリス・セールの陰に隠れ気味でしたが、今や大人気球団シカゴ・カブスのエースピッチャーですしもっと脚光を浴びてほしいところ。ちなみに、デビュー前の2008年~2011年はヤンキースのマイナーでプレーしており、彼の放出は2010年以降のヤンキースにおけるワーストムーブと言えるかもしれません。

 
 
 来年のランクイン候補はダラス・カイケル、ノア・シンダーガード、マディソン・バンガーナー、ルイス・セベリーノ、ジェームズ・パクストン、ダルビッシュ有、アーロン・ノラ、クリス・アーチャー、カイル・ヘンドリクスあたりでしょうか。
 あと、ここまでまで書き終えて今更気づいたんですけど、カーショーとシャーザーの順位は逆にすべきのような気が・・・、まあいいか。